マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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”ちょい飲み”

仕事帰りのサラリーマンたちが、ちょっと飲んで変えるというブームを表す言葉だ。仕事帰りに居酒屋で深酒するサラリーマンは少なくなった。また若い人達がアルコールを飲む回数、量も減った。長時間飲むのは避けたい、量もそれほど多くない方が良い。こうしたニーズをとらえる形で”ちょい飲み”はブームになっている。

”ちょい飲み”ブームを取り込んでいる代表格がファミレスと吉野家だ。平日の夜を中心にファミレスで”ちょい飲み”するサラリーマンの姿を多く見かけるようになった。話を聞けば「明るい雰囲気」「自分のペースで食事も、アルコールも楽しめる」そんな要素が受けているようだ。吉野家は夕方以降、「吉呑み」と称して簡単な一品料理とアルコールを提供している。サラリーマンだけでなく、女性二人組など、ここでも”ちょい飲み”ブームを感じることができる。吉野家の場合、低価格牛丼戦争、高級鍋戦争と激化する競合店との差別化争いを何とかしたいという狙いが見てとれる。そして利益率を高くしたいという狙いも見てとれる。厨房や席を変える事なく、利益率の高いアルコールを出せるシステムは、吉野家にとって願ったり叶ったりだ。また、夜に来たお客さんが、牛丼を食べるためにランチに来てくれる確率も上がる。この点においても吉野家にとって”ちょい飲み”は願ったり叶ったりのブームなのだ。

”ちょい飲み”ブームはラーメン業界にも波及してきた。ラーメンチェーン「日高屋」を展開するハイデイ日高の2014年3〜8月期の営業利益は前年比5%増の約21億円、売上高は前年比8%増の約171億円となり、従来予想も上回る形となった。吉野家が夕方以降「吉呑み」の提灯を店頭にぶら下げて”ちょい飲み”客の取り込んでいるように、日高屋も店頭に赤ちょうちんをぶら下げ、客を取り込んでいる。”提灯”というのは、ガード下や横丁など、まさに”ちょっと一杯”の居酒屋の象徴だ。若い人にすれば、さくっと飲んで変えることができる象徴であり、年配者にすれば昭和の懐かしさすら感じるアフター5の象徴だ。

”ちょい飲み”ブームが加速する理由を整理すると、運営企業にとっては新たな顧客獲得ができ、アルコールという利益率の高い商品を入れられるという点が大きい。これによって売上・利益が上昇する。また大きな設備投資の必要がないため、利益率も向上する。

一方、消費側にとっては、短い時間・好きな量で楽しめ、飲み会を終わらせることができる。そして居酒屋と比べてお財布にもやさしい。会社帰りに飲むことに積極的ではない若いサラリーマンも”ちょい飲み”だったら付き合おうかというように会社内コミュニケーションの活性化に繋がる可能性もある。

これだけプラスの要素が大きいことを踏まえれば、”ちょい飲み”ブームはまだまだ続くことは確実だ。

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