マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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まんだらけが「万引き犯」の顔を公開することに対して、日本中で是非の議論が起きている。

日本全国での年間万引き件数は12万6000件、一日あたり350件の計算だ。大企業のように億単位のビジネスとは違い、万引きされるような販売店は、小さな売上げを積み重ねて経営をしているところが多い。彼らにとって万引きとは、軽いいたずらのようなものではなく、経営を脅かす重大な犯罪行為なのだ。

まんだらけが取っている行為は、名誉毀損罪や脅迫罪が適用される恐れがある。「悪法と言えども法は法」という言葉があるように、どんな悪法であっても法律を遵守することは法治国家に生きるものとしては必要なことだ。すべての人にとってプラスになるルールなど存在しない。したがって、良いルールも悪いルールも存在しながら、社会全体として適正な形で進んで行くのが望ましい形だろう。

しかし、まんだらけのケースを見ていると「加害者が必要以上に守られる日本の制度の問題点」が浮き彫りになってくる。おそらく、まんだらけとしては、今までに何度も万引きの被害に合い、警察には届けていたのだろう。それでも、なかなか解決しない件もあって、このような行動に出たものと推測できる。感情に任せてやった行為ではないのは、いきなり顔写真を公開せずに1週間の猶予を与えたこと、脅迫罪や名誉毀損罪が適用される可能性があるとニュースで話題になっても引き下がらないことからもよくわかる。

悪い事をした人が必要以上に守られ、被害に合った店側が名誉毀損や脅迫罪に問われるのは、何の利害関係のない一般人からしてもおかしい。実は、根底に流れるものは「モンスター○○」が増えている背景と同じものだ。

学校に対して自己中心的に理不尽な要求を繰り返す「モンスターペアレント」。この結果、教師は生徒に対して強く指導が出来なくなっている。その結果、正しいことを正しいと言い切れず、間違ったことを間違っていると言い切れない教育現場も増えている。教師がモンスターペアレンツに強く出ても、学校も教育委員会も守ってくれない状況も少なくないからだ。

正しいことが正しいこととして通らない状況があれば、ルール自体を変更した方が良い。

今回のまんだらけのケースを見ていると、正しいことが正しいこととして言いにくくなり、通りにくくなっている日本の社会の問題点が見えてくる。

先日、高速道路を利用する予定があったのでガソリンスタンドで車のタイヤの空気圧のチェックをしてもらった。チェックの結果、1本のタイヤがビスを拾ってしまい、他のタイヤよりも明らかに空気圧が下がっていた。タイヤはペアで変更しなければならないので、痛い出費ではあったが2本のタイヤ交換をお願いし、ガソリンスタンドを後にした。

交換には数時間かかるということだったのでガソリンスタンドを出て駅に向かった。その途中で、私の腰に激痛が走った。数年ぶりのギックリ腰になってしまったのだ。

当然ながら、その日のうちにガソリンスタンドに車をピックアップには行けなくなった。ガソリンスタンドには「今日は取りに行けなくなったので、明後日くらいまでには取りに行けるようにしたいと思っています。連絡します」と伝えた。2日経ち、腰は多少良くなっていたのだが、車を運転するレベルにはなかった。こうしてガソリンスタンドには数日待ってもらうことになってしまった。

連絡するたびに「申し訳ない」と伝えると、責任者が明るい声で「大丈夫ですか?こちらは心配しないで下さい!」と伝えてきた。責任者が不在の時も別の担当者が「聞いています。お車のことは心配しないでください!」と伝えてきた。ちなみに、このガソリンスタンドは都心の一等地にあるので、普段からロールスロイスやランボルギーニといった高級車が給油や洗車に来ている。駐車スペースはそれほど多くはないので、私の車が長期間置かれている状態はガソリンスタンドにとっても良い状態ではない。その他にも給油待ちの車が列をなしている時も多い。そのことが私もわかっているので、気になっていたのだ。

腰の状態が少し良くなったので車を取りに行った。ガソリンスタンドの責任者と担当者は笑顔と元気な態度で迎えてくれただけでなかった。サービスで洗車と車両点検をしてくれていた。それだけでなく交換料金も事前見積よりも安くなっていた。

このガソリンスタンドのガソリンの1リットルあたりの料金は、近隣の同等のガソリンスタンドよりも10円以上高い。それでも高級車が列をなして洗車に並び、洗車に来ている。ここにマーケティングのポイントがある。

なぜ「近隣のガソリンスタンドよりも料金の高いスタンドが人気があるのか?」

ポイントは”ホスピタリティ”にある。このガソリンスタンドは価格で勝負をせず、ホスピタリティで勝負をしている。一般的に、自宅や職場近くで利用するガソリンスタンドは決まったところになる。金額が高いことを理由に利用しない客よりも、ホスピタリティでガソリンスタンドを選ぶ客を重視することは正しい。定期的に利用してくれる客が、より高額な料金を支払ってくれることで、経営的にも安定する。

AIDMAやAISASという理論に代表されるように、広告の世界では長い間、常にAが最初にきている。AとはAttentionつまり認知だ。広告のキャンペーンとは、常に認知を獲得することをまず目的にしてきた。だから認知を取れるメディアであるテレビ、新聞、雑誌などの広告に重きが置かれてきた。

しかし時代は変わり広告は無視される存在になってきた。マスメディアを使って認知を獲得出来る割合も減少し、認知を獲得しても購入など実効果まで結びつく確率も減少してきた。つまり認知を獲得し続ける従来の広告モデルに限界が見え始めたのだ。

そこで出て来たのが、一回一回の広告キャンペーンを考えるのではなく、もう少し長い目で見ようという考え方だ。一度獲得した顧客や見込客との関係を強化し継続していくというものだ。マーケティング的には、新規顧客獲得コストよりも顧客継続コストの方が安価になる。低価格を重要と考える消費者は、低価格のものがあればそちらに流れてしまう。しかし、ホスピタリティを重要と考える消費者は、ちょっとやそっとこのことで目移りすることはない。そして、そんな消費者こそ企業にとって長く付き合うべき優良な顧客なのだ。

<略語説明>
AIDMA:1920年代に提唱された消費者の行動モデル
Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)

AISAS:インターネット普及後に登場した消費者の行動モデル
Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有)

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