マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

気になるニュース

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

イメージ 1

日本マクドナルドが2014年12月期第2四半期の業績発表を行った。2014年1-6月の連結決算は純利益で前年同期比59%減の18億円という結果だった。上海福喜食品の期限切れ鶏肉使用問題もあり、業績への影響や関連する投資額が読めないことを理由に、12月期の連結決算予測を「未定」とする異例の事態となった。会見でカサノバCEOは、下記のような品質管理体制強化を打ち出した。

1 メニューの原材料の最終加工国、主要原料原産国の情報公開
2 下記対象サプライヤーへの臨時追加監査の実施と毎月の現場での作業確認の実施
  ・(チキン以外の製品を製造している)中国のサプライヤー
  ・タイのチキン製品サプライヤー
3 中国製製品と、タイ製チキン製品の日本国内での品質検査を高頻度に実施

■ なぜ、カサノバCEOは今、会見に出たのか?

上海福喜商品問題が起きたのは先週のことだ。ファミリーマートは囲み取材など社長が記者のインタビューに答ええていたが、カサノバCEOが会見することはなかった。それがなぜ決算発表と同時のタイミングなのか?

理由はただ一つ。業績悪化が続く中の決算発表があったからこそ、そこに賞味期限切れ問題を合わせようということなのだろう。リスクマネジメント広報のセオリーに照らし合わせれば、不祥事が起きたらすぐにトップが会見に臨む方が良い。カサノバCEOが今になって会見に出て来たのは、上海福喜食品の問題によって業績悪化に影響が出ると踏んだからだ。率直に言えば、就任以降業績の上がらない状態がうやむやになることが見えているから登場したのだ。

会見では2つの違和感を覚えた。次にそれを紹介したい。

■ カサノバCEO会見で覚えた2つの違和感

一つ目は会見の目的が「謝罪ではなく宣言」ということだ。日本人と外国人のメンタリティの違いから来るものかもしれないが、純粋な謝罪に受け取りづらい人が多かったのではないか。むしろ、自身の強いリーダーシップを見せようとして、今回の問題を起こした上海福喜食品への強い憤りと、二度と問題を起こさないような対策の打ち出しに会見の重点が置かれていた。ここ数年でマクドナルドが失っているファミリー層からすれば、子どもたちへの影響はどうなのかが気になる点だ。そして、消費者からすれば上海福喜食品がマクドナルドとは別会社であろうと、消費者とすればマクドナルドを食べているということとイコールだ。マクドナルドが本当に消費者のことを感じているのであれば、謝罪の言動は変わって来たはずなのだ。消費者からすれば、マクドナルドは上海福喜食品と同じ加害者なのだが、その意識が薄いと思われる会見だった。

二つ目は「本部とそれ以外」という意識が見えかくれしたことだ。もちろん上海福喜食品がしたことは許されるべきことではない。ただFC店からすればマクドナルド本部は悪くなく、悪かった企業は切るという姿勢が感じられる会見だったろう。原田体制以降進められたFC化の推進によって、店やスタッフのモチベーションはどんどん低くなり、それがオペレーション力の低下やホスピタリティの低下に繋がっているのだ。日々、マクドナルド本部から厳しい要求が続くフランチャイズ店や現場からすれば、「自分たちは悪くない」というカサノバCEOの姿勢は、「マクドナルド本部とそれ以外」という溝をさらに感じさせてしまうものだった。そしてそのトレンドはますます加速するように感じられる会見だった。

■ なぜ、今も広告が続くのか?

ネットでは、マクドナルドの広告がどんどん出てくる。会見のあった本日でもチキンタッタのCMがテレビではオンエアされている。チキンタッタが今回の工場と関係がなくても、このような状況下においてCMを流すことはチグハグと言わざるをえない。今のマクドナルドを考えるならば、問題が発覚した時点で関連しそうな商品はすべて販売中止とする。マクドナルドが本当に品質に自信があるのであれば、関連しそうな商品だけでなく、一時的に全店閉鎖でも良いくらいのレベルだ。本当に子どものことを考えるならば、一時的な利益を失っても、徹底的にやるべきだった。その対応こそが、失ったファミリー層の信頼を再度取り戻すことチャンスになったかもしれないのだ。それが今、原因究明が完全に出来ない中で会見をしつつ、テレビでCMを流す。

利益率など数字ばかり見て効率化を優先してきたマクドナルド。今、必要なことは、お客さんのスマイルを常に考えることであり、店で働くスタッフの顔を思い浮かべることではないだろうか。それが出来ないならば、マクドナルドに浮上のきっかけは訪れない可能性が高いだろう。

2014年7月25日、日本マクドナルドは上海福喜食品だけでなく、中国のすべての工場からのチキン輸入をストップした。これによって、チキン関係メニューの供給が減り、販売中止の店舗も出ている。

ファミリーマートが、今回の問題に絡む関連商品購入者に対して、返金対応を打ち出したのと対照的に、日本マクドナルドは返金対応などは打ち出していない。その中で、中国工場からのチキン供給だけは中止すると発表した。

■ 経営的ダメージの大きいマクドナルド

今回の問題で一番割りを食うのはマクドナルドだ。ブランドイメージはますます下降する。それだけでなく売上も下降する。カサノバCEO体制発足以降、必死になっているファミリー層の呼び戻しはますます遠いものになるだろう。それ以上に経営にとってマイナスのインパクトもある。それは利益率の問題だ。中国の工場で安く作っていたものが別国の工場に移管されることによって、少なからずコストは上がるはずだ。数年前から利益率にこだわってFC化を進めるなどしてきた日本マクドナルドにとって生産コストが上がることは痛手だ。とまらない客数減、客単価減のトレンドが加速することに加え、コスト高は大きなダメージになる

ここ数年の不調、そして今回の問題の根幹にあるのは、業務効率化を追求しすぎた経営の問題なのだ。マクドナルドのスタッフからスマイルが消え、オペレーション力も落ちた。客数減・客単価減は行き過ぎた業務効率化がもたらした弊害だ。今回の問題は”行き過ぎた業務効率化”を見直すための重要なシグナルだ。”行き過ぎた業務効率化”によって痛手を被った企業は少なくない。

すき家が深夜時間帯に一人の店員がすべての作業を行う「ワンオペ」を実施し問題になったことは記憶に新しい。行き過ぎた効率優先であったため、店舗スタッフが揃わなくなり、時間短縮や閉店に追い込まれた店舗が続出した。マクドナルドは、ここまで問題が表面化してはいないが、不調の根本要因は同じところにある。”行き過ぎた業務効率化”は、一時的には利益率が上がるなど企業にメリットをもたらすかもしれないが、実は企業の資産を徐々に食いつぶし、企業の体力を弱めている面がある。マクドナルドがやるべきことは”行き過ぎた業務効率化”を見直すことだ。

では具体的にどうすれば良いのだろうか。現実に即して考えてみると以下のようなことになる。

■ 泥沼から抜け出すために、日本マクドナルドがやるべきこと

一つ目はFC加盟店との関係の見直しだ。FC展開を進める中で、FC店からは本部の高い要求を厳しいと感じる店舗も少なくない。FC店から見れば、マクドナルド本部との関係は”主従関係”なのだ。そうではなく本部とFCが”WIN-WN関係”になるよう関係を見直さなければならない。お客さんと接するスタッフ一人一人が本部の考えを理解し、自主的に行動するような関係になるためには、主従関係ではなく、一緒になって働いている関係でなくてはならない。細かい点は省略するが、マクドナルドとFC店の契約関係も含めた関係の見直しをするべきだろう。

二つ目はオペレーションの単純化だ。期間限定メニュー、メニュー数の増加によって、店舗でのオペレーションはますます煩雑化している。店員からスマイルが消えただけでなく、ホスピタリティも弱くなっている。それだけでなく提供されたハンバーガーなども包みを開いてみると、すでに崩れかけているような雑な提供のものもある。スタッフがもっとシンプルにオペレーション出来るよう一時的にでもメニュー数を少なくすることを提言したい。これはマクドナルドの経営効率化にも寄与する。なぜなら、今回の問題でチキン関係商品の生産コストは上がるはずだ。経営的には、生産コストが上がる分をどこかで補填しなければならない。メニュー数を減らすことは、オペレーションの改善だけでなく、調達コストの削減も期待出来る。少品目大量生産の方が多品目小量生産よりも効率的だからである。期間限定メニューや豪華メニューで来店客数増加を図ったり、客単価の向上を図ろうとしても、今のマクドナルドには相当難しい。まずはスタッフのモチベーションを上げるための戦略こそ進めるべきものだ。

賞味期限切れ問題全体は2,3ヶ月程度でうやむやに終息するだろう。なぜなら日本マクドナルドやファミリーマートだけでなく、また上海福喜食品だけでなく、多くの企業が関わっていることに消費者が気づいたからだ。例えば、2013年10月の阪神阪急ホテルグループに始まったメニュー偽装問題。最初に謝罪会見をした阪神阪急ホテルの社長は辞任に追い込まれた。その後、次々にホテル各社が偽装問題を公表。中にはホスピタリティで世界トップと言われるホテルもあったが、阪神阪急ホテルのように経営陣の辞任に発展することはなく、大きく叩かれることもなかった。そして、いつのまにかうやむやで問題は話題にのぼらなくなった。

リスクマネジメントPRの鉄則として「不祥事が起きたらすぐに包み隠す事なく謝罪をする」というものがある。これは1〜3社レベルで問題が発生した時には正しい。しかし、ホテルでのメニュー偽装問題のように、あまりにも多くの企業が問題を抱えていたことがわかると、消費者の感覚は薄れてしまうのだ。これだけ情報が溢れていて、日々の生活を抱えている消費者にとっては、嫌なことが起きれば最初は憤慨しても、その問題だけにずっとこだわって生きることは難しい。したがって、どんなことも徐々に関心は薄れいく。良くも悪くも人間にはそういう面があるのだ。3ヶ月も経てば、問題が起こる以前とほぼ変わらない状況に戻ってしまうのだ。

今回の問題も構造は同じだ。その問題を真摯にとらえて、本気で改善していくのか、それとも大きな被害にならないよううまくやり過ごそうと考えるか。この経営判断こそが、企業にとって本当に重要なことなのだ。

上海福喜食品の食品衛生管理に関するニュース映像が大問題になっている。地面に落ちた肉をラインにそのまま戻したり、明らかに黴びている肉を生命に影響が無いということで使用したりする映像は世界に衝撃を与えた。上海福喜食品から食品を仕入れている企業だけでなく、ケンタッキーフライドチキンなど関係のない企業まで次々に使用状況を発表するという事態になっている。

この中でファミリーマートのガーリックナゲット等とマクドナルドのチキンマックナゲットに消費者の視線が集まっている。日本マクドナルドはチキンマックンゲットの販売中止を即座に発表した。マクドナルドはチキンマックナゲットの約20%を同社から仕入れており、国内全体店舗のうち約40%(1都10県)にて提供していた。東京、千葉、埼玉などは全店舗で提供されていたようだ。すでにタイや中国の別会社が生産した鶏肉への切り替えを進めており、21日に販売中止したチキンマックナゲットを23日は販売再開するようだ。この問題が経営に与えるダメージは少なくない。

前原田CEO体制時代、マクドナルドの利益率は向上したが、マクドナルドがもっとも大事であった”お客さまへのホスピタリティ”は失われた。スマイルは店頭から減り、ファミリー層の割合が減った。この背景には、利益率優先のために直営店を減らし、フランチャイズ化を促進したことにある。マクドナルドのビジョンが浸透しづらくなったことに加え、期間限定メニューなどの頻発によってオペレーションも煩雑になり対応が難しくなった。一方でマクドナルド本部からFC加盟店に対してのロイヤリティを始めとする条件はますます厳しくなった。FC店にしてみれば、顧客へのホスピタリティを気にできないほど厳しい状況が進んでいるのだ。

前原田CEO体制の後半になって、多くの人がこのほころびに気づき始めた。利益率は以前よりも上昇し、他のファストフードチェーンと比べても悪くないのだが、客単価や客数の減少に歯止めがかからない状況を見て、何かおかしいと感じるようになった。結局、最後は、サラ・カサノバ氏へCEOを譲り、原田氏はマクドナルドCEOを退任した。

カサノバCEOは失ったファミリー層を再獲得することを就任時に宣言した。ところが消費者はそんなに甘いものではない。そもそも「そこそこ安くて、そこそこ美味しくて、楽しい」ことが売りだったマクドナルドなのだが、「そんなに安くなく、ファミリーが楽しい場所ではない」というマクドナルドに戻るほど、顧客が飲食場所を選ぶ選択肢は少なくない。

また販売中止から2日でチキンマックナゲットの販売を再開するということだが、消費者の不安を払拭し、安全宣言をするには、上海福喜食品ではないタイや中国別工場の品質管理においてのチェックを入念にすることが望ましい。販売中止から再開まで2日間で供給出来る供給のバックアップ体制は見事だが、やや拙速な印象を受け、ここにも効率優先の印象を受けるのは否めない。

結局、カサノバ氏がCEOに就任してから今に至るまで、ファミリー層の再獲得ならびにマクドナルドの復活への糸口は掴みきれずにいるのだ。

その中で起きた今回の食品衛生管理問題。以前よりマクドナルドが使用している食材に関しては不安視する声が少なくない。マクドナルドに限らず、食品の安全度や美味しさと価格は連動する。消費者は、自分の許容範囲を決めて食べものを食べている。消費者は一人一人が自分で判断してきた。ただ少子化が進む日本において、子どもには安全な食品を食べさせ、高い教育を受けさせようと思う親が増えている。

安全性に疑問を感じるような食品は出来るだけ避けたいというトレンドにおいて、今回の問題がマクドナルドに与えるダメージは大きい。

関連ブログ:

「経営急激悪化!マクドナルドが崖っぷちな理由とは?」(2014年7月9日公開:All About)
http://allabout.co.jp/newsdig/c/67891

「苦境のマック、なぜ主要客・ファミリー層の“心”は離れた?客数減の理由を店舗から考える」(2014年1月2日公開:ビジネスジャーナル、ヤフーニュース掲載)
http://biz-journal.jp/2014/01/post_3753_2.html

牛丼の松屋フーズが「プレミアム牛めし」を7月22日から発売を開始する。並盛は今までよりも90円高い380円。都内で会見した緑川社長は「別次元のうまさであり、社運をかけている」と語った。2014年7月末までに首都圏を中心に621店舗で発売し、徐々に販売店舗を拡大する予定だ。そしてプレミアム牛めしを提供する店舗では、従来の牛めしは販売を終了する。

■ ここ数年の牛丼チェーン業界の歩み

ここ数年の牛丼業界の歩みを見てみよう。日本景気が低迷するとともに、給料が上がらずお小遣いの厳しくなったサラリーマンを中心にランチでの牛丼ブームが始まった。牛丼人気は高まる一方、競争激化によって値下げ合戦が始まった。各社とも200円台後半になった段階で、全社とも利益が出にくくなってしまった段階で、サラリーマンたちもさすがに牛丼には飽きたのだろう。焼き牛丼というカテゴリーで「東京チカラめし」が登場してきた。これによって吉野家、すき家、松屋などは牛丼の低価格争いをやめる。より高価格で利益の取れる商品を投入し始めた。吉野家が牛丼の倍以上の価格で「牛すき鍋御膳」を投入し、人気になったのを見て各社とも「牛鍋」を投入してきた。またデザートやコーヒーなど追加メニューをラインナップさせることで、客単価の増加を狙った。ただ「鍋」の投入はマイナス面ももたらした。手の込んだメニュー、メニュー数の増加によってオペレーションが煩雑になったことにより、店員の負担は大きくなった。その結果、すき家では店員の確保が難しくなり閉店や休業に追い込まれる店舗が続出した。

■ 松屋の「プレミアム牛めし」は成功するのか

松屋のプレミアム牛めし。社長が「社運をかける」と言ってはいるが、冷凍肉を冷蔵に変えたことが大きなポイントのようである。そこまで大きな変化が出ているのかは、実際に食べてみないとわからない。ただ社長が社運をかけたのは、メニューとしての開発自体というよりも、プレミアム牛めしの投入によって通常の牛めしをやめるという事業全体の話なのだろう。それだけ力を入れて宣言しなければならないほど、牛丼チェーン店は厳しい経営状態にあるということの裏返しだ。

松屋が成功するかどうかのポイントは他社も追随してくるかどうかだ。ネーミングは「プレミアム牛めし」中身は「牛めし」と同じだ。食べる側からすれば、松屋より競合が90円安ければ、そちらを選ぶ。ただ、もし業界全体で値上げするならば話は違う。ランチで牛丼380円は、ファミレス、ファストフード、コンビニと比較しても決して高くはない。したがって全社的に値上げすれば、松屋には影響は少ない。

仮に競合各社が追随して値上げしてこない場合、松屋が勝てる方法は一つだ。それは味が決定的に美味しくなったケースだ。今まで以上のお金を払うからには、付加価値がないとならない。牛めしとプレミアム牛めしの見た目に大きな違いがなければ、味そのもので差が出なければ、消費者の理解は得られない。したがって、競合が追随しない場合、松屋が勝てる方法は、牛丼がすさまじく美味しくなった時だけなのだ。

だからこそ、社長は「社運をかけた」と記者会見で息巻いたのだ。

イメージ 1

■ 止まらないマクドナルドの凋落

2014年7月7日に日本マクドナルドの経営状況が発表された。マクドナルドの落ち込みがますます悪化している。

全店売上高前年比▲8.6%
既存店売上高前年比▲8.0%
客数前年比▲10.7%
客単価も前月から悪化

6月には、FIFAワールドカップのオフィシャルスポンサーをしているので、出場国をイメージしたメニューの展開をした。ジャパンバーガー ビーフメンチ」やオランダマックフロート パッションオレンジ、スパニッシュ オムレツマフィンなどだ。そして店舗によっては、マクドナルドのイメージカラーとは関係のないブルーに店頭の色を変えたり、ワールドカップ関係のイラストをデザインしたりした。ところがすべて不発に終わった模様だ(http://www.mcdonalds.co.jp/campaign/worldcup/)。

■ 八方ふさがりのカサノバ体制

前原田CEO体制が進めたマックカフェ戦略とFC化の推進。一言で言えば、これがファミリー層離れをまねき、店頭のオペレーション力も大幅に低下した。今年に入り、ファミリーセットのCMを増加させたり、とんかつバーガーなどを発売したものの、効果は得られてはいないのは数字を見れば明らかだ(過去関連ブログはこちら http://allabout.co.jp/newsdig/c/64828/2/)。

現在、実施しているFIFAワールドカップ絡みのキャンペーン。世界的なビッグイベントであり、億単位のスポンサー費を支払っている以上、その資産を使わない戦略は取れない。ただ結果的にカサノバCEOが主張するファミリー層の再呼び込みと実際にやっていることにはズレてしまった。

■ マクドナルドが復調しない原因の根幹

前原田体制で推進されたFC化。これによって一時的には利益率は向上したが、それによって現場のオペレーションはズタズタになった。企業のビジョンや本部の意図はFCの現場まで浸透しなくなった。また度重なる期間限定メニューの登場などによって店員は混乱した。その結果、店員からスマイルが消え、店員からホスピタリティを感じられることが少なくなっていった。FC化はますます推進方向にある。課題が解決されない中、ファミリー路線と言いながら実際にやっていることが異なっていたり、今回のワールドカップ限定メニューのように新メニューを導入せざるをえなかったことは、店員からすれば「結局何も変わっていない」ということになる。結局のところ、これらがネガティブスパイラルになってしまい、ますます店員のモチベーションも上がらない。そして、店員からスマイルもホスピタリティはますます消え、ファミリー層のマクドナルド離れはますます加速してしまっている。それが2014年6月の数字の悪化に現れた形だ。

そしてFC店舗の経営状況もますます苦しくなっている。売上が減少する中でも、本部に納める費用は莫大にある。一定の数字をクリアしたり、本部視察の際に運営がきちんと出来ていないと、FC店舗としての条件が不利になっていく。売上や来店者数は減少していても、FC化によって利益率は向上するので、日本マクドナルドとしてはなんとなく乗り切れる状況にある。しかし、お客さんやスタッフやFC店舗の状況を見れば、足元は本当に危うい状況なのだ。売上減、来店者数減が続く中、経営陣はお客さん、スタッフ、FCオーナーの様子を実際に見て、雰囲気を感じて、真意を聞いているだろうか。

FIFAワールドカップが終わり、夏休みの季節がやってくる。この7月、8月の数字がカサノバCEOにとっての評価の基準になるだろう。数字を上げるためには、まず今の現場をしっかりと把握し、どうやったらスタッフ、FCにスマイルが戻り、モチベーションが上がるのかを真剣に考えるべきだ。その前提があってこそ、ビジョンを伝えたり、トレーニングすることに意義が出てくるものだ。厳しい言い方だが、マクドナルドの前途は洋々ではなく、崖っぷち状況なのだ。


.
ラッキーマン
ラッキーマン
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

検索 検索
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事