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前回は、自転車をどんな方向へセットアップしたら 良いかを見ていきました。 パフォーマンスをアップするには、 がむしゃらに走りこむ前に 正しいフォームを見つけることが先決です。 ただ乗れるだけでは、関節へ負担をかけてけがを招いたり、 トレーニングの効果が半減してしまったりと、 時間を浪費しかねません。 今回は、自転車上でパフォーマンスを高めるに不可欠な ポジショニングについて触れてみたいと思います。 自転車は足がペダルに届かなかったり、 ハンドルが遠過ぎたりしない限り乗ることができます。 しかし、乗れるからといっても、それで良いわけではありません。 ペダルをこぐ時には、効率の良いサドル高さがありますし、 サドルを前後へ動かすだけで、筋肉の使い方が変わってきます。 ハンドルは、高すぎるとサドル一点に体重が集中して、 お尻が痛くなりやすくなります。 すると、サイクリングで下肢しか動員されず、 パフォーマンスは下がってしまいます。 逆にハンドルが低すぎると、 前方を見すえることが困難になるばかりでなく、 腕がリラックスできなくなって、ハンドル操作に支障が出ます。 ではポジショニングの基礎となるサドル位置から 決めていきましょう。 まず、股下の長さを採寸します。 その数字に0.88という係数をかけて、 足の長さに対するベストな高さにします。 初心者や関節が固い方は0.85という係数をかけた 「低めのサドル高さ」で徐々になれていってください。 サドルの後退幅は、 サドルを前にすると体重を乗せたペダリングが可能になり 後ろに引く事で筋肉を使ったペダリングができます。 自転車にまたがり、サドルに腰掛け、クランクを水平にします。 踏み込む側の膝から重りのついたヒモをたらして、 延長線上へ拇指球が来るところが サドルの後退位置になります。 ハンドルの位置関係は、サドルに腰掛けた状態から、 腕と胴体の角度が90°になるあたりが標準です。 これだけでは、ハンドルの位置関係が 「近くて高すぎる」状態から「遠くて低い」状態と 広範囲に解釈できてしまいます。 これにもう一つ、適正なハンドルの高さを加えましょう。 自転車を真横から見て、サドルからハンドル高さが1cm〜5cmほど 低いのがベストです。 この二つの基準を満たす位置が サドルからハンドルまでの距離になります。 |
【MTB】山口孝徳のトレログ
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自転車は漕ぎさえすれば走りますが、その内容がとても重要です。 停車が可能か。 思いのままに曲がることができるのか。 正確な変速が行えるか。 この三つの動作がスムーズに行なうことができて初めて「走行」が可能になります。 スポーツ性能を求めるなら、この三要素がスムーズに行えるばかりでなく、 スピーディーに操作ができなければなりません。 そのための自転車整備は、自転車トレーニングと同等のクオリティーが必要です。 錆びやすいパーツは、錆びづらいパーツへ。 身体に一部のようなレスポンスを得るために、軽量化が必要になります。 自転車のチューニング(トレーニング)は、 身体のコンディションアップと似ている部分がたくさんあります。 錆びやすいパーツは故障を招く原因になりやすく、 不必要な軽量化はオーバーユースによる金属疲労で破損してしまいます。 まず、金属部品の使用箇所を頭に入れて、 錆びていないか短い周期でチェックする必要があります。 また、軽量な部品(アルミニウム合金)などは、サビが表面だけにとどまらず、 奥深くまで浸透していることもあるので、注意が必要になります。 むやみに自転車の部品を変えても効果が薄いことも多いので、 僕の経験から自転車を調律していく方向性をお伝えして行きます。 自転車は、左右に揺れながらバランスを保って走って行きます。 重心が高いと、軽量な自転車も重く感じることもあります。 逆に重心が低いと、少々重くても身体の一部のような軽快さが生まれます。 低重心化は、軽快感と限界速度や操作域での敏捷性に効果が高い方法です。 前後のホイール車軸より上に位置するパーツに効果があります。 とりわけ、上に位置するパーツほど効果が高いと覚えていてください。 次は、自転車に「どう乗るか」です。 身体はある順応性が高いので、ある程度の範囲であればどんな自転車にも乗ることが可能です。 しかし、ライダーが乗車したときの重量バランスは走行中の運動能力の鍵を握るので ただ「乗れる」だけでは自転車の性能を引き出すことができません。 では、どのようにしたら性能を引き出せるのでしょうか? まず、体重計とブロック(体重計と同じ高さ)を用意します。 それらを、手すりのある平らな地面に置き、自転車をそっと乗せます。 ブロックと体重計の上に自転車を置いてライダーも乗車した状態で重量を測定します。 今度は前後を逆にして前輪、後輪に掛かる重量を測定し比率を計算します。 この比率がフロント対リヤで2:8ならセッティングの必要があります。 3:7なら、定常走行でフロントタイヤが滑りやすい事を認知しておくと良いでしょう。 4:6なら、敏捷性もかなり高まり運動性も良好になります。 理想は45:55付近になります。 自転車は後輪のみが駆動するので、若干重めが良いわけです。 自転車は走行時間のほとんどを、加速も減速も行なわない定常走行で過ごします。 もちろん、ペダルに力を込めれば加速しますし、 何もしなければ空気抵抗と機械損失で徐々に減速します。 その、加速度(減速も含む)はわずかな加重移動を誘発しますが、 すぐに定常姿勢になるため静的な重量バランスはとても重要です。 どんなに軽量の自転車でも重心が高ければフラフラしてしまいますし、 重量配分が適切でないと安定を欠くことになり、力走する事が難しくなります。 逆に言うなら、車重が重くても重心が低ければ軽快で、 重量配分が適切なら高価な部品や特別なテクニックがなくても、 性能を引き出しやすくなるということになります。 サイクルスポーツは自転車に「どう乗るか」で動ける範囲が決まって来ます。 次回はポジションについて少し触れてみたいと思います。 |
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トレーニングは現在のコンディションを打ち破り、 耐久力を高めるものです。 激しい登り坂でも、筋肉をきしませながらもギヤを重くし、 持久力の向上を期待して6時間以上の走り込みを行うなど、 トレーニングは過酷な世界だと思います。 サイクリング競技には、忍耐力と時間がたくさん必要です。 これからは、僕自身のトレーニングを少しずつ公開していきます。 データとして心拍計付きサイクルメーターで計測した 数値を紹介していきますので参考にしてください。 サマーシーズンとウインターシーズンでは 走れるフィールド事情が少し異なります。 長野県人である僕の現在のトレーニングは、 暖冬のせいか雪が溶けたので、峠道の登坂練習を取り入れています。 裏手の山が標高2000mあるので、10%以上のこう配部分を利用し、 筋力向上メニューも行えます。 また、14km登り続けますから、 持久力をつけることができます。 疲労物質が蓄積するころ、標高が1500mに達して空気が薄い中で、 どれだけのパフォーマンスを維持できるかどうかが毎回チャレンジです。 ただ、頂上付近はマイナス5℃しかないので無理は禁物ですが。 トレーニング終了後、腕時計タイプの心拍計付きサイクルメーターが 運動消費カロリーまで算出してくれるので、 運動強度の参考値として用いています。 ちなみに、本日の運動量は3500kcalのカロリー消失と 表示されています。 シーズンインまでに、5500kcal燃焼できるエンジンに 鍛えなければなりません。 今は安静時の心拍数は40拍ほどで安定していますが、 シーズンインでは35拍前後で安定するほどにコンディションを 高めることが一つの指標になります。 僕は心拍計を高校時代から使用しています。 それは、長期的に取り組むトレーニングに対して、 燃え尽きないようにするために、計画的に取り入れていました。 当時は、運動強度が上がりすぎないようにリミッター代わりに購入したのです。 しかし、180心拍固定で1時間走るなどのメニューでしたから、 ほぼ全力疾走ですね。これが功を奏したのは間違いありませんが、 今はそんな使い方はしていません(大人になりました)。 今後のトレログでは体をいたわりながら、 走り続けることができるトレーニングを展開していきます。 暖冬とはいえ、季節は冬。 皆さんも冬の寒さを味方にしながら、 トレーニングを一緒に楽しんでいきましょう! では! |
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前回までは、安全にトレーニングをするフィールドとして、 山岳路を取り上げてきました。 上り坂は、身体を鍛えるには好条件がそろっているので、 今でも積極的に取り入れています。 知らず知らずのうちに鍛えられていたというのが本音のところで、 山登りにハマってしまう方も多いようです。 ヒルクライム専門というサイクリストもいらっしゃるほどですから、 相当に奥が深い。 そんな専門家をよそに、僕は下り専門(自称)です。 初心者のころから、山道を猛スピードで下る爽快感を求めて走っていたのが、 今でも続いています。 自分が目指す「下り坂の本当の着地点」まで、 17年走っていてもまだ行き着きません。 下り坂は、自ら加速したスピードに加え、 重力の助けでグングン速度が高まります。 「加速しやすく停まりづらい」これを頭に入れて下らなければなりません。 坂の傾斜により、前傾姿勢が強まり、 腕に力が入るばかりか、ハンドル操作が難しくなります。 スピードが高まると、減速やコーナリング時に 慣性モーメントが強まって、 自転車を思いどおりに運転するのが難しくなります。 ブレーキ操作では、市街地を走る時とは異なる配分が必要です。 比較的緩やかな速度の市街地では、 前ブレーキ3割、後ろブレーキ7割が基本です。 速度が上がるにつれ、前ブレーキの制動力配分を高めていき、 後ろブレーキは緩める方向になります。 前ブレーキ8割、後ろブレーキ2割あたりが もっとも制動力を発揮できる配分になります。 ただしそれは、路面状況にもよりますし、 適切な体重移動などを前提としたブレーキ操作。 いわばエキスパート向けの操作方法になります。 初心者がマネをして前ブレーキを強くかけ過ぎると、 前転する危険もありますので注意をしてください。 |
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全国的に温暖な今年の冬。 僕の住む長野県も例年になく温かい日々が続いています。 昨年は40年ぶりの大雪に見舞われたそうですが、 長野県人歴3年目&佐賀県出身の僕には 降り積もる雪を見て「さすが雪国!」とある意味で感動しました。 今年は、雪も少なく温かな冬で快適です。 とは言っても、太陽が降り注ぐ南斜面の話で、 北斜面の山岳地域は雪と氷に覆われています。 前回ご紹介しました山岳トレーニングはスピードが遅い状態での 高負荷ワークなので、全身から汗が噴きだします。 実際、全身から湯気が立ち上る時もあります。 通行人や車のドライバーの方々が「えっっ!」と 驚かれる顔を拝見するのも、慣れました。 うれしいのは、下校途中の子どもたちが 「がんばれ〜」と手を振ってくれることですね。 このような季節・状況で効果的なトレーニングを行うには、 汗の処理にかかっているといえるでしょう。 登りは運動中なので寒さを感じづらいですが、 下り坂は運動量が極めて低く、 汗でぬれたウエアーがぐんぐん体温を奪っていきます。 下り坂では外気温以上に、走行風で体感温度がガクッと下がり、 ウエアー内部の汗が凍ってしまうこともありました。 そんな時はもちろん補給用のボトル内の水も凍ります。 水分が摂れないことは命とりになりかねないので、 ボトルが凍ってしまわぬうちに、布で覆ったりして防寒をしてあげます。 もともと外気温が−8℃で、スパイクタイヤで氷の上を走っていたりする状況。 こんな極限の体験から学んだことは、0℃でも道路が凍らない場合もあり、 逆に日陰は気温が1℃以上でも凍結している恐れが高いということです。 |


