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父の日――――――――――――――
感謝を伝える日…なのに、私は感謝をしていない。
会いに行くのもお義理で、みたいな気分がある。
なんて親不孝な娘かしらね。
じじいさまは私や弟など家族として見ていなかった。
それが、マトちゃんには過剰なほどの愛情を注いでいたわ。
愛し方はまともとは言えなかったけど、マトちゃんをかわいがってくれたことに
私は感謝する。
じじいさま宅を訪問したら、ドアチェーンがかかっていて開かない。
チャイムを何度も押してると、中から返事が。
ドアの隙間に顔を押しつけるようにして「私ーー」と叫ぶ。
よちよち歩きのじじいさまが時間をかけて玄関までやってきた。
「なんね?」
なんねとはなんね…。
「今日は父の日よ」そう言って、寿司と刺身を手渡した。
「そうね!」と表情を崩すじじいさま。
『目が見えん。あと30日で死ぬと思う』そう一昨日の電話で訴えていたが、真剣には取り合わなかった。
じじいさまの「見えない」というのは、鮮明に「見えない」ってこと。
「町医者はヤブだから、名医を探さんといかん」には真剣に取り合わずに電話を切った。
眼科にはこれまで5軒で診察と検査を受けたけれど、ドライアイの他は「異常なし」
どんな名医でも、病院からの目薬をささず、市販の目薬の方を信用する年寄りは相手にしないだろう。
じじいさまの言うよく効く目薬は、スキーーッと爽快感のある目薬。
ヒアルロン酸の目薬は生ぬるいと言った気分なんだろう。
ひとしきり話をしたら落ち着いたようだった。納得はしてないみたいだったけど。
多分、明日になればまた同じことを言って騒ぐはず。
元夫の実家へ行き、義父の仏壇に果物を供える。
それが義父への父の日のプレゼント。
義父の代わりに義母が喜んでくれた。
元夫の元には、マトちゃん一家とこけしが集まり
マトちゃん夫婦は洋服の上下、こけしはルームウエア、仕事で来れなかったわらしからは
ZIPPOのライターがプレゼントされていた。
物のプレゼントもうれしいだろうけど、自分のためにみんなが集まったことが、元夫にしたら一番のプレゼントになっただろう。
元夫の目に、涙が光っていたのを私は見逃さなかった。
誕生日、クリスマス、父の日母の日。
娘たちはイベントのたびにプレゼントを抱えて集まる。
娘たちのプレゼントは、時間をかけてリサーチし選んだもの。
私のような思いつきとは違う。
イベントのずいぶん前から三人で集まり、話し合い買い物に行く。
姉妹仲がいいのも、私たちに精いっぱいのことをしてくれるのも
一時期、それぞれがとても寂しい思いをしたから。
離婚がいいことだとは思わないけど、家族が仲がいいのはこのことが一番影響した。
離婚を娘たちに告げたあの日、あの日の三人の涙は
今でも元夫と私の胸に刻まれている。思い出すと胸が痛む。
それぞれに泣いたあの頃が嘘のように、今は強い絆が私たちの家族の中にある。
プレゼントを手にして喜んでいた元夫の手がふと止まり
「このシャツMなんだけど…」
マトちゃんが、えっ?と元夫の顔を見た。
「お父さん、横は合うんだけど多分シャツの丈は足りんかもしれんね(笑)」
父親が胴長短足であることをマトちゃんは思い出し、大笑いしていた。
これからも、私たちはイベント毎にこうして集まり笑いあうのだろう。
こうして家族が笑いあう時間が、私には一番の幸せ。
こけしが父親にプレゼントしたのが、この曲。
歌詞は両親に対するものだけど、
この曲が一番父親への気持ちを伝えられると思っての一曲。
いつまでも/ROYALcomfort あたりまえだと思ってた日常は
あなたたちのおかげでした
☆昨日の一日一善
・じじいさまと1時間話した。
★昨日の一日一悪
・孫の、戦いごっこに参加しなかった。ばあばは疲れてるの…。
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2015年06月22日
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