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夏真っ只中ですね。 暑さは厳しいですが、 ペナントレースも佳境に入り、まったく気を抜けません。 ピッチャーというのは、 基本的に普段から肩を大事に扱っています。 カバンは利き手で持たないですし、 重いものは反射的に利き手ではない方で持っています。 今回は、投げる前の準備について少しお話したいと思います。 試合前、うちのほとんどのピッチャーは、 チューブを使って関節や中の筋肉を動かす準備運動をしてから、 キャッチボールやブルペンなどの投げる運動に入っています。 強制的にやらされているわけではなく、 選手たちがチームのトレーニングコーチや パーソナルトレーナーなどから そういう運動がいいというのを聞いてきて、 自主的にやっています。 この運動は、プロの選手だけでなく 一般の人たちにも必要な準備だと思います。 中の筋肉というのは意識的にやらないと鍛えられないものですし、 きちんと準備運動をすれば怪我も防げます。 怪我を少なくして野球を続けるというのが重要です。 それなりに年齢が上で草野球をやっている人たちには、 ストレッチは必須ですね。 子どものように体が柔らかくないので、 きちんとストレッチをしていないと怪我につながります。 投げる、打つ、走ることももちろんですが、 それ以上に準備運動を大事にしてください。 僕がプロだった時代は、 試合だからといって食事のメニューを 調整するようなことはあまりありませんでした。 現役の最後のあたりから、 ようやく効果的な食事や栄養の取り方に 気を遣うようになってきた感じです。 せいぜい登板前はパスタばっかり食べて、 終わったあとに消化のいい肉、 ハンバーグや煮込みものなどを食べるという程度でしょうか。 まして子どもの頃は、 親が作ったものをちゃんと食べるか、 せいぜいリトルリーグの監督さんから 「骨を丈夫にしろ」と言われて、 おやつが全部煮干だったというくらいでしたね。 サプリメントなんて、まったくなかった時代です。 ですから、僕らの時代には、 試合の何日前には何を食べなければいけないとか、 何を取り入れたほうがいいと言われることは ほとんどありませんでした。 今では、食事や栄養に関する情報は豊富にありますし、 専門家と言われる人に聞けばなんでもすぐに答えてもらえます。 その気になれば、いろんなことが取り入れられる時代です。 うちの選手でも、 食事に対して意識を強くもっている選手は、 いいと言われていることを徹底してやっていますし、 そうでなくても、 登板の日だけでもちゃんとやっておこうとしていますよ。 僕らプロは、コーチが何から何まで指導するわけではありません。 自分がいいと思ったことは、 自分で取り込んでいこうとしなければ 誰も手助けはしてくれません。 みなさんも、言われることだけでなく、 ピッチング以外にもためになると思ったことを、 自分なりに取り入れてみてはどうでしょうか。 |
【野球】荒木大輔のトレログ
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みなさん、こんにちは。 西武ライオンズ投手コーチの荒木大輔です。 僕は、小学校の時に地元のリトルリーグに入ってから ずっと野球をやってきました。 野球選手を辞めたあとも、 スポーツキャスターとして野球の取材や解説をしたり、 アメリカに渡って投手コーチの勉強をしたりと、 野球から離れることはありませんでした。 いまは再び投手コーチとして ユニフォームに袖を通し、野球の現場に戻っていて、 ご存知のとおり、ペナントレース真っ只中です。 「トレログ」では、いままで培った僕の経験をもとに お話していこうと思っています。 短い間ですが、どうぞよろしくお願いします。 “楽しむ”――それは野球に必要なことです。 野球を長い間やるためは、 やっていて「野球=楽しい」に なることが大事だと思うんです。 子どもたちの練習は、特にそうでしょう。 「野球=きつい」になってしまって、 長続きしなければ何もなりません。 僕らの世代は、小さい時からすごく走らされながらも、 なんとか耐えてきましたが、 走り込みばかりやらせてしまうと、 どうしても「きつい」というイメージがついてしまいます。 それよりも、どんどんプレーさせて、 「楽しい」と感じられる練習をしたほうが、 とくに子どもたちにとってはいいと思います。 草野球をやっている人たちは、 野球をプレーすることをとことん楽しんでください。 家に帰ってまでトレーニングだとかなんだとか追い込むと、 草野球じゃなくなりますからね。 ゴルフの話をしているおじさんたちのように、 あそこの場面はどうだったとか、 コースがどうたったという話ができれば最高ですよ。 みんなでお金を出し合ってグランドを借りて、 ユニフォームを着てやるんですから、 楽しくやれるのが一番です。 「バッターとの駆け引き」には、 ピッチャーならではの楽しさがあります。 しかし、実際にこの駆け引きを楽しめる レベルに達するのは難しいことです。 プロの選手たちにも、 常にその駆け引きを楽しんでもらいたいのですが、 なかなか到達できません。 一生懸命に投げるばかりで、楽しむことができないと、 うまくいくこともいかなくなったりします。 プロであっても、肉体的なことだけでなく、 精神面も鍛えることも必要です。 バッターの動きを見てどんな球を待っているか考えたり、 バッターのしぐさを見てカリカリしているなと思ったときに 「わざと緩いボールを投げてやろう」 と考えながらやるのは、楽しいものです。 強打者を緩い球で打ち取ったときの快感というのは、 ピッチャー以外には味わえない感覚ですからね。 「あ〜、次の打者は○○だ、どうしよう」 ということを考えた時点で、 もう半分以上負けているようなものです。 バッターとの対決が楽しめれば、 わりといい結果につながるものですよ。 「楽しむ」にもいろいろありますが、 まずはそれぞれの野球を楽しむことを 心がけてみてください。 |
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荒木大輔(あらきだいすけ) ≫ 生年月日 : 1964年5月6日 ≫ 出身地 : 東京都調布市 ≫ 主な経歴 : 調布リトル〜調布シニア〜早稲田実業高校〜ヤクルトスワローズ(1983年〜1995年)〜横浜ベイスターズ(1996年) 1976年、調布リトルの投手としてリトルリーグ世界選手権に出場し優勝する。同大会準決勝のプエルトリコ戦ではノーヒット・ノーランを達成。 早稲田実業高校に進学し、その夏の甲子園に出場する。1年生ながら、準決勝まで44回無失点という大活躍でチームを勝利に導き、決勝に進出。横浜高校に敗れて準優勝に泣くも、その名を全国に轟かせ、「大輔フィーバー」を巻き起こした。甲子園には、春夏5大会に出場し、12勝5敗。 1983年にドラフト1位でヤクルトスワローズに入団し、同球団13年ぶりの高校生ルーキー初先発勝利投手となる。1986年から2年連続開幕投手。1988年のシーズン中に肘を故障し、アメリカで計3回の手術を受ける。3シーズンを経た後、1992年のペナントレースの最中に1軍のマウンドに復帰、チームはリーグ優勝を果たす。翌年8勝を挙げ、チームは2年連続のリーグ優勝。日本シリーズの初戦で先発して勝利し、チームの日本一に貢献した。1995年オフにトレードで横浜ベイスターズに移籍し、翌年引退。プロ通算成績は、180試合に登板し、39勝49敗2セーブ。 その後、野球解説者としてテレビ、ラジオ、新聞などで活躍し、2004年から西武ライオンズの投手コーチを務める。 身長179cm/体重85kg。
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