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ほう、「真田丸」、超面白いっすね。
あ、どうも戯独堂です。あまりにやることなさ過ぎて今や読書&テレビっ子コースをたどっていますよあっはっは。
「あっはっはじゃないぞ。太るぞ」
それもこれも君のせいではないか谷津さん。
それにしても、ずいぶん久しぶりにここに来ましたな。
「ええ、二月は吹っ飛ばしてます」
まったく、コンスタントに更新とかできないのかね君は。せっかく専業になったのだろう?
「しかし、このブログのために専業になったわけではないし」
一本取られたぜ…(ごくり)。
で? 今日は何の用なんですか? って、ああ。大した話題じゃないじゃないですか。『30になる』? 『作家業4年目に突入する』? んなもん心の底からどうでもええわい。
「やめて、谷津さんのライフはもうゼロよ!」
くっくっく。
「いや、でも、この二つはわたしにとって大きな筋目でありますよ。まず、四年目に突入する(わたしのデビューは2013年3月20日近辺なのです)というのは、それこそ皆々様のお引き立てのおかげでございまして。それこそ作家の世界は三年居続けるまでが大変とは常々聞いておりましたから……!」
確かに、そこはありがたいことですねい。丸々三年、作家として活動させていただいた裏には、それこそいろんな方の応援あってこそ。
「それに、わたしにとって『30歳になった』というのは大きな筋目です。
デビュー作の時に文芸評論家の縄田一男先生に評していただいた『二十代最強の歴史小説家』という余りに重い肩書が、これをもって消滅したわけです。そんなわけで今のわたしはただの人です」
その割、谷津さん、清々しい顔してますね。
「ええ、この三年間、『二十代最強』の肩書のおかげでいろいろ勉強をさせていただきました。この三年間は、きっと次の三年間のわたしを照らすカンテラとなることでしょう。少しさびしくはありますが、新たな二つ名を頂けるように頑張ります」
そうですな。それがいいです。
「ときに」
ん?
「新しい二つ名を考えてみたのだけれど、聞いてはくれないものか」
いいけど……。猛烈に嫌な予感しかしない。
「『エターナルブリザード』」
はい?(仏の顔で)
「いえですから『エターナルブ』」
何卒、四年目の谷津さんもよろしくお願いいたします!
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観察日記
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さて、年をまたいで(そしてトラブルをまたぎつつ)進めて参りました「三人孫市」(中央公論新社)ライナーノーツ企画。これにて最終回にございます。
「ついに最終回か」
そう。長い言い訳もこれで最後ということだ。
「なんたることだ。このテクストに関しては言い訳したいことがたくさんあるぞい。たとえば……」
すとーっぷ! とりあえず黙るがよろしい。
「はい……」
んでだ、残るキャラクターは二人だな。
まずは、今回のヒロイン・さやだが……。
「モデルは、義方(重兼さん)に嫁いだと言われる土橋の娘(名前は不明)と、青森の昔話、『赤神と黒神』に出てくる女神様です」
え、なんでいきなり昔話から?
「ええ、わたしぁね、この女神様が大っ嫌いなんですよ!」
えええええ!?
「詳しくはリンク先をご覧いただきたいんですが、最初から最後までこの女神様は自己主張をしないんですよ。にもかかわらず、男(正確には男神)二人をたぶらかし、あまつさえ争わせ、結局は負けた若い男についていく。これぞまさに鬼畜の所業ッ…! ッ…!」
あの谷津さん、顔芸しても画面の向こうの人には通じないからね?
「失礼。とにかくあの女神様の曖昧さっていうのは、ある意味女性の恐ろしさだなあと思った次第。それで、人物造形の一部に使わせてもらっています」
女性への恨みつらみがさやに結実していると。
「そして、ある意味、戦国の女性はああ生きざるを得なかったのかなあとも思います。そういう意味では、『赤神と黒神』の女神様もまた、そういう風にしか生きられなかったのかもしれませんね」
おお、なんか谷津さんが大人になった!
「しかし、このさやの存在によって、三兄弟が微妙にすれ違うことになりました。そういう意味では(鴉様の巫女という属性も含めて)このさやは雑賀という場所を彩る人物だったともいえましょう」
なるほどねえ。
そして次は、当然重朝となるわけですが。
「重朝は実在します。どうやら重秀について雑賀庄から出ていたようですが、秀吉の天下統一あたりから重秀の名前が消えて重朝の名が頻出するようになります。なので、重秀は秀吉の天下統一事業を見届けたあたりで死亡し、弟が重秀の跡を襲ったと考えられています(なので、重朝を重秀の子とする説もあり)」
あれ? でも本作では重秀の死亡タイミングが早くね?
「ああ、本作では重朝が重秀の名を名乗っていたという裏設定があります」
今更裏設定とかあり!?
「ちなみにこのあとの重朝は歴史上大活躍するんですが、まあそれはそれ」
あ、あえて書かないやつですね。
「あえて書きません。ちなみに重朝のモデルは実際の重朝。あとは藤田和日郎先生の『邪眼は月輪に飛ぶ』のミネルヴァです」
おい! ミネルヴァって梟じゃねえか! 人間ですらねえのかよ!
「はい。ミネルヴァの『こいつどうしよう……』感が大好きでして。しかし、なぜかわたしが書くと可愛らしくなっちゃいましたね」
うん、多分(以下文字色反転)結局彼が恋に生きた人だからだと思うんですよ(反転ここまで)。
「不憫な奴だ。馬鹿な女に引っ掛かったとしか」
おい、最後の最後までさやをdisるのかよ!
「まあな。――ああそうだ。あと、重朝のイメージの多くに、他の雑賀衆たちのイメージを加えています」
他の雑賀衆?
「ええ。実は雑賀衆で有名だったのは孫市だけではありません。不思議な二つ名を持った鉄砲使いたちがたくさんいましてね。彼らの逸話を重朝に採用しているパターンが多いです」
つまり、彼のチートっぷりは他の雑賀衆たちのおかげと……。
「ああ、しかしながら、彼らの数があまりに多くてな。収拾がつかなそうだった上、作者でさえこんがらがりそうだったから、すべてリストラしました。すまない、異能の雑賀衆たちよ…」
そういえば、第二章で「佐武」ってやつがいましたが、もしかしてあいつは…。
「第二章で、重朝と重秀が櫓の上で銃をぶっ放しまくっていたじゃないですか。あの逸話における本来の主役です」
そういうことだったのか…。
というわけで、これにて「三人孫市」のライナーノーツはおしまいです。
是非、よろしくお願いいたします。書店などでお見かけの際にはぜひ!
「なにとぞ!」
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前回の続き。
さて、前回までであらかたの登場人物を紹介しちゃったわけですが、ってことはついに、今作の問題児たちの紹介に…?
「は、何言ってるんですか。まだいるじゃないですか」
は? いましたっけ?
「いるじゃないですか。信長と秀吉」
え!? あの二人も紹介するんですか!? あんなチョイ役なのに。どうして!?
「どうしても何も、本作のコンセプトを体現する人々だからに決まってるじゃないですか」
どういうこと…?
「まずは信長の説明から行きますか。
皆さんが信長という人物をどうとらえているのかわたしには分かりかねますが、わたしは信長という男を地方領主の一人と捉えています」
いきなりすごい宣言ですね!?
信長といえば足利義昭を追放してからというもの、朝廷を上手く操りながら新たな政治体制を模索していたというイメージが強いんですけど…!
「ええ。政治史的な意味ではそうでしょう。でもまあ、後に続く秀吉と比べてしまえば、過渡期を生きた人、ないし地方領主の一人で終わってしまった、というのがわたしの感想です」
はあ、お前がそう思うんならそうだろうな(以下略)ってな話ですが。
「ともかく、そんなわけで、信長は雑賀衆にとって“一矢報いることが出来るかもしれない”というくらいの隙を持った人物として造形しています」
ああ、確かに、雑賀の三兄弟のライバルは誰だ、ってことになると、信長ってことになりますね。
「ちなみに今回、信長の登場シーンがかなり多いのは、担当編集者さんのラブコールです。デビュー作(洛中洛外画狂伝)で書いた信長に痺れたんですって」
ほう、信長の登場が多かった裏にはそういった事情が……!
んで、それとは対照的に、名前以外まったく登場しなかった秀吉ですが、なぜ登場人物に数えているんですか!?
「秀吉が名前以外まったく出てこないことこそが、本作のコンセプトを体現しているからなんですよ」
え? どゆこと?
「あのですね(以下文字色反転)信長の時代は、まだ雑賀衆は相対的に天下に伍していける立場だったんです。しかし、時代が変わり秀吉が台頭してくると、もはや雑賀はただの一地域になってしまったんです。なぜなら、秀吉は天下人だからです。天下が統一されていくということは、とてつもなく強い権力があまねく天下に降り注ぐということです。時代は変化していてそれに気づいていないわけではないのに、それでも雑賀衆は戦わねばならなかったんです。その悲しみみたいなものを提示するために(文字色反転ここまで)あえて秀吉を登場させませんでした」
へえ…。難しい話だな。
「まあ、メインテーマみたいなものですから」
というわけで、自戒に続く!
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年末、ですなあ……。
あ、どうも戯独堂です。何かここのところこのブログも騒がしく、とてもじゃないけど観察日記などUPできる状態じゃなかったので、ひたすら酒を飲んでましたよHAHAHA。
まあ、のんびりとした年末でしたよ。
「ほう、お前はいいなあ」
来たな、平成お疲れ男!
「実際、疲れてます。っていうか、コラムの仕事が終わってない……。まあ、1/12締切なんで、まだ平気ですけど」
それ本当なのか。
「何とかなると思うぜ…!」
なんか全力で死亡フラグを立てている気がするけど、まあいいや。
んで、今年も終わりますねえ谷津さん。
「ええ、今年も割といい年でした!」
そうですねえ。拙作「曽呂利!」(実業之日本社)は「蔦屋」に続いて二年連続で賞にノミネートしたり『この時代小説がすごい!』でもベスト10に入ったりの大活躍ですしね。
「それに、文芸誌にも短編掲載していただきましたしね」
おお、それはデビュー以来毎年一本以上、って目標を掲げてますもんね。ええ、よかったよかった。
「まあ、よくないこともありまして、読者様にご迷惑をおかけしちゃったので、ウハウハとしているわけにはいきませんけどね」
まあ、そうですなあ……。改めまして、その件ではご関係方々にご迷惑をおかけいたしました。
「まったくです(土下座)」
さて、今年のまとめはこんな感じでいいのではないでしょうか。
さあ谷津さん、来年はどうします?
「とりあえずダイエットしないとなあ……。来年は専業になるわ結婚するわでいろいろ大変なわけだけど」
え? 谷津さん、今なんて?
「ダイエットしなくちゃって言ったんだけど」
じゃねえよ、専業になるとか結婚するとかどういうこと!?
「言ったままですよ! わたし、専業作家になるんですよ! んで、結婚もするの!」
えええええええええ! リア獣が!
「リアル充実の獣」
うぜえ、そのドヤ顔を吹っ飛ばしてえ…!
「でもまあ、そんなこんなありますので、来年も今まで以上に頑張らなくてはなりません。それこそ、来年の頑張り次第でわたしの家庭での位置づけが決定してしまうのでね…!」
怖い! それマジ怖い!
「そんなわけで、来年の抱負は『サヴァイヴ』ですね」
毎年それ言ってますけど、今年ほど生々しく感じることはないよ!
「そんなわけで」
良いお年をお迎えくださいませ。そして……。
「こんな糞野郎ではありますが、来年もなにとぞよろしくお願いいたします!」
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前回の続き。
さあ、次は誰の紹介に……。
「刀月斎さんでしょうね」
なんでそうなるんだよ! もっと紹介するべき人はたくさんいるだろうが! なんでこのオッサンからなんだ!
「ある意味、このお話の主役だからだよ」
あ、まあ言われてみれば……。でもさ谷津さん、このキャラクターって、どう見ても『曽呂利!』(実業之日本社)の曽呂利新左衛門そのものじゃないですかヤダー。
「まあ、実際その通りです。彼の手により雑賀の運命が変わった。そういう意味ではある側からは災厄でしかないものをもたらしたという意味で、刀月斎は曽呂利とよく似た人物と言えます。が」
が?
「わたしが説明したいのは、むしろ刀月斎の作った鉄砲だよ!」
ああ、『愛山護法』ですね。実際雑賀孫市が使っていたらしいですよね。でもさ谷津さん、ちょっといくらなんでもあれはやり過ぎ…!
「あれはな、編集者さんとの企みの結果なのです。『もういっそのこと、三人兄弟の個性を際立てるような鉄砲だといいですよね!』と。そんなわけで、三丁の『愛山護法』が出来たわけです」
元ネタは『バ○ル2世』なのか?
「いや、むしろ『キング○ムハーツ』です」
やめろ!
でも、実際あの三丁の銃が三者の特徴を捉えてますよね。
軍略の長男には(文字色反転)二連装の銃(海)を。
武勇の二男には(文字色反転)大筒と見まごうような銃(陸)を。
狙撃の三男には(文字色反転)長筒+ラッパ型の銃(空)を。
「わたしとしては、この三人の書き分けはこの三丁によってなされたものと思っています。そういう意味でも、刀月斎は重要な人物でした」
では、次の人物紹介に…。
次は?
「藤堂与右衛門です」
お、藤堂高虎さんですね。ようやく有名人が出てきましたね。
「ええ、信長を除けば、唯一の台詞持ち有名人です」
泣けてきますね。
「ええ実に。しかし、わたしは藤堂のことが大好きなのです。もとより苦労人な上、本人の責任ではない問題で仕官が長続きしなかったんですよね。しかし後世では利に聡いイメージで語られがちの可哀そうな人」
つまり、これは谷津さん的な藤堂高虎のイメージということで?
「正確には、若手から中堅若手時代の藤堂高虎さんですね。この頃の彼は、きっと本作で描かれたような焦燥感を持っていたんじゃないかなあと思うのです」
ってことは、谷津さん、いつか藤堂を主人公に書きたいってことですね?
「どきっ」
いや、是非書きましょうよ。
「いやいや、あのう……。あ、もしこれを見ている版元さんいらっしゃって、『谷津さんの描いた藤堂が読みたい!』と思ってくださるようでしたらお声かけください!」
え、営業しやがった…。
自戒へ続く。
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