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ハイどうも告知です!
「早いなオイ」
いや、これを読んでくださっている人もお忙しかろうと思いましてね!
それに戯独堂も忙しいのですよ。
「身も蓋もないっすね。っていうかなんで忙しいのさ?」
決まっているだろう! 最近ポケモン赤をダウンロードしたからだよ!
「仕事しろ仕事」
はい、というわけでお仕事です。
実業之日本社「J-NOVEL11月号」に、拙作短篇、
「日輪の孤独」
をご掲載いただいております!
で、谷津さん、こちらはどんなお話なんですか?
「はい。伊能忠敬が主人公です!」
伊能忠敬とはまた渋いところを…! あの方と言えば、中年の星みたいな方ですよね。五十になってから学問を学んで、測量にこぎ出すという……。
「ふっふっふ。実は伊能さんは、それだけのお人ではありません」
な、なんだってー!
「伊能さんという人は、若かりし頃は辣腕の名主として知られた人です。そして、どうやら自分にも他人にも厳しい人だったようで、今でいうモーレツ社員だったようです」
イマドキ、モーレツ社員とか言うか?
「いいんだよそんなことァ。いずれにしても、モーレツすぎて周りが見えない男の人が、女の人と出会って……という小説です」
おおう、メロドラマ?
「いいえ、ケフィアです(謎)」
そこでネタをぶっ込む谷津さんがよくわからん。
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「信長さまはもういない」(光文社) 大好評発売中! J−NOVEL2016.10号8実業之日本社)、小説すばる2016.10号(集英社)
に縄田一男先生より本作書評を、
サンデー毎日、毎日新聞にて歴史学者の本郷和人先生より本作書評を、
日刊ゲンダイに本作が取り上げられました。
ありがとうございます!
書評は本当にありがたいです。励みになりますね。
「はい、なんとなくむず痒いのですが」
というわけで、張り切ってライナーノーツに行きましょう!
今回は、羽柴秀吉と蜂須賀小六ですが……?
「実は本作の肝になっているのがこの二人、っていうか、蜂須賀小六さんが肝といっても過言ではありません」
そーなの!?
「はい。実は蜂須賀小六さんは拙作『曽呂利!』(実業之日本社)でも書いておりまして。そちらにおいてもかなり重要なキャラというか、軋む豊臣政権を象徴するような人物だったのですが、本作ではその軋みの前日談が描かれている形なのです」
あ、なるほど!
「曽呂利!」においては(ネタバレ含むため文字色反転)織田家に仕えているはずだった小六さんが羽柴に仕えることになってから折り合いをつけきれずにいるところを曽呂利新左衛門に突かれる、(文字色反転ここまで)っていうお話でしたね。
たしかに、本作の問題意識はまさにそこ……!
「はい。実は本作、「曽呂利!」のテーマの一部を突き詰めて成立したというお話でもあるのです」
なんてこった!
「ただ、本作は、小六の悩みを羽柴秀吉にも押し付けたところに意味があります」
ですよね。自分の主君がいきなり死んで、御家の簒奪を行なったわけですからね。良心の呵責とかいろいろあったでしょうね。
「というわけで、めちゃくちゃ鬱になっている秀吉像が出来上がりました。ただ、著者のイメージとしては、小牧長久手の戦が終わったあたりで吹っ切れたのではなかろうかと思います。根拠はないよ!」
でも、ああやって悩む秀吉像は新しいかもですね。
「どうでしょう? 英雄が悩むところなんて見たくないよ、といわれてしまえばそれまでのことのような気も」
うわあ……。乾いた発言だなあ……。
「とにかく、この二人もまた、織田家の家臣だったものが、信長の死によって翻弄されて……、という、ある意味で池田恒興さんと鏡合わせになったキャラクターではあるわけです」
へえ…。
っていうか、今回のお話、結構このお話の核心ですよね?
「どきっ」
続く。
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最近、このブログ、一切動いていないようだがどうなっているのだ?
そもそも今、「信長さまはもういない」(光文社)が絶賛発売中ではないのかね?
「はい、絶賛発売中です!」
いきなり現れたな。
で、ライナーノーツはどうしたんですか。
「ああ、ちょっと最近色々あって」
やり損ねていた、ということか!
「はい。しかも大事な告知までし損ねてます」
告知!? そうだ、このブログエントリ、「告知」になってる!
「そうなんですよ。というわけで、はいどん」
小学館 STORYBOXさん(毎月20日頃発売)にて
「しょったれ半蔵」スタートしています!
え? まさかの、連載……!?
「はい。初連載です。えっへん」
おお、きましたな! ようやく!
「はい。まさかこんなに早く連載を頂けるとは思ってもみませんでした!」
で、どんな話なんです?
「はい、主人公は服部半蔵です」
あの忍者の?
「はい。そうですね。けれど実際の服部半蔵さんって忍者じゃないんです」
ええええええ!? マジで?
「はい。あたしたちがよく知る半蔵さんは服部正成さんというのですが、彼は三河で生まれており、おそらく忍びとしての修行はしていないものと思われます。彼の父親である保長さんまでが忍者であっただろう、といわれています」
へえ…! で、その史実を生かして……。
「はい、好き放題に書いてます」
やっぱり。
「というわけで、『しょったれ半蔵』、著者が倒れたりしない限りにおいては八カ月ほど続く予定となっていますので、なにとぞよろしくお願いします!」
お願いします!
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「信長さまはもういない」(光文社) 大好評発売中!
ええと、種明かしの前にちょっとご報告。
『週刊新潮(2016.9.15号)』に『信長さまはもういない』の書評が掲載されました!
「おお、やったー!」
今回も縄田一男先生が書いてくださいました。『こんな信長物語は、これまでなかった』というお言葉を頂いております!
「いつもありがとうございます!」
さて、今日は誰のことを話すんですか?
「そうですねえ。まずは柴田権六さんでしょうか」
ああ、柴田勝家さん。この方はめちゃくちゃ有名ですもんね。
「はい、イメージからそんなに逸脱していないはずです。実はこの柴田権六は、様々な事情で世に出すことのできないテクストから抽出して形にしました」
なんかさらっと怖いこと言ってね?
「いいんだよ。この話に触れるとわたしは怖いよ?」
ひいっ! なんか昔あったみたいですね!?
「若書きとはいえあの権六はイメージとして悪くないので、流用した次第です。―-逆に言うと、本作ではあんまり権六さんって語ることが多くないんですよ。恒興さんともほとんど絡みませんしね」
まあ、そうですよねえ。
「そうそう、実は、津田信澄さんの後見人が柴田さんです。あ、これは作中でも書いてましたね」
では、次は……。
「丹羽長秀です」
うわ、来た。今回一番の問題児じゃないですか!
「どうして?」
いやだって、丹羽長秀といったら米五郎左の愛称で知られて、人格者というイメージが強い人じゃないですか。あの人をああも悪辣に書きますか?
「でもさー。信長幕下の武将たちってみんなアク強いじゃないですか。その中での“人格者”なんて、どれほどのもんじゃいと思ったんですよ」
すげえ言い分……。
「で、丹羽さんは前線での働きというよりはむしろ帷幄の奥に居て領国経営や造作なんかに辣腕を振るっているので、吏僚的なイメージで造型しています」
なるほど、石田三成みたいな。
「そうそう。信長さんって頭いい人が好きなんじゃないかなと思いまして」
でも、だからってあんなにイヤミに書かなくても……!
「うーん、それは、津田信澄さんを殺しちゃったという一点において、このお話においては割を食っちゃう運命だったんですよねー」
なんてこった。でもあれは実話なんですよね?
「ええ。実際に殺っちゃってます。信澄さんの嫁が明智の娘だったとはいえ、この殺害は丹羽さんの野心が見えちゃってるなー、という逸話のような気がしています」
でもこう、対照的な二人でしたね。
「はい、自分の仕えるべき新たな主を探そうとしていた節のある権六と、主を自らがコントロールしようと思っていた丹羽、という違いですね。そういう意味では、丹羽の方が羽柴に近いという設定です」
なるほど……。そういえば、清洲評定の件なんですが。
「はい?」
清洲評定って、あんなに紛糾しなかったという説がありますよね。
当然ご存知ですよね。
「もちろん。今一般に膾炙している清洲評定の元ネタは、江戸時代に成立したとされる川角太閤記という書物で、その中で「四宿老が次なる御世継ぎを選ぶ際、すったもんだがあって三法師になりました」という筋書きがなされていたのですが、同時代史料にこの筋書きを否定するような証言もあるのでかなり怪しいです」
でも谷津さんのこのお話では、完璧に川角太閤記のまんまですよね? なんで?
「決まってるでしょ、そっちの方が面白いからだよ!」
ええええええ!?
「だって見たいですか? 実は四宿老(この内訳にすら諸説ある)の間で既に三法師擁立ということで話は決まっていて、僅かに紛糾したのは遺領配分だけだった、みたいな清洲評定。ドラマがないでしょ」
確かにそれはそうですが……。
「というわけで、川角太閤記を全面採用した次第です」
すげえ正面突破……。
続く。
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「信長さまはもういない」(光文社) 大好評発売中!
はい、では今回からはキャラクター説明となりますが。
誰から説明を……?
「はい、まずは池田恒興の奥さんであるお応さんですね。この人が一番史実から外れた感じですから」
えええええええ。史実から外れてるってどういうこと!?
「正確には、このお応さん、本作ではチョイ役のくせに、凄く考証が厄介であると言えます。そもそもこの時代の女性にはありがちですが、本名すらつまびらかではありません」
え、じゃあ『お応』というのは?
「池田恒興さんの奥さんは史料上、”荒尾御前”や”善応院”の形で出てきます。一般に、奥さんが入道するのは未亡人になってからという場合が多いので、本作の時間軸にあっては”荒尾御前”と呼ばれていたはずです。しかし、そのままではほかのキャラクターとの名前の重さがちぐはぐになってしまうので、彼女の院号から一文字取って名前としました」
なるほど。そういえば、他の創作物なんかだと、信長に対抗した織田信行に最初嫁いでいて、本作でも出てくる津田信澄の実母という説がありますけど、本作ではガン無視ですねえ。
「実はそうしてやったほうがはるかにお話としての必然性が高かったんですが、善応院が津田信澄の母である、すなわち織田信行の妻だった時期があるというのはあまり有力説ではなく、織田信時という人に嫁いでいたという説が有力です。なので、お話の必然性ではない評価軸でもって彼女をイメージしました」
ふーん、つまり、日和ったというわけですか。谷津さんらしからぬことですなあ。
「ええ、善応院の扱いについては今後の反省点です。ただ、恒興さんと善応院さんは非常に仲のいい夫婦だったらしく、一説には間に六人も子供がいた上、恒興さんに側室がいたという形跡は今のところ見つかってません。そんな仲の良さが滲んでいるといいなあと思います」
さて次は……。
「はい、池田之助さんです」
え、もう!? メインキャラクターの一人じゃないですか!
「けれども、実はお話の中で出てくる以上に語るべきことはそう多くないんです。之助周りのことは本作を読めばわかると思います」
そうなのか……。
「ただ、恒興さんもそうですが、この之助さんも後世の史料がお世辞にも多い方ではありません。そもそもこの人、本名が「之助」なのか「元助」なのかもはっきりしていません」
ま、マジですか!?
ああでもあれか。崩し字にしたときに「之」と「元」ってめちゃくちゃ似てますからねえ……。
「実は、お子さんの名前が由之さんと元信さんと言いまして、通字(親の名前の字を一つ取って名前をつけること)からもわからないんですよ」
なんと、「之」でも「元」でも通字として通用しちゃうってことですか!
「しかも、そのあと由之さんの系譜は『由』が通字になってしまうので、なおのことワケワカメでしてな」
どうでもいいけどワケワカメ、古くないっすか。
「んなことはどうでもいいんだよ。――とまあそんなこんながありまして今一つはっきりしなかったので、比較的珍しい『之助』を選んだ次第です。実は、学者さんの間では『元助』が有力らしいんですがね」
そうなの!?
「ええ。語感で選んだということをここでゲロッておきたい」
なんてこった。
「でもまあ、『元助』ではきっと、あの愛すべき息子は生まれなかったと思うので、これはこれでアリだと思っています。『三人孫市』の時もそうでしたが、わたしのスタンスは『わかりやすさと面白さ重視』です」
言い切った!
次回へ続く!
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