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マクドナルドが発表した月次セールスリポート(2014年8月)が9月9日に発表された。各種数字は過去最悪レベルを記録している。7月下旬に起きた上海福喜食品問題により、業績悪化に拍車をかけた形だ。
全店売上高 ▲ 25.7%
既存店売上高 ▲ 25.1%
客数 ▲ 16.9%
客単価 ▲ 9.8%
2014年6月開幕のサッカーW杯に絡め、各国の特徴を踏まえた限定バーガーを発売したが6月、7月と業績は悪化の一途を辿っている。8月に入り「夏のマックFes!」第2弾として「チキンタツタ」「チキンタツタ 和風おろし」を期間限定発売したり、定番商品「ビッグマック」「えびフィレオ」のバリューセットを特別価格で販売した。「チキンタツタ」はカサノバCEOがマーケティング担当時に発売した商品であり、「ビックマック」はマクドナルドのフラッグシップ商品だ。この両商品を8月にプロモーションしたことからも、マクドナルドの必死さが伝わってくる。その他、ドリンクなども期間限定価格で販売した。
品質をアピールするために、ホームページで「『最終加工国』および『主要原料原産国』一覧」を公開したり、商品の品質に関するQ&Aサイトをの開設なども行った。
しかし残念ながら、燦々たる結果に終わった。上海福喜食品問題におけるカサノバCEOの会見でも感じたのだが、カサノバCEOは問題の根幹をわかっていない。引き続き、魅力的なメニュー開発、キッズ&ファミリー強化戦略、品質とバリューの向上などを掲げているが、問題の根幹は表層的な部分ではないのだ。
問題の根幹は、カサノバCEO、製造スタッフ、スマイルのなくなったスタッフ、FCオーナーなど、内容とレベルは違えど、マクドナルドに関わる「人」にあるのだ。「人」の問題を本気で考えなければ、会議室で書いた戦術などムダなものでしかない。就任から約1年、結果が出ないことを見れば、カサノバCEOには限界なのだろう。
■ キッズ&ファミリー層が重要な理由
「マクドナルドの味はクセになる」と感じたことのある人は少なくないだろう。すごく美味しいものではないが、他のハンバーガーショップの味とは異なり、クセになる味なのだ。特に今の30代、40代は子ども時代にマクドナルドを食べて来た世代だ。子ども時代に食べた「あの味」は体に刷り込まれている。
子ども時代からの「味の刷り込み」は重要だ。だからこそ、マクドナルドに限らず、コカ・コーラなど大手食品企業は、子ども時代からの「味の刷り込み」をマーケティングにおいても意識しているのだ。
マックカフェの導入によりマクドナルドの店舗は”楽しい”よりも”オシャレ”な場所に変わろうとした。また、上海福喜食品問題に代表される安全面において、マクドナルドへの不安感は増加した。「コンセプトの変化」と「安全面への不安」という2つの大きな要素によって、日を追うごとにファミリーはマクドナルドに行かなくなっている。
■ 「妖怪ウォッチ」頼みの起死回生策
大苦境にあえぐマクドナルドさえ、救える可能性を持ったコンテンツが「妖怪ウォッチ」だ。言い換えれば、「妖怪ウォッチ」を使っても業績改善のきっかけがつかめないようであれば、マクドナルドがかつてのような輝きを取り戻すことは望めない。
10年に1度のスーパーヒットコンテンツ「妖怪ウォッチ」。ファミリーを呼び戻し、業績改善をはかるために、マクドナルドが取った方法は「妖怪ウォッチ」に頼ることだ。ご存知の通り「妖怪メダル」「妖怪ウォッチ」などのおもちゃ、「スタンプラリー」などのイベントはどこもかしこも大盛況で混乱を極めるほどだ。今や「妖怪ウォッチ」というだけで小学生を中心とした子ども達は動くほど、文字通り”おばけコンテンツ”となっている。マクドナルドが本当の意味で立ち直るためには、店員教育やマーケティング戦略そのものの見直しが必要だ。しかし、とにかく一日でも早く業績を改善させるためには、即効性のある施策を打つ必要があった。それが「妖怪ウォッチ」だったのだ。9月5日から実施している「ハッピーセット 妖怪ウォッチ」キャンペーン。マクドナルド限定カードとおもちゃがついてくる。キャンペーンは賞品がなくなり次第終了。キャンペーンが開始後、店舗にならぶ親子連れの姿を久しぶりに見ることが出来た。
諸問題あり、マクドナルドの品質、品質管理に不安を持つ親も少なくない。そこに目をつぶらせてもマクドナルドに行かせるだけの動機を「妖怪ウォッチ」は与えてくれる。
そして、確実に業績向上へのインパクトが出る施策ならば、なりふり構わず実施できるだけのマーケティング費用がマクドナルドにはある。ここ1〜2年、何をやってもうまくいかなかったマクドナルド。上海福喜食品問題以降、主力定番商品の期間限定値下げという”禁断の果実”に手を出したが、それでも業績は改善しないどころか、降下スピードを上げている。今のマクドナルドはなりふり構っていられない状況なのだ。だからこそ、現在実施のキャンペーンだけでなく、今後「妖怪ウォッチ」でのキャンペーンを強化していくはずだ。
こうして一度、マクドナルドを口にした子どもが増えれば、その味がクセになりリピートするキッズ&ファミリー層が徐々に増える可能性はある。こうして、全盛期ほどは行かずともある程度のレベルまでは客数と売上を徐々に戻せるかもしれない。問題の根幹を改善せずとも、プロモーションで業績改善をさせられる余地はここにある。品質面への親の視線は大変厳しいものになっているが、果たして「妖怪ウォッチ」は救世主になり、マクドナルドを救えるのだろうか?
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2014年09月11日
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