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今日は体験レッスンに来た5歳の男の子の話をしたいと思います。
まず簡単な挨拶から始めようと思い、
"How are you ?" と聞いてみました。
するとA君はその後に続いて
"How are you ?" と聞き返しました。
"I'm very good. Thank you. "と私が答えると
同じようにA君も
"I'm very good. Thank you. "と言おうとします。
おっと・・これはまずいかも・・・
今度は動物の絵本を一緒に見ることにしました。
知っている物があったら、よく子ども達は自分で言おうと
するので、今度は何か教えてくれるかな?と思っていたのですが
黙々と絵本を眺めているので(^^;)では少し質問しようと思い、
"What's this ?"とtiger を指さして聞いてみました。
そうすると、やはりA君は
"What's this ?" とリピートします。
私が、"It's a tiger ! "というと、それに続き"It's a tiger ! "
困りました・・・。
A君は、自分が質問されていることに気づいていないのです。
まさか、これは大げさなケースでしょう?と思われる方も
いらっしゃるでしょうが、そうではありません。
実はこのように全てを「オウム返し」してしまう子ども達を私は
過去に何人も見てきました。
そしてその度に、何だか悲しい気持ちになっていました。
相手の言葉のオウム返しは、決して「自分が話したい言葉」
ではないはずなのに・・・。
中学でやった
"Everyone, repeat after me. "のイヤ〜な授業を
思い出してしまいます。
私は、"Repeat after me." が大嫌いでした。
そこには英語を話したい気持ちがあるはずもなく、
ぼ〜っと意味のない呪文を何度も唱えている気分でした。
しかし当時の私とは違い、A君はまだ5歳です。
英語を早いうちから習っているのになぜ
こんなことになってしまうのでしょうか・・・?
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■ オウム返しレッスンのツケは大きい
(先生) "It's a monkey."
(生徒) "It's a monkey."
一見、子ども達は英語を話しているように聞こえます。
ですが、いくら上手で、発音も完璧にリピートできても
英語を話せるということにはなりませんよね。
話せる=自分の意思や考えが表現できること のはずです。
なぜこういうことが起きてしまうのかというと、単純な理由です。
先生が毎週このようなオウム返しを強要しているからです。
リピートする練習は、定着を図るために私達もレッスンで行いますが
それに終始してしまうと、A君のように
リピートする=英語レッスンでしないといけないこと
と感じてしまうでしょう。
もちろんその楽しさなんて、分かるはずがありません。
「したいこと」ではないからです。
覚えた単語や表現は、実際に子ども達がそれを使って
言いたいことが言えるように、発展させなくてはなりません。
子ども達の気持ちを無視したオウム返しを続けると
後で大変なことになってしまいます。
例えば・・・
" I like lions. " を全員でリピートさせる意味は果たしてあるでしょうか?
ライオンを嫌いな子だっています。
" I have a kite." 持っていなかったら?
(今時、凧をあげる子もあまりいませんね)
" How are you ? " I'm fine, thank you." 元気じゃなかったら?
" I can play baseball." できない子がいたら?
子ども達は言いたくありません。もし言っているのであれば、
「言わされているだけ」です。
言わされるだけの言葉なんて、誰が積極的に
学ぼうとするでしょうか。当たり前のことのように感じますが、
実際に、英語を「言わされている」子ども達が存在しているのです。
早いうちから英語を習う。
それには多くのメリットがあると思います。
でも、間違った環境や教え方で、同じぐらいのリスクが生じると
いうこともあるのです。
(2005年に書いたものを編集して掲載しています)
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