マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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私の趣味の一つは鰻を食べ歩くことだ。東京はもちろん大阪、京都、名古屋、静岡、広島、福岡、札幌、仙台、松山、青森など日本全国で鰻を食べている。鰻はそれぞれの土地で捕られるわけではない。日本で食される99%の鰻が養殖であり、その多くは東海、九州南部、四国などのものだ。その他、島根や琵琶湖といったものも時々口にすることもある。産地は一緒でも、鰻の個体差はある。またその個体差を見極めて調理する技術は千差万別だ。関東風と関西風で大きく異なるのはもちろんだが、料理人の腕によっても大きく味は変わってしまう。

今日は、お気に入りの鰻屋に行く機会があった。そこで図らずも飲食店経営の難しさを感じることになってしまったので、今日は記事にしたいと思う。

その店には数年間通っており、一年間に5〜10回程度訪れている。年々、人気が上昇して行く中で、お昼時の待ち時間は1時間を超えることもざらになった。それでも料理の質、接客の質とも高いレベルで維持し続けていたことに敬意を覚えていた。私は年間50軒以上、鰻を食べているのだが、自分が選ぶ年間ベスト3には必ずランクインさせていた。

しかし今年に入り残念なことが起きた。料理の質が徐々に落ちていったのだ。具体的には焼き方を中心とした調理法が変わった。鰻は同じで、タレも同じだが、焼き方が変わることによって、料理のバランスが崩れてしまった。その裏には、焼き担当の料理人が変わってしまったこと、そして新しい焼き担当が多くの客数に対応する力がまだ無かったことがあげられる。

この鰻屋は、人気が上がり客が増えたことにより、店舗の増築をしている。より多くのお客様を、待たせたくないという気持ちなのだろう。ただ不安は尽きない。今まで数年間、ほぼ同じホールスタッフでやってきたメンバーに加えて、増築後のオペレーションを見越しての教育目的を兼ねて新しいスタッフが多く働き始めた。トレーニングなので仕方がないのだが、ホスピタリティ、オペレーションとも今までのスタッフとは比べものにならない。それだけでなく、常連に対しても、今までのスタッフが対応しないケースが増えてしまったのだ。

味が落ちても美味しい鰻屋の一つであることは間違いない。ただ、ホスピタリティが減り、オペレーションが悪くなり、以前より味も落ちたことを知る常連達の足は徐々に遠のくことだろう。今後、店舗が広くなったことで、多くの客は来るだろうが、常連客は減り、味は落ち、店の魅力は減ってしまう方向に向かうだろう。そもそも鰻の養殖規制が検討される中、投資として適切なのだろうかという疑問もある。

これから、この鰻屋は、ぐるなびや食べログなどを見て来店する観光客のための鰻屋になることだろう。リピーターの来店率を上げるのではなく、新規客の来店数を増やすという戦略もある。しかし、新規客重視の戦略を取った飲食店は、徐々に飽きられ、徐々に衰退して行くことが多い。

頑張っていた鰻屋だけに、最近の状況は残念で仕方がない。飲食店経営の難しさをあらためて肌で実感したという意味では、マーケティングコンサルタントとしては貴重な体験をさせてもらった。

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