マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

■ 日本スポーツ史に残る錦織の偉業

テニス全米オープン、男子シングルスで準優勝に輝いた錦織圭選手。

サッカーワールドカップで日本が優勝するのが先か、テニスのグランドスラムで日本人が優勝するのが先かというくらい難しいことだと考えていた。今回の大会、あと一歩で優勝というところにまで迫った錦織。日本のスポーツ史上でも五本の指に入る素晴らしい選手に成長した。

錦織が四回戦のラオニッチ、準々決勝のワウリンカ、準決勝のジョコビッチと倒していくにつれ、テニスには興味がなかった日本人も、だんだんと注目するようになった。そして決勝戦はマスメディアやSNSだけでなく、職場や街での話題を占めるようになった。それは単なる話題ということだけでなく、経済にも大きなインパクトをもたらすという意見も多くなった。

経済効果についてはさまざまな見解がある。中には3000億円という経済効果を伝えるエコノミストもいる。錦織快進撃がもたらした例を踏まえて、経済効果について考えてみたい。

■ 経済効果の検証<株価>

錦織の決勝進出が決まるとテニス・錦織関連銘柄が軒並み上昇した。

9月8日(月)終値を9月5日(金)終値と比較すると、以下のようになる。

・WOWOW +310円 (独占放送)

・日清食品 +30円(所属)

・森永製菓 +4円 (スポンサー)

・ソニー +1.5円(盛田財団が13歳時に錦織留学を支援)

・ジャックス +27円(CM出演)

・ユニクロ -75円(スポンサー)

ユニクロがマイナスだったのはジョコビッチとのユニクロ対決を終えたことの反動だと考えられる。
錦織に関係のない銘柄でも下記のような値上がりを見せた。

・ヨネックス +15円(ストップ高)

・ダンロップ +16円

・山陰合同銀行 +13円

・島根銀行 +8円

このように決勝進出が決定すると、錦織・テニス・地元関連株が軒並み上がったのだが、決勝戦が終わると、株価は一気に下落した。

■ 経済効果の検証<販売・加入>

次に実際に販売等にもたらした影響をご紹介したい。

まずはWOWOWだ。独占放送権を持ったWOWOWには加入希望者が殺到した。その数は通常の10倍以上。実は筆者は数年前のウィンブルドンで錦織が快進撃をした時に急遽WOWOWに加入している。その際、NHKでの放送が急遽決定したことを今でも覚えているが、今回はWOWOWの独占放送だった。これによってNHKは苦情が殺到するというとばっちりを受けた。


そしてユニクロだ。錦織とユニクロが契約した最初のレプリカウェアを私は購入した。覚えているのは、他のユニクロ商品よりも高額であったこと、テニスウェアであったことから、ほとんど売れていなかったということだ。今回のレプリカウェアは各店で完売が相次いだ。

その他、錦織の使用するウィルソンのラケットの売れ行きが上がったということはあるが、日清食品や森永製菓の商品の売れ行きが大きく上がったという話は聞かない。つまりテニスに関連するものは売れたが、それ以外のものにはあまり影響が無かったということになる。

■ 経済効果の検証<観光>

島根県と旅行会社がタイアップして、錦織ツアー旅行企画が進行中だ。少年時代にプレーしたコートを使用できるというものだ。かつて「47番目に有名な県」として自虐的なPRをしたこともある島根県だが、これを機に地域活性化、観光強化に力を入れて行くようだ。

島根県はどんどん実施すべきだ。ただ、私が感じるのは、第二の錦織を目指すような子供たちは、島根県以上に、13歳から錦織が通ったフロリダのIMGアカデミー(ニック・ボロテリー)に行かせたいと思う人も少なくないだろう。IMGアカデミーは2週間、4週間という短期プログラムも用意している。今後、旅行会社がパッケージ化していくこともあるだろう。

■ 他のスポーツイベント、出来事との経済効果比較

2020年 東京オリンピック 約20兆円

2002年 日韓ワールドカップ 3000〜4000億円

2011年 なでしこジャパンW杯優勝 約3000億円

2003年 阪神タイガース優勝 約1500億円

2014年 田中将大 メジャー入り 約350億円

2012年 ダルビッシュメジャー入り 約250億円

イベントや出来事の規模が大きくなればなるほど、経済へのインパクトが大きい。また、田中将大やダルビッシュよりも、なでしこや阪神など人数が多い競技の方がインパクトが大きい。

錦織がもたらす経済効果を試算する上ででは下記の要素がポイントだ。

1)錦織は日本にほとんどいない。また、そもそもテニストーナメントが少ない。TV中継もない

2)テニス自体がサッカーや野球と比べて、そもそもマイナースポーツである

3)サッカーや野球と違い多人数のプレイヤーではなく、錦織ひとりが注目されている

4)IMGという世界の中でも権利関係に強いマネジメント会社がついている


つまり市場も狭く、スター本人が日本にいない。またその人気者の権利はガチガチに固められているのだ。このような状況では、田中やダルビッシュのメジャー入り時よりも経済効果は少ないと見るのが妥当だろう。諸条件を踏まえれば、現実的には150〜200億円あたりではないか。

■ 余談

コンサルタントとしての考えと個人の考えは別だ。個人的には、もっと都心部にテニスコートが増えて、利用料金が安くなることがテニス人口増加の鍵だと考えている。アメリカのように無料で誰もが使えて、知らない人たちと気軽にテニスが出来る環境になれば良い。野球やサッカーのように人数はいらなくても、2人いれば気軽にボールを打ち合える。人数が少なくても、老若男女を問わず楽しめることが、テニスの魅力の一つだ。こうしてテニス人口が増えていくことこそが、本当の経済効果に繋がっていくのだ。

全1ページ

[1]


.
ラッキーマン
ラッキーマン
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

検索 検索
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事