マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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外国人観光客の勢いを感じる。高島屋新宿店、伊勢丹新宿店、東急百貨店本店、表参道、原宿、中野、秋葉原。あらゆるところで外国人の姿が増えてきた。2014年前半は、観光ビザ要件緩和もありタイ人観光客が大幅に増えた。そして2014年後半は、10月に化粧品・食料品にも免税範囲が拡大されたことも影響し中国人観光客が大幅に増加した印象だ。

■ 百貨店を支える外国人観光客

日本百貨店協会が発表した2014年の全国百貨店売上高は、6兆2124億円(前年比0.3%)となった。私は、アベノミクスによる富裕層の高額消費拡大と外国人観光客の消費によって、もう少し数字は伸びるかと思ったが、あまり伸びなかったという印象だ。

前年比1.9倍に伸びた外国人観光客の免税売上。免税売上は、2014年12月まで23ヶ月連続でプラスであり、2014年12月には初めて100億円の大台を突破している。それでも前年比0.3%増というのはやや寂しい。

内容別に見ても婦人服を含む衣料品の売上は下がっている。富裕層の女性がデパートで婦人服を購入しなくなった一方、雑貨や宝飾・貴金属の売上は増加している。これらの状況を見ると、もはや日本人客だけでなく、外国人観光客なしには、デパートのビジネスは苦しくなっている。

この減少はデパートだけではない。都内の家電量販店においても外国人観光客の割合は日増しに増えているのだ。カメラ売場、おもちゃ売場、時計売場、化粧品売場。どこに行っても外国人観光客の姿を多数見かける。

■ 凄まじい外国人観光客数のアウトレットモール

この勢いは都心部だけでなく地方でも感じる。例えば、富士山が美しく見える「御殿場プレミアムアウトレット」では、都心のデパート以上に中国人観光客の姿が目立つ。バスツアーのルートにもなっているのだろう。彼らのお目当てはブランド品だ。特にプラダ、グッチなどの高級ブランドショップは中国人でごったがえし、ボッテガ・ヴェネタに至っては入場整理されるという事態もあった。1年前までは考えられない状況だ。外国人観光客からすれば、円安によって観光費用が安くなった一方、アウトレット価格でブランド品を買うことが出来るというメリットはとても大きいのだろう。感覚値とすれば、2015年1月の休日の「御殿場プレミアムアウトレット」の中国人観光客割合は15〜20%にも及んだのではないかと感じる。

■ 原宿に集う外国人観光客たち

表参道、原宿を毎日見ていると、その外国人観光客数が増えていることは肌で実感できる。原宿駅を出て、竹下通りに入ってすぐ左手にあるダイソー(100円ショップ)にはお土産を含め雑貨や菓子を買いまくる外国人観光客で大賑わいだ。その外国人客割合は、おおよそ50%程度。実は、東京の中でもっとも外国人観光客がお土産を買う場所は、このダイソーなのではないかと私は感じているほどだ。

竹下通りを歩くと、やはり外国人観光客の姿に多く出会う。ただデパートやアウトレットに中国人が多いのとは対照的に、原宿は欧米人が多い。欧米人の女性の中には、カワイイファッションに憧れているのだろうか、コスプレをしている2-3人組も少なくない。日本人よりも外国人の方がコスプレをしている人が多いのも面白い。原宿のカワイイカルチャーが、一人歩きして外国へ伝わっていることを実感できる。

外国人観光客が食事をするのはラーメン屋だ。例えば、原宿駅寄りの表参道にある「九州じゃんがらラーメン」。ここには多くの外国人観光客が訪れる。地方から来た日本人の小中有高校生女子がクレープを食べたり、大学生や社会人女子がパンケーキの行列に並ぶのとは異なり、外国人はラーメン屋を訪れる。2年前くらいまでは竹下通りを抜けたところにあるスパゲティ屋「五右衛門」が人気だったが、今ではあまり人はいない。その一方で、日本人観光客でもわかりづらい場所にある「表参道コーヒー」。日本家屋の店舗が人気で、わかりづらい場所にも関わらず、多くの外国人観光客に人気のスポットになっている。

2014年12月には、竹下通りを出てすぐの場所に「原宿観光案内所」をオープンした。ここは外国人観光客向けの案内所だ。マップ、外貨両替、配送サービスの他、日本のお土産も展示されている。この近くに、原宿カワイイカルチャーの代名詞的存在である、きゃりーぱみゅぱみゅの所属するアソビシステムの事務所もあるのだが、そのアソビシステムが展開する原宿情報発信プロジェクトの一環としてオープンし、渋谷区観光協会が運営に携わっているものだ。まだまだ知名度は低く、利用客もそれほど多くないが、今まで自然発生的に世界へ情報が伝わっていた原宿が初めて能動的に情報発信するための場所を作った点で注目だ。

■ まとめ

今までの日本は、自動車を中心とした高性能のモノ作りが経済の主軸であった。しかし、それが日本国内でいつまで続けられるかは難しい面もある。日本が今のような生活水準を維持していくためには、あらたな産業の活性化に力を入れていかなければならないだろう。その主役の一つが観光業だ。今、政府は観光立国化に向けて、取り組みを強化している。これは日本の独りよがりではない。多くの外国人観光客が日本に来て、日本の良さを実感し、帰国している。日本の良さとは自然や建造物の美しさ、モノが揃っているショッピングの楽しさだけではない。世界の中でも美味しさに定評のある料理、そして何より日本人の優しさや礼儀ただしさが評価されているのだ。政府が掲げる地方創世にも、外国人観光客は大きな役割を果たしてくれるポテンシャルがある。

全国百貨店売上の発表を見て、実際の目でデパート、アウトレット、観光地を視察して感じることは、これからより一層重要になる外国人観光客の存在だった。

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ここ数日、YouTuberたちの収入が減少しているという話題が、ネット界隈を中心に盛り上がっている。YouTubeという動画サイトを見たり、YouTuberという言葉は聞いたことのある人は多いと思うのだが、YouTubeビジネスについて説明し、マーケティング視点から説明したい。今回の内容は基本的にYouTubeについて書くが、一部LINEなど他のビジネスについても触れようと思う。

■ YouTuber誕生の歴史

2011年よりYouTubeが行ってきた「YouTubeパートナープログラム」。一般の人達でもYouTubeに動画をアップすることによって閲覧数に応じた広告収入を得ることが出来るというシステムだ。もともと一般人もYouTube上に動画をアップすることは出来たが、このプログラムによって収入まで得られる可能性が出たのだ。

このプログラム以降、YouTubeの広告収入だけで生きていける人が徐々に増えた。ただ、その存在が大きくクローズアップされたのは2014年末に行われたTVCMだろう。ヒューマンビートボックスで有名なHIKAKINさんを始め、YouTubeで生計を立てている数人のYouTuberたちがテレビCMに出演した。自分の好きなことを続けているうちに、いつの間にか仕事になったというものだ。実際、トップクラスのYouTuberの中には数千万円を稼ぐ人も現れたのだ。

しかし2015年に入り、広告収入の料率が半減したと言う。2014年末にテレビCMを実施したばかりであるのに、なぜこのようなことになったのだろうか。

■ YouTubeがCMを実施した背景

理由はシンプルだ。YouTubeを運営するGoogleのビジネスモデルは、広告収入で成り立っている。この広告収入とはYouTuberがGoogleから得る広告収入ではなく、Googleが企業広告主から頂く広告収入だ。Googleにとって前提となるのは、Googleへのアクセスをいかに増やして、その中からいかに多くの広告をクリックしてもらうかということだ。将来的には別の形で収益を得るビジネスモデルも考えうるだろうが、現時点では、Google検索も、Google mapも、Gmailも、Google Earthも、すべてGoogleへのアクセスを高め、広告を増やすためのコンテンツに過ぎない。YouTubeもその一つである。

ここ数年、日本では、テレビを中心とするマスメディア離れが叫ばれている。そのかわり友人の話や、その分野に長けた人達の情報が重宝されるようになっている。また趣味嗜好が多様化してきた結果、自分の興味あるコンテンツを見るためにインターネットがメディアの中心になっていった。こうしてGoogle、YouTubeへの注目度が高まってきたのだ。

さらに若者を中心に「自分の人生は自分らしく生きたい」という人が増えた。裏を返せば、サラリーマン生活としてコツコツやるのは出来れば避けたいと思う人が増えたとも言えよう。”自分探し”を模索する人が増える中で、YouTuberというものはとても魅力的に見えた人も少なくないだろう。

このような背景があるからこそ、2014年末にGoogleはYouTubeのCMを大々的にオンエアしたのだ。そしてYouTubeへのアクセスを大きく増加させるとともに、アクセス増加のためのコンテンツ提供に強く協力してくれるYouTuberの数を増やそうとしたのだ。

■ 広告支払料率半減の理由

このような背景を元に、YouTubeへのアクセスは増え、YouTuberになりたい人も増えたのだろう。最初に説明した通り、Googleとしては総アクセス数が増えれば、何の問題もない。別にYouTuberのスタープレイヤーを排出したいワケではないのだ。仮に総勢10人のYouTuberが一人1億PV、合計で10億PVを稼いだとしよう。総勢が20人になり、一人当たりのPVが5000万になっても変わらないのだ。もっと言えば、総勢100人になり、一人当たりのPVが1000万であっても良いのだ。インターネットとはそもそもロングテールの強みを持つ。2014年末のテレビCMでスタープレイヤーになろうとした人達が予想以上に増えれば、Googleにとって広告支払料率を抑えに抱えるのは当然のことだろう。

■ スタンプ料率を下げるLINEとYouTubeの異なる事情

同じ2014年だが、YouTubeがテレビCMを行う前にLINEが一般に開放したスタンプ販売。個人がLINEスタンプを製作し、販売をすることで収益を得ることが出来る仕組みだ。LINEスタンプ販売においても、一般の人が数千万円の収益を得るケースが出た。そのLINEもスタンプの販売手数料率を下げている。LINEの場合、YouTubeとは異なり、アクセス数を増やすことで、広告収入を増やすビジネスモデルではない。スタンプ販売そのものを収益源としている面がある。では製作者離れを招きかねない料率変更をどうして行ったのだろうか。

一つ目は「製作者はスタンプ販売をやめない」とLINE側が判断していることだろう。確かに、この料率を下げたということは、製作者にとっては嬉しくないことだ。ただ、YouTubeとは少し異なり、LINEのスタンプを製作する人達は「一山当てて儲かったら嬉しい」とか「有名になることがあったら楽しい」という人達だ。YouTubeと比べてライトな気持ちで取り組んでいる人達が多い。

二つ目はLINE側の事情だ。現在、LINEはさまざまなサービスをどんどん投入している。例えば、LINEモールのような個人間販売サイト、ツムツムのようなゲームだ。それに加えて先日はLINEタクシーという一見風変わりなサービスも発表した。LINEの場合、日本人のコミュニケーションインフラとなったLINEを活かして、登録者へさまざまなサービスを提供することによってビジネスを拡大しようとしているのだ。スタンプは重要ではあるが、そこだけに注力できない。そのため、バランスを見ながら3割の料率減という決定を下して、支出を抑えようとしているのだ。

■ 最後に

YouTubeの料率変更からは、YouTuberの嘆きが聞こえてきそうだ。ただ重要なのは、彼らがYouTubeから出ても生計を立て、人気者でいられる仕組みを作ることだろう。日本のTOP YouTuberであるHIKAKINは、スカルプDのCMに出たり、書籍を出版するなど、YouTubeとは別のフィールドも開拓し始めている。厳しい言い方だが、本当の意味で自分のやりたいことを仕事にするためには、YouTuberはYouTubeの先を考えていかなければならないのだろう。

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