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今や世界クラスの選手を何人も輩出している、日本サッカー。子どもたちのサッカーのレベルも、昔と比べ格段に上がっているそうです。そんな時代で、小島さんが考える指導方法とは? あの中田英寿選手の名前も登場しますよ。
私自身も、22歳から6年ほど、試合に出られない期間がありました。その間は実際、腐っていたのですが、チームスポーツは使う方も人間で、使われる方も人間。人間の信頼を得られなければ、いくらうまくても試合に出ることはできません。うまいけど、彼が入るとチームのバランスが悪くなる、という選手はいるものです。 1+1+1+……が11人集まると、単純計算では11になるのですが、それが入る人間によっては10にも9にもなってしまいます。逆にそれが12、13になるような選手が良い選手なのだと思います。子供の段階では言ってもなかなか理解できないことだとは思います。選手を引退し、色々な立場になって初めて見えてくるもののような気がします。 とは言え、指導者の役割として、幼い頃から少しずつでもそういうことを教えていかなければ、大きくなってからでは何か心を入れ替えるきっかけとなるようなショックな出来事がない限り、選手が気付くことはできないと思います。 技術的に言えば、今の時代の子供たちは僕などよりもリフティングが上手な子もいるくらいです。昔は今ほどテレビでサッカーが取り上げられることは多くありませんでした。今はテレビのサッカー番組も増えましたし、その中で曲芸のようなボールリフティングも見られるようになりました。こういう技があるのだと知らなければ、まず取り組むことはありません。そういう環境が、今の子供たちにはあると思います。 小学生のスキルとなると、すべてはボールリフティングなどといったボール扱いです。曲芸のように見えるボールリフティングであっても、すべてボールコントロールの技術なのです。 ボールに対して行う動きというのは2つだけ。すなわち、「止めて」「蹴る」これだけです。止めてしっかり蹴れなければ、どんなに脚が速くても、どんなに体力があっても、サッカー選手としては不十分です。 逆に、しっかり止められ、しっかり蹴ることができたなら、それだけで世界に挑戦できます。実際にそれだけで世界に挑戦している選手が日本にもいるのです。それが中田英寿です。 中田英寿は、ボールをしっかり止めて、しっかり蹴れる、ただそれだけの選手なのです。しかし、だからこそ、インステップで蹴っているかのようなすごく速いインサイド・パスが出てくるのです。蹴ろうと思って蹴っているわけですから、自分の思ったところへ思ったスピードでパスを出す。そして、その前段階として、しっかりボールを止められているのです。ですから、私は中田選手のことを天才だとは思いません。彼は努力の人だと思っています。 しっかり蹴るためには、しっかり止めなければならない。あと、思ったところへボールへ出すためには、キックの種類も多い方がいいですね。インサイド、インステップだけでは直線的なボールしか出せませんが、障害物がある場合に思ったところへボールを出したいときには、インフロント、アウトフロントといった技術も必要となります。その究極の形が、中田英寿と言えるのではないでしょうか。
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