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昨年の今日も雨だったことを思い出す。
じじいさまは七夕の日に救急車で運ばれて、二日目の8日。
病室に入る直前に看護師さんに呼び止められた。
「お父さん、夜中に暴れて困ったんですよ。
何度もベッドから抜け出そうとして、点滴の針も抜いてしまい
ベッドも衣服も血だらけになっちゃって」
そう看護師さんに言われた。
雨の中、新しいパジャマとバスタオルを買いに行った。
「看護師さんを困らせることをしちゃあだめだよ」
私は半ば怒りながら、じじいさまに言い聞かせた。
当のじじいさまはそんな話に耳を傾けず…
耳が遠かったので聞き取れなかったんだろうけど、
私の言葉など聞きもせず、「帰りたい」と訴えてばかり。
「しばらくは入院しないとだめなの」
何度言ったことか。
「家に寄って、大きなバッグの中にあるお金を持って
帰って」
入れ歯を外された口で何度も念を押された。
しつこく言うくらいだから、大金でも入ってるんだろう。
面会時間が終わる頃
「ベッドから出ないように!」と念を押して
病院を後にした。
じじいさまが住んでた高齢者住宅に寄り、バッグを探す。
あったあった、キャリーバッグ。
その中を探ると、分厚い紙封筒が出てきた。
あら、結構な大金…と思ったら
中身は全部ロト6の申込カードだった(笑)。
お金ってどこ?
探り続けていると、ビニール袋に入れられた硬貨発見。
開けてみると、500円玉がどっさり。
数えてみたら、3万近く入ってた。
500円玉貯金が気になってたなんて、ちょっと笑えた。
じじいさまとの最後の会話。
「バッグの中のお金、持って帰って」
「今夜は大人しくしてよ。また明日来る」
そんな言葉が最期になるなんて。
翌日急変して亡くなるとわかってたら、
もっと話したいことがあったのに。
退院したら、一緒に暮らさなきゃと覚悟した日の翌日
じじいさまは昏睡状態になった。
「覚悟しておいてください」と医師に言われても
眠っているとしか思えなかった。
意識を無くして半日の間
目覚めるようにと、手を握ったり摩ったりしてたっけ。
でも眠ったまま、
じじいさまはあっけなく逝ってしまった。
一年経った今も、仏壇に手を合わせながら
「あれもこれもしてあげられなかった。ごめんね」と
じじいさまに謝り続けている。
亡くなったからこそ、思うこと。
生きていたら、不満ばかりで優しい気持ちなんて
微塵も湧き出てこなかったと思う。
親子の情なんてないに等しい関係だったけど
亡くなってしまうと、不思議なことに感謝の気持ちが
じわりじわりと出てくる。
亡くなってからの方が、じじいさまに話しかけることが
多いなんてね。
あの世があるのなら、じじいさまはどう思ってるのか…。
先週、じじいさまの遺品のロト6申込カードを使って
ロトを申し込んだ。
1000円当たったよ(笑)。
もっと大きく当たってほしいけど、じじいさまには
そこまでの力はないらしい(笑)。
明日は一周忌。
今週末は、ちょっと忙しい。
坊さんが来てる間は 大人しくします
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