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「17歳のカルテ」 監督 ジェームズ・マンゴールド 主演 ウィノナ・ライダー
自らの精神病棟入院経験を綴ったスザンナ・ケイセンの「思春期病棟の少女たち」の映画化作品。
境界性人格障害のため精神科に入院したことがあるウィノナ・ライダーが映画化権を買い取り、主演もしています。
(あらすじ・・・Wikipediaより引用)
ある日突然、薬物大量服用による自殺未遂を起こして精神病院に収容されたスザンナ(ウィノナ・ライダー)。人格障害という自覚が無く、その環境に馴染めなかったスザンナだが、病棟のボス的存在であるリサ(アンジェリーナ・ジョリー)の、精神病患者である事を誇るかのような態度に魅かれていく内に、精神病院が自分の居場所と感じるようになっていく。
しかし退院した友人の近親姦を喝破してその患者を自殺に追い込むというリサの行動から、徐々に彼女の行動に疑問を持つようになって行く。だがその事でリサに疎んじられ、他の患者も全員リサに同調して彼女は孤立する。
やがてリサや他の患者との全面対決に至るが、その出来事によってスザンナは「リサはここ(精神病院)でしか生きられないからこれだけ強気な行動に出られるのだ」と気づき、自分は社会復帰を目指さなくてはならないと決意し、退院したところで映画は終わる。
(以下やっ太郎文)
境界型人格障害であるスザンナは「大切な人に見捨てられてしまう不安」から、自らが理想化した大切な人を振り向かせようとするメッセージとして、自傷・ドラッグ・性行為を繰り返しています。
映画中スザンナは退院した友人の本物の死を目撃した為に、これまでの自傷がむなしいものだと感じる様になり変わっていきます。しかし僕にはこれは「健常者」が作ったエピソードではないだろうかとそこだけ異質に感じられます。
衝動的なあてつけ自殺なら理解できますが、己の全存在をかけて相手の心を確かめようとしている人にとってそれがどれほどの意味を持つでしょう。
もし何か変わるとすれば、それは安心できる何かを見つけたときなのではないでしょうか。
そして原作である「思春期病棟の少女たち」でも友人の自殺については、伝聞として軽く触れていますが、やはりあまり重要性を持たされていません。
また映画では境界型人格障害を青春における通過儀礼のように描いていますが、ウィノナ・ライダーは平成13年12月12日万引きと薬物不法所持で逮捕されており、その後も事件にはならないまでも万引きを繰り返しています。
無論原作の著者のように社会生活に適応していく方もおられますが、この映画の楽観的にすぎる(と僕には感じられる)傾向は、その生きづらさから脱却できなかったウィノナ・ライダーの切なる願い、もしくは同じ状態に苦しむ人達に対する希望のメッセージであったかもしれません。
にもかかわらずこの映画が名作であるのは間違いありません。
なんと言ってもウィノナ・ライダー演じるスザンナには、無垢な魂、ひたむきさ、傷付きやすい精神の輝きを見いだすことができますし、そしてアンジェリーナ・ジョリー演じるリサの迫力は一見の価値ありです。
引き込まれますよ。
というわけでお勧め!
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