|
今回は、名ランナー・瀬古さんが第2回目の登場。瀬古さんによると、マラソンは大器晩成型のスポーツだそう。現在「思うような成果が出せない」と悩む若いアスリートの方に、ぜひ読んでいただきたいお話です。
今、日本のトップで活躍している選手の経歴を調べてみれば、顕著にわかります。意外と、中高生の時期はのんびり、伸び伸びと競技に取り組んでいる人が多いと思います。そして、二十歳を過ぎた頃からグーッと伸びていくのです。 水泳でも、10代がピークのように思われていた時期があったと思います。早い時期に頑張らなければ終わってしまう競技ですから、致し方ない面があると思います。卓球なども、中学生がオリンピック選手になるなど、極端に低年齢化してきていますね。 マラソンは、そういう競技ではありません。30歳を過ぎても伸びていくことのできる競技です。逆に言えば、ピークを30歳に置かなければ、マラソン選手として戦っていくことはできません。 そのためには、大学に入るまでの若い時期に素地を作っておかなければなりません。陸上競技の基礎はトラックにあります。ロードではありません。トラック競技で養った力をマラソンに使う、という考え方が基本となります。 駅伝というロード競技があります。駅伝は駅伝で、目標とする選手はたくさんいますから、存在価値があると言えます。しかし、将来さらに高いレベルを目指し伸びていくべき選手もいるわけで、それを十把一絡げに駅伝ばかりに力を注がせるのは考え物です。 例えば、今、早稲田大学に竹沢(健介)君という選手がいます。日本代表として昨年もヨーロッパへ派遣した選手ですが、彼のような選手は世界を目指す選手ですから、駅伝の走り込みばかりではなく、やはり基礎を固める大切さを忘れてはいけません。 その意味で大切なのは、やはり中学・高校生の時期ではないでしょうか。この時期にいかに走ることの楽しさを覚え込ませることができるかによって、大きな違いが生まれます。私自身も、もちろん、楽しいばかりではありませんでしたが、強制されて何かに取り組んだことはいっさいありませんでした。 中学・高校の時期は、走るばかりではなく、色々な面から体力を養うことが重要です。私自身は冬場には週1回はサッカーをしたり、野球やバスケもやっていました。また、当時はサーキット・トレーニングを数多く行っていました。鉄棒やハードルなど20種目くらい組み合わせて全身を使うのです。 また、マラソン選手というのは365日走るものですが、中高生の段階では、休むべきときには休み、週に1度は他の競技にも取り組むようにした方がいいと思います。四六時中気を張っていたのでは、疲れてしまいます。そのままにしていると、ある日突然「ポキッ」と折れてしまうもの。そうならないように、伸び伸びと取り組んでもらいたいと思います。
|
全体表示
[ リスト ]





