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 小説「満天の星空」第3章
 
 私は(何という連中だろう!人をからかうにも程がある。夫婦のような二人が・・他人の前で肌を拭いたり、拭かせたり・・・他人の大事な部分にキスする女・・・まったく、異常な連中なんだ!)と声にならないピアニシモの音を発し、服をとりに走ったのでした。
慌てて、服を着ると、俊介さんの呼びかけにも応えず、(もう、二度とくるものか・・)独り言を発しながら、ホテルに戻るべく、ただひたすら走ったのでした。
イメージ 1 その夜は、1階のレストランの横にあるBARでひどく酔って、部屋に戻った時には、バスルームに駆け込み、自分の馬鹿さ加減にあきれつつも、何度も何度も戻したのでした。
異常とも思える二人を親友とまでに考えていた自分を嘆き、その夜も昨夜以上のいたたまれない気持ちになったのでした。そして、俊介さんに対しては、敵意に近い感情を覚え、本当に我侭な夫、何だか許せない感情が浮かんでは消え、また浮かぶのでした。
 瑛子さんに対しては、今までと違い、悪い夫に従う従順な妻、自由を奪われ為ゆえに美しく悲哀を持った眼差しを私に送るのだと・・思い、逆に優しく愛おしく感じられたのでした。
 あれから二日間、私は外出することもなくホテルで過ごしました。しかしながら、考える事といえば二人のことでした。そして、瑛子さんのことでした。美しい髪と乳房、細い裸体がカルフォルニアの眩しい光に映えて、金色に輝いて、私の頭の中を何度も透りぬけていきました。また、静かに刺繍するときの眼差し、目を伏せがちに器用に針をくぐらせる仕草、睫毛の重なりの何れもが私を捉えていたのでした。・・・・続く
小説「満天の星空」第3章 2
 
 瑛子さんは、私の方を向き、何とも涼しい眼差しを注ぎ、その後こう言いました。
「昨夜、兄と私で話したの、兄は詰まらないこと言って貴方の気分を壊してしまったのではないかと・・・もう、貴方の姿を見ることが出来ないのではと心痛めていましたの、どうか、また、兄に面白いお話をしてあげてくださいませ。」
私は床の方に目を落としながら聞いていました。
 瑛子さんの声は、とても美しく私の耳から頭上の方へと響いていました。私は、
「外へいきましょう!カリフォルニアの青い空の下でお話しましょう!しゅんすけさん」
と俊介さんを誘いました。
 私たちは二人で広い河に向かって歩いて行きました。瑛子さんは刺繍をしあげると言うことで残りました。私たちは河原まで行き、大きな岩の上に腰を下ろし話し出しました。
 私は牧場の奥に拡がる実に美しい風景に目を奪われてしまいました。河は渇水のためか、河幅より流れが少ないような気がしましたが、それでも、対岸までは数百メートル以上あるようでした。その流れは実にゆったりと流れ、日本に居たときと時間の過ぎ方も違いがあるように感じるのでした。
 俊介さんと私は音楽の話では、多少意見の違いは感じたものの、お互いの意見を尊重しあうことができたようでした。私たちの若々しい言葉の数々は、互いに自由に流れ出し、時に物思わしげに、時に熱を帯びた時もありましたが、後から思うと、殆ど曖昧な話でありこれと言った結論だったものもなかったような気がしました。
 俊介さんは突然思い立ったように河に向かって走り出し、衣服を11枚脱ぎ全裸になって河に飛び込んでいきました。そして、私の方を振り向くと、いつものにこやかな顔をして、手招きしながら、私にも来いと言うのです。
 そのとき私はどういう訳か、その気になってしまいました。きっと今までにない自然の力から河が私を呼んでいる気がしたのでした。広い河に、大きな青空がひろがり、雲ひとつない澄み切った空を水面が鏡の様に映しだしていました。
 水面から上半身を出してる俊介さんの身体も、流れ落ちる水滴が明るい太陽の光で、まるでダイヤモンドのように輝きました。私も俊介さんがしたように、走りながら衣服を一枚づつ脱ぎ、飛び込みました。私たちはしばらく泳いでいましたが、疲れたので河原の水際で休んでいました。
 そのとき、遠くから声がしました。瑛子さんの声でした。俊介さんと私の名前を呼びながら、その声は、確実に、近くに、はっきりと私たちのそばまでやってきていることが分かりました。私は、一瞬たじろき、どうしようかと慌てました。何故なら、自分の衣服は途中で脱ぎ捨ててあったからでした。
 俊介さんは平然と歩きながら、手を振って
「瑛子、おまえも来ないか?とっても気持ちいいぞ!」
そう言ってそばに行きました。そして、こちらを振り返って
「Mさん、あなたも早くこっちへきなさいよ!」
と言いました。私は、後ろを向いたまま、小声で
「ええ、でも・・・・」
と言うと俊介さんは、
「恥ずかしがらなくていいよ」と言い、私はしばらく考えていました。そうして、顔だけ俊介さんの方を振り向くと、古めかしいドレスを脱ぎ、そのドレスで俊介さんの身体を拭いていました。その光景は、今まで見た瑛子さんの姿の中で、一番女らしくもあり、また、衝撃的でもありました。私はその姿を見て、二人は兄妹でなく夫婦のような関係なのだと悟りました。何だか急に、つれなく重い気持ちになったのでした。
それで、私はもう1度水の中に飛び込んだのです。なぜだか河の水は温かく、塩辛いような感じを覚えました。
 私が再び岸まであがると、二人は岸辺にたっていました。俊介さんは、まだ全裸のままでした。瑛子さんは下着1枚でした。手には白いあの古めかしいワンピースの様なドレスを持っていました。私は、もう決心し二人の方へ歩いて行きました。
 私が俊介さんの前に立つと、瑛子さんはそのドレスで私の身体を拭こうと身体をかがめました。足の方まで拭いてくれました。その動作は、まるで動物が我が子を舐めるような優しく温かみを感じるものでした。丁寧に拭いてくれる度に瑛子さんの温かい肌が私に触れるのを感じていました。
 俊介さんは、少し微笑みながら、
「どうしたんですMさん?」
そう言って、瑛子さんと私の方を見ています。瑛子さんは、私の部分を最後に拭きながら
「きれいなひと・・・」と
一言言って、私の唇に口づけしました。
俊介さんは、にこにこしながら
「そうやってると二人は恋人同士だね・・」と言いました。
 ・・・続く・・・イメージ 1
第3章 1
 その日、私は昼まで朝食もとらずベットに身体を横たえていました。朝から悶々として考えた末、また、二人を訪ねることにしたのです。私のこころの中では、俊介さんと話し合う為だと言い聞かせていたものの、その片隅では、瑛子さんが、今日、いったいどんなことをするのか、どんな顔をして、また、どんなことを話しかけてくるのかとても気になり、興味があったのです。私はカウンテイフェアーのやっている公園までバスを使い、公園から宿にしている農家の牧場まで、歩いて行きました。
そうして、私は二人がいる家に入って行きました。二人は客間におり、モーツアルトのレコードを聴いていました。瑛子さんは、なにやら今までと違って刺繍などしていました。あの、独特の鼻歌まじりでなく、ひっそりとしており、ただただ黙々とやっているようでありました。何だかアンテークのような古めかしい衣装で髪を後ろにまとめ、とても、落ち込んでいるように感じました。
 俊介さんは、目を閉じ椅子に深々ともたれ身を沈めて、音楽に聴き入っていました。
私は、二人のさびしそうな様子を見て、昨日の夜の空想と混じり合って何だか意外な、そして可愛そうな複雑な思いに駆られましたが、傍らに行き、思い切って声をかけました。
「我が親愛なる友よ、外はほら、あんなにも素晴らしい天気じゃありませんか!ごらんなさい・・・。」と、前に俊介さんがやったように、少しおどけた感じで言いました。
俊介さんと瑛子さんは驚いた様子でした。私は、こんな感じで歌うように動作を入れて言うミュージカルのような言い方をしたのは初めてで、精一杯の演技でした。
 瑛子さんは私の方を向いてにこやかに微笑みました。
「やあ、あなたでしたか・・。今日は来て貰えないって思ってました。貴方に来て貰えて本当に嬉しい、瑛子もあなたのこと気にしていました。いやーよかった。ありがとう!」
そう言って私を抱きながらたいそう喜んで向かえてくれました。
 
・・・つづく・・・イメージ 1
小説「満天星空」第2章 8
 
  私は、二人の前を軽く会釈し通り過ぎ、奥さんの車の所まで行きました。俊介さんは、
「Mさんがお帰りになるようだ・・。瑛子、行ってやりなさい。挨拶し たいようだ。」
と私の方をさして言いました。瑛子さんは、
「本当?・・それならその花、あの方にあげて・・・私・・すぐ・・」
と言ったかと思うと部屋の中に駆けていきました。俊介さんは、赤い顔をして、少しよたついた感じで、私の所へやってきました。そして、花束を渡しながらイメージ 1
「これは、プレゼントだよ・・。じゃあ、また!・・」
 私は黙って受け取り、会釈だけして車に乗り込みました。途中、奥さんが私に何か色々話しかけて来ましたが、何を聞いてきたのか、何を答えたのかよく覚えていないのでした。
ただ、丁寧に礼を言って、すぐに部屋に戻りベットに潜り込み、
 「いったい俺はなにをしてるんだこんな所まで来て・・」と叫んでは、何とも耐え難い重苦しい、胸の痛みを感じ頭を抱えて横たわったのでした。
次第に落ち着き天井を見上げてると、ふと、俊介さんの言葉がよみがえって頭の中をめぐりました。
「俊介さんの話は嘘ばかりだ!でなきゃ、瑛子さんが俊介さんに花束を捧げることはしない。きっと瑛子さんの心の中には俊介さんしか住んでいない、・・・いや、・・それに・・
兄妹っていうのも信じられない・・・。」と声にならないままバスルームに駆け込み、シャワーのバルブを開いたのでした。
着替えて、ベットに入ったものの、横になったり、起きたり、何をしているのかも分からず夜があけていったのでした。窓からみえる景色は変わらない筈なのに、昨日のすがすがしい景色にはとても同じようには感じませんでした。・・続く・・・
小説「満天の星空」第2章 7
 
私たちはその後宿に戻りました。広い庭で昼食をとったのでした。 俊介さんはお昼からビールを何杯も飲んでいました。私も少し飲みました。すぐに顔が赤くなったようでした。俊介さんはかなり酔いがまわってきているようでした。瑛子さんの前に来てグラスを軽くあげながら、大きな目を細め、少し含んだ笑みを浮かべて
「あなたのこころを支配している女性に乾杯!」
「うーい、夜ごと夢に出る女性に!」
と言うのでした。
すると瑛子さんが私を見て
「まあ、そんな方がいらっしゃるのですイメージ 1・・?」と出し抜けに聞くと
「そりゃ誰にだっているさ」
俊介さんは返しました。
私は何も答えぬまま、突然のことでただ沈黙していると、瑛子さんは、一瞬ふと考え込んだ様子でしたが、すぐに元のように笑って小さな声で歌を歌いながらスキップし部屋の中に消えて行きました。
俊介さんは、
「あいつは、ねんねだから、大目に見てやって下さい。」
と言いながら笑っていました。
 私は体中が熱くなり、腹立たしくもなりました。俊介さんは、また、ビールを飲んで
つぎつぎに瑛子さんについて話しました。
内容は、私にとっては余り聞きたくない内容のものばかりでした。わがままであるとか、少し気がおかしいとか、男の人に興味が強すぎるとか・・・。
私は耐え難くなって中座し、瑛子さんに一言礼を言って帰ろうと思いました。
瑛子さんの姿は見えず、奥さんに聞くとカウンテイへ行ったとのことでした。私は歩いてでも帰るつもりで奥さんに道を尋ねました。
奥さんは、もう少し待ってなさいとカウンテイの方から街に行く用事があるので送ってあげるとのことでした。俊介さんは、眠っています。
 私は奥さんの言うように、瑛子さんの部屋で窓の外を見ながら待っていました。すると、瑛子さんが赤いバラの花束を抱え帰って来ました。そして、寝ている俊介さんを揺り起こしながら赤いバラの花束を渡しているのでした。
 私はその光景を見て、一層悲しい気持ちになったのでした。私は一刻も早くホテルに戻りたいと感じ少しふらつきながらも奥さんの車の方へ急いだのでした。 続く

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