マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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12月11日、フランス・トゥールーズにあるエアバス社でスカイマークの新しい飛行機が公開された。プレミアムエコノミーの座席のみが設置された新品のエアバスA330-300型機だ。ただ、発表でもっともインパクトがあったのは、この座席ではない。キャビンアテンダントのユニフォームだ。羽田〜福岡、札幌、那覇の各路線に新機材が導入されてから半年間、計1年半の期間限定で使われる。

スカイマークの立ち位置は厳しいものだ。LCCが台頭してくる中、大手エアライン会社とLCCの狭間で自社の優位性をどうやって打ち出し来るかがポイントになっている。また、過去には業務改善命令なども受けてもいる。

このような状況の中、普通の発表をしてもニュース性は低い。メディアに取り上げられないどころか、一般の人々にも響いていかない。当然、セールスへのインパクトも低い。

CAのユニフォームを斬新的なものにすることで、スカイマークはまずPR効果を最大化した。最初はCAのユニフォームでニュースを見た人達も、その流れで新しい飛行機についても知る事になる。国内線の利用者の多くはビジネスマンだ。斬新的なCAの衣装に加えて、他の飛行機よりも広い機内を知れば、スカイマークに乗ってみようかという気持ちにもなるだろう。

飛行機はマイレージに代表されるように、一つの航空会社を利用すると、出来るだけ同じ航空会社を利用しようとする。スカイマークは、その最初の一乗車をつかむ事によって、継続的に利用してくれる客を獲得することを狙っているのだ。

単純極まりないアイデアだが、「欲」や「見た目」というのは人の心を動かしやすい。理屈ではない。トップ企業には出来ない方法だが、失うものが少ない企業、トップを追いかける二番手、三番手以降の企業はやりやすい方法なのだ。

ポルシェの誤った戦略

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昨日の読売新聞の朝刊にポルシェの広告が掲載されていた。広告と言っても、ポルシェが作成したものではなく、読売新聞の広告局が作成した企画広告だ。

ポルシェと言えば、車としての実用性ではなく、走りそのものを楽しむ類いの車だ。

ドイツ車では、ベンツが壊れない質実剛健な実用車としての性能の高さをアピールしている。BMWは走りの楽しさをアピールしている。ドイツに行くとわかるが、ベンツはタクシーにも、バスにも、トラックにも使われており、日本におけるトヨタの存在なのだ。BMWの方が趣味性に寄っており、プレミアムなイメージなのだ。日本だとベンツはBMWよりも高級なイメージがある。それは輸入されてから今に至るまでのブランディングの賜物だ。ポルシェはBMW以上に走りの楽しさそのものを追求している車だ。今の40代、50代にとっては、フェラーリやランボルギーニで盛り上がったスーパーカーブームの中にポジショニングされる車でもある。それがポルシェだ。

ポルシェもセダンを出すなど、ここ最近では走りの楽しみだけを追求していない印象を受けていた。ハイブリッド車を出すということも実用車への意識の現れだ。

今回の読売新聞の企画広告には、少し驚いた。実用的なことを考えれば、このようなアプローチはあり得るが、長年のポルシェファンへポルシェ離れを加速させないかということだ。この企画広告の内容を、プリウスだったり、日産LEAFに当てはめても違和感は無いだろう。ポルシェのデザインに色気を感じ、走りへのこだわりに楽しみを感じている従来からのファンにしてみれば、ポルシェは自分たちのブランドでは無くなってしまったと受け取れられても仕方が無い。

ポルシェが走りの楽しみから実用へと変化していく中で、逆に実用性から走りの楽しみへと訴求ポイントを変えている車がある。それがアウディだ。ここ数年のアウディの変化には注目だ。車のデザイン、ショールーム、そして広告プロモーション。すべてにおいてクオリティを上げて来ている。10年前、20年前には存在はしているが、当たり障りのないというトヨタ的なポジショニングを取っていたアウディが、走りの楽しみ、デザインの色気などを強く意識して来た。スポーツタイプも発売してきた。BMWのポジションを浸食し、ポルシェのポジションへと手を広げようとしている。

ブランドにとって、ブランドエクステンション(ブランド拡張)やポジショニングの変更はよくあることだ。しかし、それをやるには、既存ユーザーへ配慮しつつ、ブランドのコアな部分の一貫性を失わないようにしなければならない。もちろん、弱小プレイヤーが今のポジションを捨てて大勝負に出るというやり方もあるのだが、そうだとしても、まずは最初の考え方から始めるべきだ。

ポルシェを見ていると、将来への不安を感じずにはいられない。

AKBの「恋するフォーチュンクッキー」

指原莉乃さんの初センター曲。リリース前からカラオケランキング第一位という状態だった話題曲。この段階で、リリースとしては新しい仕掛け方だなと注目の存在だった。

以前、ブログでAKB 48の人気の陰りについては書いたことがあります。すでに「会いに行けるアイドル」というコンセプトから、遠ざかってしまったAKB 48。個人の感覚にもよりますが、一般的に言っても、歌唱力やルックスそのものでは、ずば抜けた存在ではありません。良いけれどずば抜けてはおらず、他のミュージシャンやアイドルに負けているといっても過言ではないでしょう。


「普通感」のなくなりつつあるAKB48にとって、このジレンマはここ数年続いた。

AKB 48がAKB 48であるために、どうしたらファンと近い存在に戻れるかという点について、事務所は悩み、いろいろ考えたのでしょう。

その結果が、企業や地方自治体参加型プロモーション。

いろいろな企業の社員が「恋するフォーチュンクッキー」を踊るというPVプロモーションに出たのです。会社だけでなく、地方自治体である佐賀県庁まで参加しています。

このプロモーションは、AKB 48の現在の立ち位置を的確に把握した上で、AKB 48の最も大事なコンセプトの部分を強める効果がある。目的がぶれずに、エンタテイメントとして成立している。上手なプロモーションだ。

コラボ系のプロモーションが成功するためには、どちらか片方だけが喜ぶようでは失敗だ。どちらも喜ぶようなプロモーションでなければならない。

今回のプロモーションは、AKB 48のみならず、自らアピールしたい企業や自治体にとっても良い宣伝効果になっている。企業や自治体そのものもアピールになっている。認知度が上がるのはもちろん、ここに出演した企業や自治体に対して、人々は親近感を抱く。

また出演した人達も、恥ずかしいと思う人もいるかもしれないが、出演して良い機会になったという人が多いだろう出演した人達が自らソーシャルメディアで拡散するというPR効果も生まれていると考えられる。

今さらながらだが、ここまでやるのなら、期間限定 AKB 48劇場を作って、そこで撮影したPVをyoutubeにアップしても良かったのではないかと思うくらいだ。

本プロモーションに参加した企業や自治体の一部をご紹介したい。






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先日、原宿のH&Mで見た光景だ。
いらなくなった服を持ってきたら、H&Mオリジナルエコバッグをプレゼントするというものだ。それだけであれば、以前より似たプロモーションをユニクロなど他のブランドも、デパートなどでもやっている。アパレルだけでなく電気機器なども似たプロモーションは展開している。

当然、このプロモーションは、企業姿勢を示すブランディングだ。最近の消費者は「値段が多少高くても社会貢献に繋がるのだったら、そちらを購入したい」という人の割合が徐々に増えている。特に若年層にその傾向は顕著だ。

「エシカル消費」というスタイルが徐々に浸透しているのも、同じ流れだ。エシカルとは社会貢献や環境保護など倫理的という意味だ。エコバッグを使ったり、寄付つき商品を購入するというものだ。

H&Mのメインターゲットは若年層だ。ただ数年前に流行したブランドで、当初はティーンも中心だったのだが、現在は少し上がって20代といったところだと推測できる。そもそも消費に興味はない層だ。エシカル、ロハス、貯金、社会貢献、ボランティアなどがキーワードとしてあげられる。

H&Mがこのキャンペーンを展開するのは、H&Mのブランディングにとってはごくごく自然な流れだとおわかり頂けるのではないか。

そしてH&Mが他企業より優れているのは、このキャンペーンを店頭ディスプレイとして「見える化」したことだ。ただ単に言葉でイベントやキャンペーン実施中と言われるよりも、実際の古着を見せることでインパクトを出した。このディスプレイは少なくとも、9/7イベントの一週間以上前から出されており、イベント告知としては十分だっただろう。

ブラディングを言葉ではなく、店頭ディスプレイを活用することで、より具体的なイメージが強く消費者に届くのだ。

ビジュアルがもたらす効果は一目瞭然だ。
メルセデスベンツが新型Sクラスの発表会を日本丸で行った。日本丸と言えばクルーズ船。船内にはプールあり、ステージあり、ジムがあり。そして、今回の発表でも一流シェフによるフレンチが振る舞われるなど豪華だ。

この狙いは良いと思う。Sクラスと言えば、メルセデスの中ではマイバッハを除けば、最上位に位置するセダンだ。Sクラスのオーナーは自分で運転する人だけでなく、運転手に頼むような人もいる。ヨットやクルーズなど船遊びをするオーナーも多いと思われる。

レクサスが高級車としてブランド力を徐々に高めているだけでなく、アウディの勢いも止まらない。マセラティやベントレーやジャガーもライバルの中には入って来る。かつて高級外車と言えばベンツだったのだが、かつてほど存在は盤石ではない。特に、都内に住む多くの人がベンツのCクラスやEクラスに乗るようになっている。港区ではカローラよりもベンツの登録台数が多いくらい、ベンツは一般的な車になっている。

今年始めに社長に就任した上野氏。まだ若い社長だ。一連のマーケティング活動を見る限りでは、大衆化した(もしくは陳腐化しつつある)メルセデスのブランド価値を持ち上げようとしているように見える。今回のSクラスの発表会は、とにかくメディアの度肝を抜きたいという意図があったと思われる。率直に言えば、マスコミは評価の高い記事を書いていた。ただ、Sクラスのオーナー視点から見れば、日本丸で行われた発表会の内容や造作には、陳腐な雰囲気が随所に感じられるため、それほど高い評価を得られないのではないかと考えられる。メディア的に成功したかもしれながいが、良いものを知っているオーナーに伝わっていないのがやや心配だ。広告代理店やPR会社としては、メディア露出の度合いを考えると、メルセデスベンツジャパンに、大成功と伝えられるだろう。ただ、シビアな目で見れば成功ではない。

最近、テレビCMやネット広告で見られるAクラスのCM。ベンツが空を飛んで来るCMだ。自動車の広告主にとって道路を走るのではなく、空を飛ばすCMをあえて作ったという点は評価したい。これは現場ではなく経営陣のコミットがないと出来るものではない。おそらく新社長が主体的に動いたのだろう。思い切りのある判断力は素晴らしいと思う。しかし、あのCMを見た時に、特にEクラスやSクラスのオーナーを中心にベンツオーナーにしたら、違和感を感じるものだと思うのだ。そのオーナー達にとって、ベンツとは、ドイツの質実剛健さであったり、頑丈なことが評価の対象なのだ。デザイナーを変えたアウディの勢いが伸びていようと、ベンツには引っ張られないで欲しいと思っている人は少なくない。

実は、Sクラスのイベント、Aクラスの広告をほぼ同時にやってしまっているのだが、ここまでドラスティックにやるのであれば、まずやるべきことは上野社長の決意表明において「ベンツは変わる」ということを伝えることが。「ベンツブランドが守るべき部分と変わる部分」を明確に伝えた上でSクラスの発表に入るべきだった。そしてAクラスについてはSクラスの発表から1、2ヶ月程度置いてから実施すべきだった。

前のめりに走るベンツのブランディング改革。狙いは良いのだが、もう少しユーザー視点を入れた方が良いと思うのだ。Sクラスのイベントが陳腐に見えてしまうこと、AクラスのCM内容や投下スケジュールがユーザーにもたらす影響。あと少し、惜しいのだ。重要なのは、オーナーの立場での本音の把握だ。数字上で見えない”惜しさ”がそこからわかるはずだ。

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