マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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福井県鯖江市が元気である。一般的には鯖江市は眼鏡の一大生産拠点として有名な街だ。zoffやJINSなど格安眼鏡チェーン店が台頭しようと、海外ブランドが人気があろうと鯖江市の眼鏡のブランドイメージは揺るがない。世界中で絶賛される眼鏡の街、それが鯖江だ。

その鯖江が最近、別の話題で注目を集めている。今年4月に鯖江市で発足した「JK課」。そして今年6月の「OC課」だ。

「JK課」とは女子校生によるプロジェクトである。名称には「課」とつくが市役所で働くわけではない。ただメンバーが未成年なので市役所は見守る立場となっている。その後に出て来た「OC課」はおばちゃんによるプロジェクトである。「○○課」と名称こそ同じだが、市役所の活動とはまったく関係がない。興味深いのは行政主導ではなく、「JK課」では女子校生が、「OC課」ではおばちゃんが主導して進めて行こうというものだ。すでに女子校生発案による”スイーツフェアの開催”、おばちゃん考案による”多目的トイレの改善”などすでにいくつかの例が出ている。

高校生を起用したプロジェクトや町おこし的なものは鯖江市に限らない。例えば、三重県多気郡の相可高校では高校生達がレストランを運営している。テレビ番組で話題になったり、ニュースで取り上げられたりして、今や地元のみならず全国的に有名になり、名物になっている。

■ 鯖江市の取り組みが有効である「2つの理由」

今回の鯖江市の取り組みは2つの意味でとても良い。

一つ目は”PR”効果だ。女子校生による「JK課」、おばちゃんによる「OC課」というプロジェクトが次々に出来ていることは、メディアから見て”新しく””珍しく”興味深いコンテンツだ。佐賀県武雄市が民間企業であるカルチャーコンビニエンスクラブの力を借りて図書館を再生させ地方活性化を図って成功したり、フェイスブック課という新しい部署を作ったりして、大きな話題になったことは記憶に新しい。

鯖江市の場合には、武雄市とは異なり、あくまで地元の女子校生やおばちゃんたちが自主的に取り組むという新しい形であり、これがメディア的には面白いと受け取られた。ほとんど費用をかけず話題を獲得したこ鯖江市の試みは、広告費用に換算すれば現時点でも数億円規模になっている。

二つ目は”住民の参加意識の向上”だ。「JK課」「OC課」という役割を意識することによって、そこに参加する住民達は本気になって考える。今まで政治は政治家がやるもの、つまり他人事であったのだが、自分たちにも役割が与えられることによって政治が自分事に変わったのだ。政治に対して無関心でもなく、愚痴を言うだけでもなく、自分の街を自分達が良くするという気持ちに変わった。

マーケティング的には「他人事」だったことを「自分事」にさせる過程で「ネーミング」というものが大きな役割を担うことになったと言える。

鯖江市役所が女子校生に「意見募集中」と言っていたら、今回のような盛り上がりは無かっただろう。女子校生に「JK課」というプロジェクトを預けたからこそ、女子校生に自主性を持たせることが出来た面はある。

これに似た例として、1969年に松本清(当時:千葉県松戸市長。マツモトキヨシ創業者)が「すぐやる課」という部署を市役所の中に作った。市役所が市民のために問題解決を速やかにすることは当たり前のことである。しかし今でも”お役所仕事”と言われるように、役所の仕事は遅かったり、杓子定規だったりすることが多い。そんな状況を感じていたからこそ、松本清はあえて「すぐやる課」という名称の部署を作ったのだろう。この部署を作ったことで、松戸市役所全体の職員の意識が変わったことは想像に難くない。プロジェクトにネーミングを付けることで、そこに携わる人達の意識は高まり、行動力も高まる効果が出るのだ。

■ 地方に眠るポテンシャル

残念ながら地方自治体の中には、ゆるキャラや特産物だけに安易に頼ってしまい、自己満足の域を超えられないところも少なくない。ほとんどの地方自治体には大きなポテンシャルが隠れている。それをうまく引き出す戦略作りと関係者が自主的に取り組んで行くスキーム作りこそがより大事なことなのだ。

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