|
今日はにゃんこの日
3年預かったこの子
親友だったのに、家出しちゃったこの子
逝ってしまったこの子
今いる仲良しにゃんこず
写真のにゃんこたちは離婚後に同棲した子たち。
今日は静かに想い出話をさせてね。
母が亡くなるひと月前、深夜に電話してきた。
「あんたのみーちゃん、お母さんにくれない?」 いきなり何を言い出すのかと思えば、うちの猫が欲しいという。 母は猫嫌いだ。 父と私は猫好きだったから、野良猫を何度も拾ってきたことがある。 母には毎度散々文句を言われた。 そして学校へ行っている間に母に捨てられた。 猫に寄られるだけで「しっしっ」と払いのけて
「お母さんは犬の方が好き」と言う。 そんな母が、猫が欲しいって?
うちは二頭飼い。 そのうちの一匹は10年寄り添った雌猫だった。 親友とさえ思ってた子が家出を繰り返し、ついに失踪。 私の心の中にはぽっかりと穴が空いた。 ペットロスなんて、ペットを子供代わりに溺愛した人がなるものだと思ってた。
まさか自分がこれほどダメージを受けるなんて想定外。 昼夜問わず、いなくなった猫の姿が目の前を横切り いなくなった猫の鳴き声がしたようで、頻繁に外を探しに行くほど。 心の穴が深すぎる。 穴を埋めなければ頭がおかしくなりそうだった。 そんなときに、飼い猫だったのに捨てられた猫がいると聞き 催促して連れてきてもらったのが、みーちゃん。 前の飼い主がつけていた名前。 目つきは悪いし、顔もブサニャン、体はがりがりに痩せていた。
でも、人懐っこくてかわいい。どこに行くにもついてきて 寝るときは人にぺたりとくっついて眠る。 ただ、口が臭い。口の中を覗くと赤く口内炎ができていた。 みーちゃんはオス。
先住猫イヴもオス。 よって、激しいなわばり争いが起こる。 イヴは心優しい猫なんだけど、それとこれとは違うらしい。 みーちゃんを追いかけまわし、追いつめては襲いかかる。 みーちゃんのストレスを考えたら、引き取らない方がよかったのかな。
眠るみーちゃんを抱いて、連れてきたことを謝った。 食欲旺盛で、なんでも食べたがった。
食事時にはうるさくまとわりついた。
肉付きも良くなって、饅頭と呼ばれる頃にはイヴを追いかけまわし、 イヴの餌を横取りするまで強くなっていた。
母が遊びに来た時、みーちゃんはすり寄って挨拶をした。 猫って猫嫌いの人間が分かるから、これまでの猫は母に近寄らなかった。 母の座るソファーに上り、母の膝で眠る。 「珍しいねぇ、お母さんにくっついてくる猫なんて、この子が初めて」
母は遊びに来るたび、みーちゃんだけにお土産を持ってきて
食べさせては喜んでいた。 母の頭に「分け隔てなく」という言葉はない。 よくイヴは僻まなかったものだ。 「あんたがみーちゃん手放せない気持ちはわかるけど、
お母さん、どうしてもみーちゃんが欲しいの」 母の声は低かった。
また調子が悪くなって、寝ずにいろいろ考えてるんだろう。 一時の気まぐれだ。そう思って断った。 「お母さんの具合が悪いのに、猫なんて飼えないでしょう? 体調が良くなったら考えよう」 いつもの母なら、ここできぃーーーっと興奮して喚きだすところ。
それがなかった。素直に納得した。 「わかった。ごめんね」
あっさり電話を切ってくれた。
猫嫌いの人に、猫は預けられない。 母が亡くなって、私はひどく後悔した。
母の願いをどうして聞いてあげなかったんだろう。 最後の苦しみの中で、癒されるものが欲しかったんだろうに。 母の四十九日が過ぎる頃、みーちゃんの体調が悪くなった。 驚くほどあった食欲が無くなり、嘔吐。 饅頭と呼ばれるほど肥った体がやせていく。 足の爪を噛んでは抜く。爪先はいつも血だらけ。 みーちゃんは病気を持っていた。もう助からない病気。 口臭もひどさを増していた。
私たちにしてあげられることは何もない。 臭いに顔を背けて、一緒に寝てあげること。 汚れた体を拭いてあげること。 ごつごつと骨の浮き出た体を、やんわりとさすってあげること。 餌は液状のものに変えた。 一日のほとんどを寝て過ごしていたが、
ときおり起きだしては、ベランダから外を見る。 外が恋しいんだろうかと胸が痛む。 野良猫のままだったら、もっと元気でいれたんじゃないかと思った。 猫の介護用品を次女が持ってきてくれた。 下痢はひどかったけど、紙おむつを使うことはなかった。 最後まで、みーちゃんは自分の足でトイレに行った。 GWの朝、リビングに倒れたみーちゃんがいた。 体はもう冷たく、固くなっていた。 自分のベッドで寝たまま逝ってよかったのに。 一体どこへ行こうとしたの? みーちゃんと過ごした、たったの半年。 うちに来る人来る人みんなみーちゃんが好きだと言った。 みんなに愛されて、みんなに懐いて、みーちゃんは逝った。 みーちゃんを荼毘にふしながら、母が連れて行ったのかと考えた。 それならそれで、ふたりとも向こうで楽しくやれるね。 お母さん、みーちゃんをお願いね。 みーちゃん、お母さんをお願いね。 今、母の仏壇の横にみーちゃんの遺骨を置いてある。 火葬時の追加注文で粉末状にしてもらったのもの。 いつかみーちゃんが生まれた場所に、花の咲く場所に埋めてあげたい。 でも、そのいつかが、まだやってこない。 毎日ふたりに線香をあげる。
ふたりへの後悔の念は消えないけれど、どうか安らかに 向こうで一緒に楽しく過ごしてほしい。 あなたに会えてよかった
☆今日の一日一善
・長女マトリョーシカ一家がやってきた。家族の交流を優先して、デートの時間を遅らせた。
★今日の一日一悪
・デートの間、終始肩のマッサージをしてもらう。彼、明日はボールペン握れないと思われる。
|
にゃんこ
-
詳細



