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軽天屋の女房



みなさんはブログのアクセス解析を見ることは
あるのかしら?

私はたまに、思い出したように開いてみる。
検索ワード…みなさんは何で検索されているのかしら?
画像、音楽、グルメ、文学等など、様々なカテゴリを
専門としている方々は、キーワードもはっきりして
いるんでしょう。

私のブログはほぼ日記なので、検索ワードにひっかかる
ことは滅多にない。
「yasumin」や「yasumin side」で探してくれてる方も
たまにいらっしゃる。
しかし、一番目に付くのが
「女軽天屋」「軽天屋」「腰袋」「ビス打ち」
「ボード屋」「軽天 女 かっこいい」「内装 女」
(笑)。

過去にたった一度だけ「女軽天屋」というタイトルの
記事を書いたことがある。
ヤスミンブログの最初の頃を知ってる人なら覚えている人も
いるかもしれないけど。
むかーし昔の仕事のお話。

そういう類のワードで検索されるなんて、Yahoo!ブログの
中には、内装屋さんも多いんだろうな。



元夫の職業は建築業。その中の内装のお仕事。
軽量鉄骨の下地を組み、その上にボードを貼る。
屋内の壁や天井を作るのね。
それなりに従業員を抱えて、個人としては手広くやってた。

ある休日、「現場の墨出しに行くからつきあえ」と言われて
現場に同行したわ。
墨出しとは、柱の中心線や床・壁の仕上げ面の位置など、
工事の基準となる線を構造体などにラインを引くこと。
墨壺を使ってね。
建築中の躯体に入るなんてこと、それまでになかったから
どきどきしたわ。

それをきっかけに、時々「手伝って」と現場に引っ張られて
行くことが多くなった。
最初は従業員たちにコーヒーを配ったり、部材の在庫チェック
するくらいだったんだけど、気が付いたら私、ヘルメット
被ってるわ、腰袋下げてるわ、安全帯付けてるわ…
いつの間にか職人さんよ(笑)。

お嬢様育ちだった(嘘)私が埃かぶって仕事するとはね。
母は私の姿を見て泣いてたわ。
こんなことさせるために嫁がせたんじゃないって。


当時、まだ女の職人なんて珍しかったし、現場の男たちには
邪魔者扱いされてた。
ひ弱だし、小さいし、現場でおたおたしてるし。
よろよろしながら足場板を肩に担いでる時に「奥さん!」と
背後から声を掛けられ、「はーい」と振り向いたら
担いでた足場板がその職人さんに大当たり。
危なくノックアウトするような危険な失敗もいっぱいした。

それが徐々に慣れてきて、木の足場板(4m)2枚を肩で担ぎ
プラスターボード12.5mmを3枚担ぎしてるうちに周囲の目が
変わった。
ボードの切り出しも早かったし、ビス打ちもその辺の職人さん
と競えるくらいの腕になった。
火花飛ばして溶接もした。
「フラッシュダンス」のアレックスになった気分で(笑)。

従業員からは「奥さん」と呼ばれていたのが、いつしか
「姐さん」に。極道の妻じゃないって(笑)。

仕事がわかってくると、自分が女であることが悔しくなった。
背は低い、体は小さい。力はない。
もっと大きければ男たちより仕事ができるのに。
男だったら、家に帰ったら何もせずに済むのに、と元夫を
見ながらいつも不満に思ってた。
だって、帰宅したら待っているのよ、家事に育児に経理。
ごろんと横になってテレビを見てる夫を、何度後ろから
首を絞めたかわからない…あ、これは妄想の中でね(笑)。


くたくた、ぼろぼろ、埃だらけ…。
現場からの帰宅途中、車中で一度だけ泣いたことがある。
「なんで泣いてんの?」と元夫に聞かれたけど、答えなかった。
その日、私はちょうど30歳の誕生日だった。

なんでこんなに遅くまで仕事してるの?
なんでこんなに疲れなきゃいけないの?
なんで私、こんなに汚れてるの?

そんな理由だったと思う。
いや…。
朝一番に、娘たちが「おめでとう」って言ってくれたのに、
従業員たちも「姐さん、誕生日おめでとう」と言ってくれたのに
元夫からは「おめでとう」の「お」の字もなかったからだ。
家に帰りついて、浴室に直行した。
埃と汚れと涙を洗い流し、一息ついてリビングへ行くと
「おめでとー!」と元夫がバラの花束を差し出した。

覚えてたんだ。私はうれしくて大泣き…
なーんてするわけないよ。
こういうサプライズ大嫌い。
誰よりも一番に「おめでとう」と言ってほしかった。
まあ、30本のバラなんてもらうことなかったから
すんごくうれしそうな顔して受け取ったけど。


給料日には現場を休み、みんなの給料を振り込むために
銀行のはしご。
大量の買い物をして、料理を作り、鮨を取り、テーブルに
所狭しと並べる。
給料日は月に一度の慰労会。従業員みんなが家に集まる。
時には協力業者さんも招いて、とことん飲む。
給料日は幸せだった。
従業員のうれしそうな顔を見れるのがね。

義理と人情ばかりの元夫は工賃を値切られることが多く
私は納得いかず文句を言う。
「それならお前が掛け合ってこい!」と終いには言い出すので
元請け会社に直接交渉するのは私。
言葉で言い負かすのではない。
施工した分を正当に請求をするだけ。
軽く〇〇万、多い時で施工した分と技術料上乗せも含め
〇〇〇万勝ち取ったこともある。
現場仕事って、どれだけアバウトな世界かわかっちゃうね。

そうやって、「ああ、今月もみんなに給料払えたわ」と
達成感と安堵で満ち足りた気持ちになれる給料日。
なんだかんだ言いながらも、あの頃は充実してたと思う。
代わりに、私は元夫から疎ましく思われだしたんだけど。


数日前、元夫から電話があった。
「この間、久しぶりにAに会ったんだけど、姐さん元気にしてますか?
今度一緒に飲みましょうって伝えてくれってさ」
Aとは、昔の従業員。
まだ覚えててくれたんだと嬉しく思ったけど、会うつもりはない。
若くて元気に足場を走ってた頃の私を覚えててほしいから。
って、老けた自分を見せたくないだけなんだけどね(笑)。

もし、昔に戻れるのなら
私は現場にはついて行かない。
そして、夫の仕事に口出しするような女にならない。
「何もできなーい。何にもわかんなーい」女になる。
がんばらない。

え? それよりも元夫と結婚するのやめておいたらって?
ごもっとも(笑)。




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男だってつらいよ






女軽天屋

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最近、ブロ友さんのブログへいくと知ってるハンネをコメント欄で見る。
そうすると、私誰の記事読んでるんだっけ?と首をかしげてしまう。
あっちへ行ってもこっちへ行っても、「あれ?誰のブログだったっけ?」現象が。

これはね、私としてはとてもうれしいことだわ。
もし、私が媒介となってお友達同士が仲良くしてくれてたら
うふふと声が漏れるほど、私も楽しい気分になれる。

え…「おまえは関係ないんだよ。最初から知ってたんだよ…」
うっ、ごめんなさい。私の早とちりでした。


でもー、私のブロ友さんは、女性は美人で男性はイケメンばかり。

…想像ですが(笑)。

そしてみんな賢いときてる。

…想像ですが(笑)。

お友達になるときっと絶対楽しいよ〜。


と宣伝しましたので、1名訪問するたびにビール1本いただきましょうか。
世の中無料で友達増やせると思ったら大間違いです。
とヤクザな私が叫んでおりますが、どうかスルーしてください。



ヤクザと言えば、姐さん。

今、なんで姐さん?と思った人。私についてくるキャパがないとういことですよー。
疑問が湧いてもついてきて。おいて行くわよー。


私、姐さんと呼ばれていた時代があったの。

いやいや、元夫がヤクザだったわけじゃありません。
内装屋をやってたのね。
内装というと、みんなはクロス張り以降を思い浮かべるでしょうが
うちの内装屋はその前の段階。
壁と天井を作る仕事をしてたのよ。


軽量鉄骨材で壁、天井の骨組を作り、それにボードを貼るまでの作業。
早い話が、建築現場で作業する仕事だったの。
通称=軽天屋

建築の仕事なんって水商売と一緒。明日のことはわからない。
なので、仕事が増えてもおいそれと従業員を増やすわけにはいかず
私もお手伝いに行ってたわ。

デスクワークしか知らない私が、腰袋をして安全帯をして男に囲まれてお仕事よ。
最初のうちはテゴと言って、だれかの手助けをする程度。
たとえば、ラインを引く時の墨つぼのピンを持つとか
ボードを支えるためだとか、レベル機を使っての基本ライン合わせだとか。

最初はそれだけだったのに、「これやってみろ」と言われやってるうちに半人前の軽天屋さんになっちゃった。
その当時は建築現場で本格的に作業をする女性って珍しかったから、
どの現場に入っても注目されてたわ。

ボードを下地材にビスを打ちこんで固定して壁を作るんだけど、
スクリュードライバーまたは電動ドリルという機械を使って
ビスを揉みこんでいくの。

腰袋からいちいち一本ずつのビスを取るのは面倒だし時間のロスだから、職人はみんなビスをまとめて口の中に入れてたの。
一本ずつビスを口から出して、ちゅーんちゅーんと打っていくのよ。

口にビスを入れるなんて、きったなーーーーい!
私も最初は身震いしてたんだけど、慣れてくるとやっぱり口に入れたほうが早いのね。
いつの間にかビスを口に入れるようになった。
きれい汚いより、いかに早く仕事をこなすか…を取ったの。

ビスの出し方にもコツがいるのよ。
ビスの頭…ドライバーの十字がある部分ね、これは口の中に入れたまま、とがった先を口から出すの。舌の器用さが求められるわ。
私の舌は訓練されてるのよ。そんじょそこらの女の舌と一緒にしないでね(笑)。

ビス打ちの速度が速くなって男性と同じくらいのスピードで打てるようになったら、現場内の他の軽天屋が若手を連れて見に来てた。
「すげぇ」という若手に、そこの親方が
「お前も姐さんくらい打てるようになれ」と頭を叩かれてた。

その頃からね、うちの従業員が「奥さん」から「姐さん」と呼ぶようになったのは。
工具も持ってくれるし、飲み物も買ってきてくれるし、座る場所も作ってくれた。
完全に姐さん待遇だったの。

躯体のコンクリートに軽天材を揉みこむときには、当時鉄砲と呼ばれる火薬を使った打撃銃も火薬取扱の許可書を警察で取って打ちこんでたし、高所作業車の資格も取り、溶接までやってたけれど
どうしても女の私には無理なことがたくさん。

背が低い。力がない。このために一人前になれなかった。
片手で畳一枚分の大きさのボードを持って固定するとか
天井部分のボードを一人で持って仮止めすることすら無理。
女のくせに、男に負けるのが悔しかった。
次に生まれ変わったら、絶対男に生まれたいって思ったわ。
この仕事にこだわらなくてもいいのにね。

うちの母親は私のことが嫌いだったくせに、泣いたわ。
「あんたがそんな汚い仕事させられるなんて…」と。
普段、仕事に貴賎はないと言ってたくせにねぇ。


どこの現場に行っても女は珍しかったから
「かっこいい〜〜〜」って言われたし
よく動いてたから「あそこの姐さんはすごい」ってちやほやしてもらえた。

言われて当然だと思ってたわ。
男と同じだけ働いて、帰ったら夫は遊んで寝るだけ。
私は家事。
男性がよく「休まず仕事してる」とか「遅くまで働いて疲れた」って言うけど
「そうですか〜、大変ですね」と言いながら
「ついでに家事育児もやってみな」って思ってたりする。ゴメンナサイ。
子供を実家へ預けて、朝まで徹夜仕事なんてよくあることだった。
休みなんてなかったもん。

女だからって周りにちやほやされる私が気に食わなかったのが元夫。

私も招待されてた飲み会は「来るな」っていうし、
仕事終わってるのに「先に帰れ」って言う。
家でも現場でも一言も口をきいてくれなくなり
そのうち仕事にも「ついてくるな」と言われ…
で、以前書いたように家にも居つかなくなったわけ。
こう書くと、なんてつまんない男だったのかね(笑)。


建築現場仕事は汚れるしきついし危険。3Kってほんとよ。
汚い格好で往来の人とすれ違うのも恥ずかしかったし
男と同じだけ動き回って仕事して、家事も育児もやって、事務仕事もして、寝る時間なんて3時間あればいい方だった。
屋根の上の瓦の上を小走りで走るとか、高さ10mの足場の上を走るとかよくやれたわねって思う。
今はナマケモノになってるから、絶対できない。



離婚した今でも、夫が昔の同僚や私を知る人に会うと
「姐さん元気ですか?」と聞いてくれるらしい。
それを聞くと、昔のことを思い出すわ。
ヤクザの姐さんも若手から大事にされて傅かれて
一度やったら止められない気持ちよさがあるんだろうな。

もう一度女に生まれ変わったら絶対選ばない仕事だけど、
姐さんはも一度やってみたいかも。


昔昔のお話でした。聞いてくれてありがとう。

間仕切り作り、ボード貼り替え、呼んでくれたらいくわよ。
交通費とビール代とお弁当代はよろしく♪

それから私を呼ぶ時は姐さんではなく、お嬢さんでよろしく(爆)。



イメージ 2

いつでもどこでも寝れたあの頃…


☆今日の一日一善
・「今日はお泊りだね!うれしいねー♪」と喜んで見せた。
 内心は…そうでもない。

★今日の一日一悪
・明日は通院日。雨の予報に、彼が半休取って連れてってくれるっ
 て。仕事が生きがいなのに休ませて悪いと思ってる。

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