マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

広告の将来

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

サッカーワールドカップが始まった。残念ながら日本代表は初戦でコートジボワールに逆転負けを喫してしまった。次回は20日のギリシャ戦。日本中がワールドカップ一色になる日がまたやってくる。初戦の試合中、普段であれば観光客や買物客で賑わう渋谷も表参道もほとんど人がいなかった。多くの人が自宅のテレビ前、友人や仲間の家、パブリックビューイングなどをしていたためだ。テレビの瞬間最高視聴率も50%を超えた。

30年、40年前はサッカーより野球の方が人気のあった日本。それがどうして逆転したのだろう。その理由を考えてみたい。

■ 理由1: 「キャプテン翼」の大きな存在

サッカー人気が高まるきっかけとなったのは「キャプテン翼」だ。1980年代に出現した漫画の影響は大きく、それまで野球一辺倒だった少年達のスポーツ熱をサッカーに変えてしまった。現に、Jリーガーの多くも「キャプテン翼」をきっかけにサッカーを始めている。

■ 理由2: グローバル化で目の肥えたファン

最近でこそワールドベースボールクラシック(WBC)という世界一決定戦があるものの、それまで野球の世界一を決める大会は存在しなかった。経済、文化、スポーツなど、時代とともに人々と世界との距離が近くなった。その結果、サッカーこそ世界でもっともポピュラーなスポーツであり、もっとも熱く応援するスポーツであることに人々は気づいたのだ。野球のWBCは世界一決定戦と言えども、FIFAワールドカップほどの参加国はない。

■ 理由3: かっこ良く見えたJリーガー

子どもから見て、プロ野球選手よりもサッカー選手の方がおしゃれでカッコいいというイメージが出来た。最近でこそ、巨人の坂本選手をはじめ、プロ野球界にもかっこよくオシャレな選手も増えたが、Jリーグ発足後のサッカー選手のようなオシャレでクールなプロ野球選手は少なかったのだ。

■ 理由4: 少子化によるプレイ人数の減少

野球がもっとも人気だったころは、今の子どもほど勉強しなくても良かった。そして私立の学校が少なく、近所の友達とは同じ学校に行き、放課後は一緒に遊んだものだ。サッカーと違い、野球は人数が必要だ。草野球でも、ピッチャーとファーストとサードあたりと外野の4名くらいが一チームには最低必要だ。今の忙しい小学生達が8人集まるのは結構大変だ。一方、サッカーは公式戦こそ11人と野球の9人と比べて人数が必要だが、近所の友達とサッカーをするなら、最低は2名だ。極論を言えば、一人でもリフティングをして遊んでいられる。子どもが減って行く中で、また忙しくなる中で、選手人数数が必要な野球は不利なのだ。

■ 理由5: 広い空き地や公園がなくなった

都市部に人が集まる傾向が加速している。かつては都市部といえども、空き地や広い公園が点在していた。今やドラえもんに出てくるような空き地はほとんどないし、広い公園もない。野球をするには、それなりの広さが必要だ。ピッチャーとバッターの距離、内野と外野の距離など、正式なサイズでなくても、それなりのサイズが必要だ。一方サッカーは、狭いところでも広いところでも楽しむ事が出来る。狭いなら狭いなりにコートを作って遊べるのだ。もう一つ象徴的な例がある。デパートやビルの上にフットサルコートはあるが、野球場はない。野球の場合、広さに加えて高さも必要となるため、デパートやビルの屋上でも出来ないのだ。

■ 野球とサッカーの未来

これからますますグローバル化が進展する。そして都市部に住む人の割合も増えていく。また野球ではなくサッカーを見て、プレイした世代がどんどん増えていく。大きな魅力付けを出来なければ、野球は毎年毎年、じりじりと人気を失っていくことになるだろう。サッカーと野球の人気差はますます開いていくことは、ほぼ間違いない。

先日、人気声優の水樹奈々さんのライブ応募券がついたポテトチップスを1000袋(約200キロ)を不法投棄した男性が逮捕された。水樹奈々さんの大ファンであり、ライブ応募券目当てで大量購入をしたものの、ポテトチップスそのものは不要になり、不法投棄をしてしまったという形だ。また、店頭でカード付菓子のカードだけが抜き取られるという被害も相次いでる。犯罪は許されるものではないが、カードやおまけ欲しさに菓子の大量購入をした人、菓子を食べきれなかったという経験は、多くの人にあるのではないか。私たち、特に大人は節度を持ち、マナーを守って、子ども達の見本となりたいものだ。

さて、おまけ付菓子はいつから始まり、いつからブームに火がついたのだろうか。

■ おまけ付菓子ブームを作ったカルビー

時代を振り返れば、1927年にグリコがキャラメルにおまけを付けて販売開始したように、おまけ付菓子の歴史は古い。おまけ付菓子ブームに火がついたのは1970年代からだ。1971年から1973年にかけてカルビーは仮面ライダースナックを発売した。こどもたちに人気が出始めた仮面ライダーに登場するライダーや怪人のカードをおまけとして大人気を博した。その後1973年、カルビーはプロ野球スナック(後のプロ野球チップス)の販売を開始した。おまけはプロ野球選手のカードであり、あたりが出ればサイン入りミニチュアバットなど新たな賞品をもらえるようになっていた。何が出るかわからないカードを集め、友達と見せ合い交換したりすることが遊びの一つになり、その購買熱を加速させるために、さらにくじという要素を入れたのだ。

■ おまけ付菓子の時代を加速させた「ビックリマンチョコ」

1977年に販売開始したロッテのビックリマンチョコ。悪魔と天使をモチーフにしたシールはたちまち子ども達の話題の中心となった。シールの中にはホログラムのスペシャルシールもあり、そのシール目当てに子ども達は日々ビックリマンチョコを食べた。ビックリマンチョコが残した2つの大きな意義がある。

一つ目は「コンプリート」という考え方だ。

ビックリマンチョコ登場以前には、おまけ付菓子のカードが欲しいという欲求はあったものの、コンプリートさせるという考え方は薄かった。出て来たものに対して一喜一憂し、自分の持っていないカードを友達が持っていることに驚き、欲しくなったりしたものだ。ビックリマンチョコは全部で何種類のカードがあるかをわかるようにした。そして第一弾、第二弾とシリーズ化した。これによって自分の持っているカードと不足しているカードを確認出来、コンプリートしたいという欲求が子どもの中に高まったのだ。しかもシリーズものなので、早く購入しないとコンプリート出来ないかもしれないという気持ちにもさせた。

現在ではリアルでもソーシャルゲームでも当たり前のコンプリートという手法、シリーズものという手法の基礎を作ったのはビックリマンチョコだったのだ。

二つ目は「メディアとの連携」だ。

ビックリマンチョコ人気が爆発した背景には、子ども向けコミックの存在がある。「コミックボンボン」「コロコロコミック」などがこぞってビックリマンシールを特集した。友達との情報交換だけでなく、これらの特集によって全カード情報を入手出来るようになった。それがコンプリート熱を加速させた部分もある。さらにコミックにビックリマンの漫画が掲載されるようになり、その後テレビ化、映画化へと繋がって行く。

現在、子ども向け玩具、特に男子向けのマーケティング戦術を考える上で、上記のような考え方は外せない。子ども向けコミックを活用しつつ、漫画連載、イベント連動、アニメ化、グッズ化などを進めて行くという「メディア連携」の考え方もビックリマンチョコから始まったと言えるのだ。

■ 「おまけ付菓子」から「菓子付おまけ」の時代へ

かつて菓子を食べてもらいたいから、子ども達に選んでもらうためにおまけを付けていた菓子メーカーだが、今や時代は変わった。400円、500円のおまけ付菓子を購入しても入っているのはガム一粒ということも珍しくはない。コンビニの棚争いは熾烈だ。棚を確保し良位置を確保するために、菓子メーカーは人気コンテンツが欲しい。一方、人気コンテンツはキャンペーンを拡大させる上で、菓子メーカーの力を借りてコンビニで露出を図ることが出来るのは大きなプラスなのだ。

すでにコンビニ店頭で菓子とは関係なく、プロ野球オーナーズリーグやデュエルマスターズなどカード単体での販売スペースも拡大しつつある。またそこでミニチュアフィギュアなどが売られているケースも出て来た。カードやミニチュアフィギュアなどが菓子とは関係なく力を持ち始めている。

すでに、菓子が主でおまけが従という時代は終わったのだ。強いコンテンツの関連商品の一つとして菓子があるというトレンドはますます加速していくだろう。最後に、どんなおまけが出てくるかの未来予想をしてみよう。人気声優のライブ応募券やラブライブの限定カードなど子ども向けではないものが増えていることを踏まえれば、ますます成人男性、オタク系コンテンツは増加していくだろう。通常の人気アニメや人気ミュージシャンとは比べものにならないほど、オタク向けコンテンツへのファンのコミットは強い。販売向上ということだけを考えれば、かなり堅い。では、子ども向けはどうだろう。妖怪ウォッチのメダルが大人気であったり、任天堂DSが子ども達の話題の中心でる。品切れ続きで購入出来ないメダルのようなものがあれば菓子は爆発的に売れる。また任天堂DSの人気ゲームで、菓子購入を通してしか得る事の出来ないスペシャルキャラクターなどをデジタル提供するという手法もある。

時代は変わりつつある。ビックリマンが築いた「おまけ付き菓子」の手法は、さらに発展する時期に来ているのだ。

ミクシィがソーシャルゲーム「モンスターストライク」の大ヒットを受け、業績が急回復している。2013年3月期の売上高は3.3倍の400億円、営業利益は20倍超の100億円の見通しだ。株価も連日、ストップ高を更新している。1年以上もApp Storeのトップを維持し続けて来た「パズドラ」を抜いてのApp Storeダウンロードランキング第一位ということ。SNSのmixiの低迷、将来の見えない業績不安定感によって限りなく低くなっていた株価とともに、一気に急上昇ということだ。

1年前のガンホーは「パズドラ」で大当たりをし、業績は急上昇、株価も上昇した。コンプガチャ問題以前のGREE、モバゲーの勢いはとどまるところを知らず、ソニーや任天堂といった据え置きゲーム事業を買収するのではないかと思われるほどだった。ゲーム開発会社も同様だ。一つでもヒットを生み出せば、業績は一気に向上する。ミクシィの売上高と営業利益の数字を見ればわかるように、メーカーや販売店と比べると利益率が圧倒的に高い。店舗を持たなくて良かったり、据え置きゲームほどディテールにこだわらなくて良い分、ソーシャルゲーム開発のリスクは高くない。そして当てた時の爆発力は据え置きゲームよりも高い。

一発当てた時の企業業績へのインパクトが強い分、状況が悪化した時のインパクトも大きい。あれほど持て囃されたGREEやモバゲーも今は苦しい状況に陥っている。

電車の中だけでなく歩きながらもスマホをいじる人が多い。LINEをしている人、Facebookをしている人も多いが、それと同程度以上にソーシャルゲームをしている人は多い。そしてその割合は、日を追うごとに増している。ベンチマークとして同じ曜日、時間、場所で調査をすると、人々の中にソーシャルゲームがどんどん浸透していることを確かに感じている。

ソーシャルゲームにハマるかハマらないかは個人の自由であり、とやかく言うことではない。ただ言いたいこと、「ソーシャルゲームのヒット=企業の本当の力」ではないということだ。確かに、ミクシィの業績は上向いた。しかし、だからと言ってミクシィが完全復活したわけではないということだ。それを証明するのがGREEでありモバゲーの今だ。重要なことは、ソーシャルゲームでヒットをし業績が回復したら、その利益や資産を使って、いかに有効な未来への布石を築けるかということだ。企業経営におけるソーシャルゲームとはそんなものではなかろうか。当たればラッキー、外れたら普通くらいに考えておいた方が企業経営としては健全なのだ。

ユニクロを始め、多くの企業が契約社員やアルバイトの正社員化を打ち出し始めた。それアベノミクスによって景気が上向いたというポジティブな理由なのだろうか。もちろん、それもある。しかし、実際にはネガティブな状況を打開するためのもっとも有効な経営判断がそこにあるのだ。

それは”優秀な人材を確保することが難しくなってきた”という理由だ。かつて日本人と言えば”勤勉”が代名詞であった。良し悪しはさておき、家庭よりも仕事を優先してきた。確かに、第二次世界大戦敗戦によってゼロになってしまった状況から、生きるために、家族を養うために身を粉にして働く必要があったことも大きい。家庭を大切にするということは、仕事を一生懸命頑張って、日本を復興させ、自分自身の給料を増やすことと繋がっていたのだ。高度経済成長期に、諸外国からエコノミックアニマルと揶揄されることもあった日本人。三共製薬の栄養ドリンク「リゲイン」のCMでは「24時間戦えますか!ジャパニーズビジネスマン」と歌われた。バブル崩壊とともに、日本経済の停滞が始まり、終身雇用や年功序列といった日本の高度経済成長を支えて来たシステムも崩壊した。バブルは崩壊したものの、一億総中流と呼ばれた日本人は、がむしゃらに働かなくても、生きることに苦労するどころか、快適な暮らしを送ることが状況が続いた。いつのまにか”がむしゃら”であることが否定される時代になっていった。

”がむしゃら”の否定。日本のビジネスマンは、仕事だけでなく家族との時間を大事にするようになっていった。残業も、職場飲みも減っていった。”がむしゃら”に働くのではなく、仕事だけでない人生を充実される生き方こそが人間らしい生き方だと言われるようになっていった。

”がむしゃら”の否定は教育にも及んだ。”ゆとり教育”が始まった。自主性を尊重するような内容に変更するならまだしも、単純に勉強する内容が薄く、少なくなったことや、授業時間が少なくなった。

いつの間にか”がむしゃら”に働くこと自体が否定されるようになった。実は欧米でも、日本でも、本当に仕事の出来る人は”がむしゃら”に働いている。世界中の子どもたちも、時間を惜しんで勉強し、世界トップクラスの学校に通っている。”がむしゃら”の否定は、ムダな”がむしゃら”を修正すべきものだったのだが、日本ではいつの間にか”がむしゃら”そのものが否定されるようになってしまった。

”がむしゃら”に働いたり、勉強したりする時期は、本当に大事だと私は考えている。そこで得られる知識や経験の量が増えるだけでなく、積み重ねによって質も上がる。それだけではない。自分が限界がわかることで、その後の仕事量や質や方法に厚みと余裕が生まれるのだ。

残念ながら”がむしゃら”を否定する世代が社会人が多くなった結果、企業は優秀な人材を発掘し、確保することが難しくなった。それは大企業の正社員だけでなく、アルバイトまで根底は同じことだ。したがって、企業は優秀な人材を見つけたら、その人材には出来るだけ長く働いてもらいたいと思うようになっている。短期間での新規人材獲得を繰り返すコストや、人材獲得後の教育コストを考えても、優秀な人材をきちんと確保し、長くいてもらうことを考える方が経営上正解だからだ。

世の中からの見え方としては、アルバイトや派遣社員を正社員化する動きは、ブラック企業と言われがちな企業ほど、企業イメージがプラスに思われる。また、政府から経済界への要請に応えるという点でもプラスだ。しかし、その実は、どんどん少なくなる優秀な人材を獲得するためのシビアな経営判断なのだ。

4月1日に消費税が8%へと上がった。高価格な商品に関しては3月末までの駆け込み購入が多かったことと、節約しようという意識がはたらくことで4月以降の買い控えはあるだろう。しかし一部の動きを除いては、高価格帯以外の製品に関しては大きな混乱もなく、比較的すんなりと4月を迎えた。多少の買い控えはあれど、大きな影響にはなりそうにない。

外食産業はどうだろうか?消費税増税の影響は、高級レストランには響くだろう。また、毎日のお父さんのランチにも響く。少ないお小遣いの中でやりくりするお父さんたちにとっては3%もバカに出来ない金額だ。

2014年2月期の業績を上方修正した吉野家。牛すき鍋御膳が好調で、利益率が回復した様子だ。2013年秋に発売された牛すき鍋御膳。好調の様子を見て、競合各社とも牛丼をやめて、高価格帯商品である「すき焼き」系メニューへと主力商品をシフトさせる戦略を取った。その後、各社とも業績は改善している状況だ。CMにおいて、吉野家が牛すき鍋御膳の美味しさを伝えれば、すき家は自社こそがすき焼きの元祖だと言わんばかりのCMを展開した。

マクドナルドに関しては客数減や売上減を止めようと、カサノバCEO体勢のもと改善を続けている。私はスタッフ教育こそが改善の第一歩になると考えてているのだが、定点観測をする中で、クルーから笑顔が徐々に出るようになっている。まだまだ第一歩の第一歩に過ぎず、十分な状況ではないが、明らかにスタッフ教育を意識し始めた。広告ではハッピーセットなど子どもをターゲットにしたCMを増加させてきた。

このような状況において4月を迎えたファストフード各社。マーケティングにおいても、今までとは路線を変更してきた。

すき家は牛丼(250円)と商品価格の安さをCMでもアピールし始めた。マクドナルドは100円マックをCMやヤフーバナー広告等でアピールし始めた。マクドナルドにおいては、店頭で飲み物だけ頼む客に対して「チキンクリスプ100円です。いかがですか?」とスタッフのセールストークにも入っているようだ。2013年秋頃から方針転換をし、徐々に業績を改善し始めて来たファストフード各社も、消費税増税においては「価格訴求」をメインに変えた。

戦略的には5月下旬あたりから、各社とも価格訴求をやめ、2013年秋以来続けて来ている路線にマーケティング施策をシフトしてさせていくことだろう。ファストフード業界の経営・マーケティング争いに、心の休まる間はなく、マーケッターは日々、店舗と競合の動きを確認しながら調整をしながら走らなければならないだろう。

■ ヤフートピックス、「日経ビジネス」「財界」等メディアで掲載された関連情報





.
ラッキーマン
ラッキーマン
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

検索 検索
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事