マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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先日、食べログより「話題のお店」というステッカーが届いた三鷹市のコーヒー店「ブルースカイコーヒー三鷹の森店」。この店がTwitterで「余計なお世話です」とステッカーをゴミ箱に入れた画像を投稿したことが話題になっている。このステッカーは約77万店のうち9%程度の店がもらえるものだ。みなさんも店舗でご覧になったことがあるのではないだろうか。

このステッカーは食べログ側から一方的に送られてくるものだそうだ。それであれば掲載するもしないも店側の自由だ。そもそも食べログへの登録についても店側が許諾せずとも掲載されてしまうことが可能なのだ。この店側は食べログに何度も抗議をしたようだが、受け入れられず今回の投稿に至った模様だ。店側の声を受け入れない食べログに必要以上に感情的になってしまった部分ばかりが、ネット上では話題になっている。その結果、店側の感情的な行動に対しての称賛の声が多いようだ。私はマーケティングの視点から、この店側の行動についてお伝えしたい。

食べログの評価とは性別、年齢、食の好み、費用感など、一人一人異なるものを考慮せず、ごちゃまぜにして点数に反映するシステムだ。例えば、一回2万円を超えるような寿司しか食べない人の評価も、回転寿司ばかり行く人の評価もごちゃまぜだ。フレンチに詳しい人の評価も、フレンチなどほとんど行かない人の評価もごちゃまぜだ。このような人達が同じ店を評価すれば、当然評価は変わってくる。つまり食べログの点数が高いから美味しいとは限らない。評価は多くの人の評価であり、自分も同じ評価をするとは限らないのだ。

飲食店を成功させるためには味とともに雰囲気も大事になる。客層によって店の雰囲気はがらっと変わる。店が作りたい雰囲気とは違う客が来て、店の雰囲気を台無しにした結果、本来固定客になってもらいたい客が二度と来なくなるというケースはよくあることだ。食べログの点数が良いことを理由に来店する客が店にとって本当に良い客ばかりとは限らないのだ。したがって店の中には、あえて大々的に宣伝をせず、店が望む客に来てもらい常連になってもらうという戦略を取る店もある。少し観点が違うが、芸能人が行く店には紹介制の店も少なくない。それは固定客化した芸能人たちが雰囲気よく食事が出来るよう店側が配慮しているからなのだ。私も都内には和食、フレンチ、イタリアンなど常連にさせて頂いている店がいくつかある。私と同じように常連も多い。店側も常連に最大の配慮をし、味や雰囲気を保とうと努力しているのだ。味や雰囲気を保ち続けることは大変難しい。したがって、かれらはむやみに宣伝しようとしないし、客数を一気に増やそうとはしないのだ。

店側からすれば、食べログに限らず、勝手にメディアが情報を出し、評価をすることを望んでいないところもある。マーケティング的には、広く浅く集客をし続けるという手法だけでなく、狭く深く長く固定客との関係を続けるという手法もある。一般的にはテイクアウトのコーヒー店などの業種は、広く浅く集客をするため、メディア各所で宣伝してもらえることは歓迎だろう。

今後ますます、食べログだけでなく、全方位的なランキングサイトの有効性にも疑問符を持つ人が増えてくるだろう。そうなると、自分の趣味嗜好などを理解したアルゴリズムのランキングサイトや、趣味嗜好の近い人達のレビューの有効性が高くなってくることだろう。

「BLENDA」「egg」「小悪魔ageha」など GAL誌の休刊が相次いでる。なぜ、今GAL誌の休刊が続いているのだろうか。読者モデル(読モ)を大々的に起用し、世の中に一大ギャルブームを巻き起こしたGAL誌の相次ぐ休刊は時代の必然であり、驚くようなことではない。

理由はいくつかある。例えば、渋谷という街の求心力はかつてより衰えている。109に入っていたGAL系アパレルブランドにも閉店するところも出て来た。がんばって渋谷に行って刺激を求めるよも、地元の気の合う仲間と地元で遊んだ方が良いということで、渋谷に来る若者層が少しづつ減っている。

メディアとしての雑誌の力も衰えている。かつて雑誌とは時代を創ろうとする意気込みが感じられたものだ。しかし現在の雑誌にはその意気込みも力も感じられない。出版社は作業やコスト効率化をはかるため、編集プロダクションに外注することも多くなった。時代を創るというより、世の中で起きていることを後追いすることも増えた。また雑誌によっては、広告主の雑誌離れを防ぐため、記事面での広告主配慮も徐々に増して来た。情報が溢れかえる中、世の中の後追い情報だったり、薄く広い情報では、お金を払ってまで読んではくれない世の中だ。それだったらネットで十分という読者が増えたのだ。

渋谷への求心力が衰えたこと、雑誌への求心力が衰えたことなどの理由とともに、私が大きな理由として考えているのは「読モ」の弊害だ。

ネットとりわけソーシャルメディアが普及してからというもの、一般人と芸能人の距離感が縮まってしまった。以前であれば、テレビや雑誌に出ている人と自分の住む世界は違うという認識があった。だからテレビや雑誌の情報をリスペクトしたり、そこに出演している人に憧れを抱いたりした。しかし今は違う。今、読んでいる雑誌やさっきまで見ていたテレビに出演していた人と、今Twitterで会話をしたりすることもあるのだ。「読モ」が人気になり始めた頃は、一般人でもかわいかったり、きれいな人は雑誌に出ることも出来るんだということで、一般人代表の読モに対して憧れを抱く部分も読者にはあった。しかし時代が進み、芸能人や読モと自分の関係が近くなりすぎたことによって読者の意識は変わるようになった。「この人達が芸能人や読モだったら、私も芸能人や読モになれるのではないか」という感覚だ。つまり、憧れの対象ではなく、自分と同レベルの対象になってきてしまったのだ。自分と同レベルと思っている人達が楽しそうに騒いでいるテレビ番組、かっこつけているGAL誌を見たいと思わなくなってしまったのだ。くしくも、芸能人のプライベート暴露番組や読モのテレビ出演が増えれば増えるほど、今までGAL誌を読んでいた読者から見放されることに繋がってしまったのだ。結果として、テレビは無料なのでスルーすれば良いが、雑誌に関しては「買わない」という選択が増えてしまった。そしてGAL誌は次々に休刊に追い込まれて行ったのだ。

GAL誌の休刊を悲しむのは、GAL誌に出ている読モや、芸能人ライブを満喫しているモデルばかりで、多くの読者にしてみれば、何の問題もないのだ。

本日、サッカーW杯の日本×ギリシャ戦が行われた。残念ながら0−0のスコアレスドローに終わった。圧倒的なボールの支配率を誇りながら勝ちきれなかった日本。残るコロンビア戦に勝利するだけでは決勝トーナメントに進めず、他国の結果にも左右されることとなった。

オリンピックを含むすべての競技よりも盛り上がるサッカーW杯。だからこそ応援にも力が入る。そして勝てば大きな盛り上がりを見せるが、負ければ大きな非難にもなる。今日、勝てなかったことで、一般人だけでなくサッカー関係者などからも一斉に批判の声が上がった。

■ 調子が悪くなると批判をする人達

ビジネスも同じ事だが、間違ったことを指摘し直してもらうことは大事なことだ。また、自分が発言をすることで状況が改善するならば積極的にやるべきだ。しかし、事態が変わらないのに批判だけするのは、ただのストレス発散でしかない。まして、今回のケースは決勝トーナメントへの可能性が完全に断たれたわけではない。私たちが出来ることは応援するか、静観するかしかないのではないかと思う。どんな形でスポーツ観戦をするかは人の自由だ。自分はチームを応援するのではなく、ストレス発散のために観ているのだという人を否定することは出来ない。ただとても非建設的であり残念だ。

一般人だけでなくサッカー関係者が批判するのはいかがなものだろうか。ドヤ顔で、戦犯候補を名指しで批判する関係者を見ると、当事者意識の欠如が甚だしいと感じる。また、順調な時には批判せず、雲行きが怪しくなってから声高に非難するのはプロフェッショナルとしての能力も欠如していると感じる。メディアも、そんな関係者などニュースにも乗せなければ良いと思うのだ。

三浦和良さんを始め、日本のサッカーを築き、当事者意識の高い人達からは批判の声は聞こえない。グループリーグ突破の可能性が1%でもあるのならば、最後まで諦めるべきではないことを知っているからだ。私たち一般人がやれることも、グループ突破の可能性を諦めない選手達を応援することだけだろう。反省はW杯が終了してからじっくりとやれば良い。

■ ビジネスの世界でも批評家は少なくない

ビジネスにおいても似たようなことが多い。私はマーケティングコンサルタントですが、現場を大切にしている。なぜなら、現場を知らずして現実的に解決出来るベストな方策を出すことは出来ないからだ。しかし世の中のコンサルタントと呼ばれる人達には、難しそうな知識やノウハウを披露し戦略をもっともらしく話す人も少なくない。当事者意識が高ければ、現場の声や状況をどの程度使うかどうかは別として現場の生々しい状況は知っておくべきなのだが。

これはコンサルだけの話ではない。仕事へのコミットメントが弱い人が多い。完全にダメな状況でもないのにダメな理由をならべたり、諦めたりする人は周りにいないだろうか。うまくいかない理由を並べるのは簡単だ。しかし、それは事態を改善させることには繋がらない。事態を改善させ、物事を前に進める批判ならば否定しないが、そうでなければいかに状況分析が正しくともただの批評でしかなく意味は無い。

スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、状況を好転させられるのは強い当事者意識を持った人達だ。自分の行動に責任を持とうとしている人だ。経営者とすれば、頭でっかちで行動しない人よりも、こういう人こそ欲しい人材なのだ。

さてW杯、最後まで諦めず戦おうとする日本代表を私たちは応援するしかない。日本代表を諦めている人は、せめて静かに状況を見守ろう。

■ 「ヘッドホン女子」ブーム報道

先日、日本テレビの朝の情報番組「ZIP」でヘッドホン女子について特集された。ヘッドホン女子とはヘッドホン愛用の女性のことだ。最近では街中でもヘッドホンを付けたり、首にぶら下げたりしている女子は確かに増えている。番組の中で、ある評論家がヘッドホン市場の高価格化の火付けについて、あるブランドの登場を取り上げていたが、内情をよく知るものとしては調査データの読み込みが甘いと感じた。また、ヘッドホン女子が「私はオシャレでしょ」というアピールのためにヘッドホンをしているとか、音楽通ぶっているという発言もあったようだが、これも的外れだ。確かにファッション性を重視したヘッドホンを着用する女子は増えているしルックスの良い女子も増えている。しかし実際にはヘッドホン女子の多くは、オシャレよりも音質そのものにこだわっている人が多い。当然、音楽通ぶっているのではなく、他の女子よりも音楽や音に高い関心があるのだ。ヘッドホン市場とヘッドホン女子をよく知るマーケッターとして、彼女達の名誉と市場の正しい認識のためにあえて異論を唱えたい。

閑話休題。最近、ヘッドホン女子だけでなく「○○女子」ブームが到来している。

■ 「カープ女子」「山ガール」

例えば、今年に入ってバズワードになっているのはプロ野球広島カープファン「カープ女子」だ。カープ女子は、広島カープの若手選手が成長し活躍していく姿を見守り応援している。彼女達は、山本浩二、衣笠祥雄、北別府学、大野豊、津田恒美、高橋慶彦など、広島黄金期を知らない。それでも首都圏のファンが広島まで応援ツアーに来るなど、熱狂的なのだ。

少し前には「山ガール」という言葉もあった。それまで登山とは男がメインでするものだった。登山は男にとってのロマンであり、ワイルドな世界だった。しかし「山ガール」はそのイメージを変えた。オシャレなウエアに身を包んだ女子が登山をするようになった。今まで硬派一辺倒だった登山雑誌にも、山ガールのコーナーが出来た。登山もアルプスのような本格登山ではなく、高尾山のような東京近郊の山がクローズアップされ、大人気の場所となった。結果として女子だけでなく男子の登山人口も増えた。

■ なぜ「○○女子」「○○ガール」という言葉がブームになるのか。

ヘッドホン女子、カープ女子、山ガール、釣りガール。なぜ女子にまつわるネーミングがブームになっているのだろうか。その理由は2つある。一つは企業側の理由、一つは女子側の理由だ。

まず一つ目の企業側の理由について述べたい。

企業側がこぞって「○○女子」「○○ガール」という言葉を歓迎するのは、その言葉が新たなターゲットを呼び込むきっかけになるからだ。そして、新たなターゲットが生まれることによって市場は活性化し、拡大していくことに繋がるからなのだ。ヘッドホンにしても、広島カープにしても、登山にしても、女子よりも男子のイメージが強く、男女比では圧倒的に男子の方が多かったはずだ。だからこそ女子を取り込むことが大きなプラスを生み出すのだ。

二つ目の女子側の理由について述べたい。

男女雇用機会均等法をきかっけに女性の社会進出が本格した。そして仕事面においても、生活面においても、男女がすることには大きな差はなくなりつつある。このような状況を受けて、今まで女子とは縁遠かったものに女子が入ってくることが増加した。例えば、女子の一人焼肉がそうだ。20年前であれば、女子が一人で焼肉というシーンは見られなかった。しかし今や女性の一人焼肉用の店舗まである。女性からしてみれば、男性と同じように焼肉も食べてみたいし、ラーメンも食べてみたい。男性と同じように遊んでみたいという気持ちを持つ女性も増えて来た。結果として、今まで関わりのなかったフィールドに挑戦したいという女性が増えることに繋がっている。○○女子、○○ガールとは、今までチャンスの無かった女性が、あらたな挑戦を始めやすくなるというメリットにも繋がっているのだ。

■ バズワードの欲しいメディア事情

○○女子、○○ガールという言葉が、企業側、女子側にメリットになることを今まで述べて来た。最後に、メディア側のメリットも述べたい。

メディアとしてはキャッチーなキーワードがあればあるほど望ましい。例えば情報番組の特集を考えて欲しい。ダラダラと情報を流すより、「今こんなキーワードが人気」という方が番組を作りやすいのだ。その意味においても「○○女子」「○○ガール」という言葉は、とても便利な言葉になるのだ。ちなみに、この傾向が加速するもう一つの理由にソーシャルメディアの存在が挙げられる。キャッチーで短い言葉であればあるほど、Twitterなどソーシャルメディア上での「引き」は強くなる。メディアで人気になった言葉が、ソーシャルメディアによってさらに拡散されていく。

■ 最後に

企業側の理由、女子側の理由、メディア側の理由。これらの理由がすべて重なっているため「○○女子」「○○ガール」が次々に出現していくのだ。多くの関係者にとってプラスは大きいがマイナスはほとんどない。これからますます「○○女子」「○○ガール」というキーワードは増えていくことだろう。

2014年5月28日。アップル社がヘッドフォンメーカー ビーツ・エレクトロニクスならびに子会社である音楽配信会社ビーツ・ミュージックを併せて30億ドルで買収した。なぜ、アップルは過去最大規模の買収金額でビーツを買収したのだろうか。

「アップルがビーツを買収した理由」の前に、市場について触れておきたい。

1)ヘッドフォン、イヤフォン市場の広がり<ハイレゾ>

ヘッドフォン、イヤフォンが外で使うものとして一般的になったのは、1979年のソニーウォークマンの誕生がきっかけだろう。それまで音楽鑑賞の中心は自宅であった。音楽を外に持ち出すところからヘッドフォン、イヤフォン市場の成長が始まった。カセットテープからCDになり、CDからにMDなって行く中でヘッドフォン、イヤフォン市場は拡大の一途を見せた。

そして2001年、iPod、iTunesのの衝撃的な登場によって、ヘッドフォン、イヤフォンだけでなく、音楽配信やミュージシャンなど、音楽業界すべての構造が一変した。その結果、ヘッドフォン・イヤフォン市場にはさらに追い風が吹くこととなった。

iPodが登場した頃は、iPodそのものは画期的だったが、音源の音質は必ずしも良いとは言えなかった。したがって本当に音楽、音質にこだわる人はiPodを使わない時期もあった。しかし、時代は変わり、状況は変わった。そして、登場したのがハイレゾだ。
昨年の音楽機器業界のもっとも大きなトピックス、ハイレゾリューション音源(ハイレゾ)だ。ハイレゾとは高解像度での音楽データのことであり、CD以上の高音質の音源だ。まだまだハイレゾになっている音源に限りはあるものの、確実に人気は出て来ている。ハイレゾの普及にともなって、音源だけでなく、その音源を聴くためのプレイヤー、アンプ、高品質ヘッドフォンやイヤフォンなどの人気が加速した。ヘッドフォン、イヤフォン市場は空前の盛り上がりを見せている理由の一つがこれだ。

2)ヘッドフォン、イヤフォン市場の広がり<ファッション>

音楽をより高音質で聴くためのヘッドフォン、イヤフォンが人気になる一方で、ファッション的なヘッドフォン、イヤフォン市場も拡大してきた。ヘッドフォンやイヤフォンを外出時に着用すれば、服や靴や鞄と同じように見た目も気になってくる。特に、ヘッドフォン、イヤフォンを購入する女性層が増えたことで、ヘッドフォン、イヤフォン市場があらたな広がりを見せたのだ。音質よりもファッション性重視というユーザーも増加した。その筆頭格がビーツだったのだ。

3)アップルがビーツを買収した理由

ハイレゾの普及による高音質市場の拡大、ファッション重視層の増加によるファッション市場の拡大という2つの要素はAppleが過去最大規模の企業買収をする必然性を生み出した。iPhoneを購入者は、まず付属のApple製イヤフォンで音楽を聴く。その後、販売店などでイヤフォンやヘッドフォンを試聴すると、自分が使っているものよりも高音質のものがあることに気づくのだ。その結果、ユーザーは今より良いものへと、ステップアップしていくことが多いのだ。

ではビーツが最高音質なのか。そうとは言えない。ビーツのヘッドフォン、イヤフォンは、評論家や専門家、音にこだわるユーザーからは、最高の音質として評価はされていない。それでもアップルがビーツの買収を決断したのは、今のアップルがもっとも欲しい要素が詰まっているのがビーツだからだ。一つは、ビーツの「b」というアイコンが持つファッション性であり、もう一つは、Apple純正イヤフォンよりは高音質であるという音質だ。

さらに、ビーツ製品がヘッドフォン・イヤフォンの市場平均価格よりは高価格であることもAppleにとっては好都合だろう。

もう一つアップルが期待していることは、ビーツ子会社であるビーツミュージックの音楽配信事業とのシナジーなのだろう。アナリスト的な視点に立てば、ハイレゾ市場が進展する中で、ビーツの音楽配信事業は成長の基盤になる言いたくなる。しかし、音楽のことを知るマーケティングコンサルタントの視点から見れば、これがどれほどの効果を生むのかは疑問だ。このような配信事業を手がけている企業はいくつもあり、ビーツ・ミュージックは決して、市場のリーディングカンパニーではない。また会員制音楽配信という点についても疑問符はつく。かつて、スティーブ・ジョブスがビーツ・ミュージックのような会員制音楽配信には否定的だったことがあらためて思い出された。ユーザーを知り、現場を知って入ればいるほど、楽観視は出来ない部分だ。

4)アップルとビーツの未来

スティーブ・ジョブスなき後、アップルブランドは大きな陰りを見せないものの、製品開発やイメージにおいても徐々に低下してきている。カリスマなき後の現状については、大きな業績悪化、イメージ低下していない事の方が凄いことだなのだが、アップルとしては次の一手を打ってブランドイメージを向上させる方法が欲しかったのだろう。したがって、 アップルはビーツブランドの象徴である「b」マークをそのまま残すはずだ。もしアップルが「b」マークを消すとすれば、それは買収の失敗を意味する。なぜなら、ビーツにとって「b」こそが最大の資産であり、消費者から爆発的に支持されている理由だからだ。

マーケティングコンサルタントの視点から見れば、アップルはビーツの「b」マークに3000億円という実質価値から離れた金額を支払ったようと見える。今のアップルは、それほどまでに現状打破をしなければならない強い意志を持っているとも言える。果たしてこの買収は成功するのだろうか。Dr.ドレーを始め、ビーツ側は、未来が成功しようと失敗しようと万々歳だ。しかしアップルにすれば、この曖昧なものに3000億円もの金額を投資した結果が良いものになるかどうかはまだわからない。結果が見てくるのは1年くらいしてからだろう。どのような状況になるのか、引き続き注視したいところだ。

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