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本日の「トレログ」担当は、元サッカー選手の小島伸幸さん。2回目の登場となる今回のテーマは、楽しみながらスポーツを続けるコツについて。子どもたちにサッカーを教えている小島さんならではの、温かい視点が印象的です。
私が子供のころは、極端に言えば「サッカーって何?」という状況です。実際、私も野球をやっていましたし、それに比べてサッカーはメジャーではありませんでした。ワールドカップはテレビで観るものでした。今は当時に比べれば、サッカーが身近なものになってはいますが、私が39歳まで現役を続けられた根底にあったものは「サッカーが楽しい」という思い。今の子供たちにも、サッカーが楽しいものなのだということをずっと心の中に持っていてほしいのです。 楽しさは何かと考えると、試合に出て勝つことが一番です。そのことを知っていれば、楽しいことのために苦しいことも経なければならないと理解できます。そのことが理解できていれば、多少きつい練習であっても、やりがいを見出せると思います。何もわからずグラウンド100周では、つらいだけでしょう。いじめられているような感覚で取り組むのと、「これをやれば次試合をする相手には絶対に負けない」と思ってやるのとでは、全然違う結果になるのではないでしょうか。そうした考え方をできる根底にあるのは、やはり「サッカー=楽しい」という思いです。 私はまだチーム単位でコーチをしていませんので、長期的な視点で見ることはありません。どうしても単発の指導になりますので、先に述べた楽しさを持ってもらうようにすることが精一杯です。いろんなレベルの子供がいる中で、ともすれば下のレベルの子は、サッカーがつまらないと感じてしまうこともあると思います。私はそうした子供たちに、「続けていけば、うまくなるよ」ということを理解してもらいたいと考えています。 小学生レベルで少しうまかったところで、すぐにプロになれるわけではありません。それよりも、少しでもうまくなることの喜びを感じてもらえれば、例えば10歳前後の子供たちが20歳になるまでの10年間での伸びしろは計り知れないと思うのです。私の親も、私がこのようになるとは思ってもみなかったわけですから。 実は、うまい選手というのは意外と多くいます。逆に、コツコツと努力を継続できる選手は非常に稀です。ある程度のところで満足する選手ばかりだから、プロでの選手寿命もあれほど短いのだと思います。 サッカーは、いろんなタイプのいろんな人間が参加できるスポーツです。総合力が極めて高い選手が11人出場しても、それで勝てるとは限りません。しかし、「自分はこれだけは誰にも負けない」というものがあるだけで、Jリーグで活躍することもできるのです。ですから、"自分の居場所"を見つけ、それを突き詰めていくことのできる人こそが、トップレベルに登っていくことができるのです。 私は目先の技術を教えるよりも、そうしたコツコツとした努力の大切さを重視したいと考えています。プロになるために一番必要な才能は何か、といえば、「頑張るという才能」と言えると思います。頑張れない者は、ある程度のところまでしか行けません。逆に、頑張ることのできる子は、それだけで無限の可能性を持っているのです。うまくなる速度が遅かったとしても、今うまい子を抜く可能性は非常に高い。日々少しずつでも努力を継続していくわけですから。
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