谷津矢車観察日記

〜存在そのものに意味はない、意味を決めるのはこれを読んだあなただ〜

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前回の続き。

さあ、次は誰の紹介に……。

「刀月斎さんでしょうね」

なんでそうなるんだよ! もっと紹介するべき人はたくさんいるだろうが! なんでこのオッサンからなんだ!

「ある意味、このお話の主役だからだよ」

あ、まあ言われてみれば……。でもさ谷津さん、このキャラクターって、どう見ても『曽呂利!』(実業之日本社)の曽呂利新左衛門そのものじゃないですかヤダー。

「まあ、実際その通りです。彼の手により雑賀の運命が変わった。そういう意味ではある側からは災厄でしかないものをもたらしたという意味で、刀月斎は曽呂利とよく似た人物と言えます。が」

が?

「わたしが説明したいのは、むしろ刀月斎の作った鉄砲だよ!」

ああ、『愛山護法』ですね。実際雑賀孫市が使っていたらしいですよね。でもさ谷津さん、ちょっといくらなんでもあれはやり過ぎ…!

「あれはな、編集者さんとの企みの結果なのです。『もういっそのこと、三人兄弟の個性を際立てるような鉄砲だといいですよね!』と。そんなわけで、三丁の『愛山護法』が出来たわけです」

元ネタは『バ○ル2世』なのか?

「いや、むしろ『キング○ムハーツ』です」

やめろ!
でも、実際あの三丁の銃が三者の特徴を捉えてますよね。
軍略の長男には(文字色反転)二連装の銃(海)を。
武勇の二男には(文字色反転)大筒と見まごうような銃(陸)を。
狙撃の三男には(文字色反転)長筒+ラッパ型の銃(空)を。

「わたしとしては、この三人の書き分けはこの三丁によってなされたものと思っています。そういう意味でも、刀月斎は重要な人物でした」

では、次の人物紹介に…。
次は?

「藤堂与右衛門です」

お、藤堂高虎さんですね。ようやく有名人が出てきましたね。

「ええ、信長を除けば、唯一の台詞持ち有名人です」

泣けてきますね。

「ええ実に。しかし、わたしは藤堂のことが大好きなのです。もとより苦労人な上、本人の責任ではない問題で仕官が長続きしなかったんですよね。しかし後世では利に聡いイメージで語られがちの可哀そうな人」

つまり、これは谷津さん的な藤堂高虎のイメージということで?

「正確には、若手から中堅若手時代の藤堂高虎さんですね。この頃の彼は、きっと本作で描かれたような焦燥感を持っていたんじゃないかなあと思うのです」

ってことは、谷津さん、いつか藤堂を主人公に書きたいってことですね?

「どきっ」

いや、是非書きましょうよ。

「いやいや、あのう……。あ、もしこれを見ている版元さんいらっしゃって、『谷津さんの描いた藤堂が読みたい!』と思ってくださるようでしたらお声かけください!」

え、営業しやがった…。



自戒へ続く。
前回の続き。

さて、お次は誰の紹介に……?

「お次は重秀に参りましょうか!」

ようやく来たぞ重秀! 楽しみにしていたんです!

「え、なんでです?」

いえ、あれでしょう? 世間一般に言う雑賀孫市ってこの人のことですもんね! 本願寺で信長と戦ったのがこの人のはずです!

「お詳しいですね。本願寺勢力と戦ったとされる雑賀孫市はこの重秀と言われています(実は父親の佐大夫=重意説もありますが)」

でも! 不満でいっぱいだ! この人、雑賀孫市なのに! 鉄砲がヘタクソなんて! しかも何かいろいろ不憫だ!

「ええ、この不憫さたるや、通常版ドラ○もんのの○太くんに匹敵する」

なぜこんな設定にしてしまわれたのですか!

「雑賀孫市の人物像を三つに分けた際に、残り物を押しつけられた感があります。雑賀孫市の優れた軍略は義方に、鉄砲術師としての実力は重朝に吸収されて、残った『偉丈夫ぶり』とか、『雑賀鉢に魚鱗胴具足』などのイメージを彼に押しつけて……」

でも、だからって、だからって、鉄砲ヘタクソのおつむ足りないキャラにする必要はどこにも…!

「いや、彼は鉄砲は人並みなんですよ。ただ、兄や弟には劣るだけで。んで、重秀は部隊長レベルとしては極めて有能なんですよ。寡兵で信長を追い詰めてますし。ただ、義方に大局眼がありすぎただけで……」

ああ、優れた兄と弟に挟まれた悲しい男と…ほろり。

「けれど、彼の存在こそが、三兄弟を繋ぎとめていたものなのだろうなあと」

げにげに。

「では次ですね。お次は……」

ってことは、重朝……。

「土橋平次です」

嘘だあ! なんで土橋を!

「いえ、不憫つながりで……」

あ、不憫だと思ってましたか。

「ってか、土橋さんは史実ベースで既に不憫なんですよね」

ああ……。

「詳しい話は本編に関わるので割愛しますが、彼を待ち構える運命はあまりに悲しすぎますねえ。そんな運命ゆえに、人のいい、そして悩める男として描き出しました。事実、土橋は近隣の土豪たちと縁戚関係を結んで雑賀庄を守っていましたから」

なるほど、彼はある意味でこの時代の犠牲者であり、またこの時代の空気を体現する人物だったのですね。

「ええ。そして、犠牲といえば」

え?

「実はこの人、土橋若太夫というのが一般的な呼称なんですが、名前が佐大夫(=重意)とかぶってしまうので、あまり一般的ではない呼称が本作での名前となってしまいました。そういう意味でも不憫です」

また名前の話かよ!

自戒に続く。
前回の続き。

で、いつもの流れだと、これで世界観説明は終わりなわけなので、続きましては三兄弟のライナーノーツですね!

「ええ。ただし、このライナーノーツは極めてネタバレが多いと怒られましてですね。今回から、あくまで元ネタだけの説明に留めます」

え、誰かに怒られたんですか?

「ええ、脳内のわたしに」

やめろ、これ以上キャラを増やすんじゃない!

「いえね、戯独堂さんなんぞよりよっぽどいいこと言うので、戯独堂さんをリストラしてそいつを……」

まって、マジで! ってか話を進めろよ!

「おっとすみませんそうでしたね」

(よかった…)

「なんか言いました?」

いえなんでも。

「さて、まずは長男の義方さんからですかね。この方のモデルは、雑賀衆にいたとされる武将の鈴木重兼さんと、同じく鈴木義方さんです」

え? 二人をくっつけたんですか?

「ええとですね、物の本によれば義方というのは重兼の別名だと説明しているものも多いのですが、わたしは別人だと考えています。その理由については……」

やめよう、眠い話は。

「そ、そうですね。まあぶっちゃけた話、弟たちの名前が名前なので(重秀、重朝)、これ以上重○さんを増やしたくなくて、重兼=義方同一人物説を採ったという経緯です」

せ、切ない!

「なので、彼の身体的特徴の多くは重兼の逸話を採用しています。重兼さんは体が弱かったそうですから」

でも、谷津さんはその重兼さんに卓越した軍略の才能を与えて『義方』というキャラクターに仕立てたわけですね。

「ええ。本当は平和主義者だったりうじうじ悩む面が大いにあったんですが、お話の都合で大幅に削り、『体が弱い軍略の天才』という像が出来上がりました。あとは、長男特有の責任感とか、赤い陣羽織などのイメージをくっつけて彼を作り上げました」

なるほどねえ。あの義方さん、かっこいいもんね。

「ほんと? そう言ってもらえるとうれしいんだけど」

そう言っておけばとりあえず死ぬことはない…

「どうしました?」

いえなんでも。

「さて、続きましては……」

ってことは、次は次兄の重秀! 待ってました。

「いえ、三兄弟の父親の佐大夫です」

がくっ! なぜその人選!

「大好きなんだよこの佐大夫さんが! じじいLOVE!」

そうだった、谷津さん、じじい萌え属性があるんだった……。

「おかげで、『三人孫市じゃなくて四人孫市ジャネ?』と友達に言われる始末。それくらい作中で目立ったキャラでした」

いいキャラしてるけど、あの人は実在…?

「実在です。鈴木重意という人物で、やはり彼も孫市(正確には「孫一」ですが)を名乗っていた一人です」

いうなれば、先代孫市ってわけですね。

「恐らく雑賀に鉄砲を導入したのはこの人です。そういうイメージがあったのと、初期構想では義方がびっくりするくらい甘ちゃんだったので、その対比で冷酷になってしまった感のある父親です。カワイソス」

でも、なんで本名である重意ではなく、佐大夫だったんですか。

「決まってるじゃないですか。これ以上重○さんを増やしたくなかったんですよ! もし佐大夫と義方を本来の名前で呼んじゃうと、メインキャラ四人が重○さんになっちゃうんだよ! 読者さんもわたしも混乱したよ絶対! っていうか、重秀と重朝ですら混乱してるんじゃないかって不安なんですよ」

というわけで、作劇の都合で本名を伏せられてしまった二人の紹介でした。
次回(自戒)に続く!
はい、最近恒例になってきましたライナーノーツ企画です!
ライナーノーツくらいしかやることがなくなってきたこのブログ、なんか死亡フラグが立っている気がするんですけど…。

「安心してください、穿いてますよ」

いや、あんたのパンツの状況とか関係ないから。

「ちょっと忘年会の練習をな……」

嘘つけ! 谷津さん友達いないから、基本忘年会とかないだろ! それにあんた【禁則事項により削除】だろうが!

「まあね! なので、この忘年会ネタは永遠に披露されることはありえませんね!」

まったく。
ってか、本題入りましょうよ。あれでしょ? 
新刊で谷津さん初の戦国武将ものだっていう、「三人孫市」(中央公論新社) 版元さんHP AMAZONページ の紹介でしょう?

「なんか説明口調ですね」

まあな。じゃないと話が進まないんだよ!

「な、なんかすまん」

で、今回の「三人孫市」はどんなお話なんです?

「戦国武将にして鉄砲使いとして知られる雑賀孫市という男の物語です。一般的には、織田信長を向こうに回して本願寺と一緒に戦い、信長死後は秀吉のところに身を寄せて戦い、さらには関ヶ原の時にも大功を上げ……さらに最期には水戸藩に取り立てられるという人物ですね。そういえば、この人、戦国無双とか戦国BASARAなんかでもプレイアブルキャラクターだそうで」

は? なんかそれおかしくね?

「え? 何が」

いや、信長を相手に戦って、関ヶ原でも功を上げて最後は水戸藩に、って、めちゃくちゃスパンが長くないですか、この人。

「そうなんですよ! なので、この人はどうやら何人かの人の伝記が混じって一人のものと誤伝されているようなのです。なので、世上知られる雑賀孫市というのは、きっと3人から5人ほどいた実在の人物の業績を統合したものだと言われているんです」

つまり谷津さんは、その業績を分けて整理し直した、と。

「ええ。そうすることで、雑賀孫市という何ともイメージしにくい人物を肉付けしていった次第です。でも、おかげで雑賀孫市が根を張っていた雑賀庄という地域の面白さも浮き彫りになったかなと」

雑賀庄の面白さ?

「ええ。あの地域は全然米が取れないんですよ。なので、米以外の手段で稼がなくちゃならなくて、海運で儲けていたんですよ。んで、その儲けをバックにして大名とは距離を置いて好き勝手やっていたところ、新兵器である鉄砲を手に入れて一気に戦国の世に躍り出たという経緯の地域なんです。ある意味で忍者的ですし、またある意味で戦国時代的と言えます」

でも、大名がいたのにあんまり…ってことは、強烈なカリスマがいなかったってことですよね?

「おお、まさしくです。カリスマ、って言っちゃうと語弊はありますが、要は権力が一か所に集まらないまま信長・秀吉という巨大な権力に挑みかかってしまった構図なのですね」

はあ……なんかわかったようなわからないような。

「まあ、私事で恐縮ですが【禁則事項のため割愛】」

おい、禁則事項多すぎだろ!

「言えないことが多いんだよ! 特に今回は!」


というわけで、次回に続く!
ここんところ、マジで仕事の話ばっかりだがどうなっているのか。
わたしの存在理由はどこに……。

「そんな哲学的命題など要らんと思うが」

ああ、どうも谷津さん。なんだかお忙しいようで何よりですね。

「なんか当てこすりに聞こえるのはわたしだけか」

そう聞こえたのならそうなんでしょうよ。
で、新刊が出たんでしょ? さ、はやくちゃっちゃと紹介しちゃってくださいよ!

「なんか怖い……。でもまあ分かりましたよ、はいどん!」

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「三人孫市」(中央公論新社)
     版元さんの公式サイトはこちら
     AMAZONページはこちら

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「既に発売いたしております! なにとぞ!」

ほうほう、あれ、もしかして谷津さん、初の戦国武将ものですか?

「はい。既に歴史小説・時代小説分野にお世話になって三年あまり、単行本文庫本合わせて9冊目(単行本文庫化含まず)にして初めてです」

ええ、マジかよ。

「ずっと逃げ回っていたのですが、ついに捕まってしまいましたとしか言いようがありません」

しかし、なんで今になって……。

「いえ、中央公論新社の担当氏と一緒に色々と検討するうちに、わたしの味を生かせそうな人々にぶち当たったんですね」

それが雑賀衆だったと。
次回以降、色々ここで反省会をやるとは思いますが、それにしてもまた……。なんともアレな。

「ええ、今回のこの小説のテーマは、”ポケットの中の戦争”です!」

おいー! なんかそれどうなの!

「まあまあ」

こほん。
それはそうと谷津さん、もう一つ皆さんにお知らせすべきことがありますね。

「え、あ、ああ。賞に落ちてました」

おい。ざっくり過ぎるだろうが!
ええとですね、実は文芸春秋さん「オール読物」主催の『本屋が選ぶ時代小説大賞』という賞に谷津さんの「曽呂利!」(実業之日本社)がノミネートしていたのですが、賞は逃しましたということです。

「力が足りず申し訳ない」

いやいや、相手が悪すぎますって。本賞は歴史・時代小説作家の中でもビッグネームが揃う賞でして、フツーに直木賞候補経験者の方とか直木賞受賞者などが受賞する感じの賞にございますから……。

「とは申せ、お世話になっている方に対しては『受賞できず申し訳ない』としか言いようがないわけで」

まあ、実際その通りですわな。

「ええ。わたしの作風から逆算するなら、面白さの一本槍でねじふせるものを書かねば受賞はありえません。そういう意味では、わたしはまだ小説というものに向き合い切れていないということに他なりません。面白いものを書くしかありませんね」

そういうことですね!

「というわけで、今後とも面白いものを追求していきますので何とぞ!」

お引き立てのほどを!

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