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今回で、最後の更新となる与田さんのトレログ。名ピッチャーとして活躍した与田さんも、コントロールの訓練で苦労した時代があったとか。そのなかで生み出した、トレーニング方法をご紹介します。
ピッチャーで、コントロールで悩んでいる人は多いのではないでしょうか。そうした人は、まずキャッチボールにしっかり取り組むところから始めてもらいたいと思います。 私もコントロールが悪くて悩みました。中学のときには、コントロールが悪かったがために背番号1番がもらえなくて本当に悔しい思いをしました。そして、高校では絶対に1番をつけよう、と心に決めたのです。そこで、キャッチボールの大切さを思い返したのでした。 基本的にキャッチボールでは相手の胸に投げなければいけないのですが、投げるポイントを少しずつ変えて相手に構えてもらい、そのポイントに投げ込む練習をしました。相手がグラブを動かさずに、8割方そこにコントロールして投げられれば、という意識でキャッチボールに取り組んだのです。 キャッチボールは、何も体をほぐすための練習ではありません。体をほぐすためには、アップがあるわけです。ボールを投げる、というピッチャーにとってとても大切な作業を、マウンドに行く前に練習をしておく。そのことを中学時代に自分は疎かにしていた、ということに高校時代に気付いたのです。 あと、大切にしなければならないのは体の土台。土台がしっかりしていなければ、上体は絶対にブレてしまいます。そして、指の力です。球が速くなるにつれ、指の力が腕の振りの速さについていけなくなっていきます。ボールは遠心力によって離れていこうとしますから、それを抑え込むための指の力が必要になってくるのです。 私は、「なぜ自分はこんなにコントロールが悪いのだろう」と考えたとき、指の力をつければ、いくら腕の振りが速くてもボールをホールドできるはず、という点に思い至りました。それからは、指立て伏せをやるなど、とにかく指の力をつけるための練習に取り組みました。それによって、コントロールのブレの幅が徐々に狭まっていったのです。 コントロールを良くするためには、まずキャッチボールを大切にして取り組んでいく。その中で、こんなフォームで投げたら良いボールが行った、という、本人にしかわからないフィーリングをつかんでいってほしいと思います。いくら指導をしたところで、動いている本人にしか、その感覚はわからないのです。端から見かけが良く見えたとしても、本人が「良い」と感じていなければダメなのです。 私の意見が、子供たち個々の感覚に当てはまるとは限りません。ですから、私は自分から意見を言うことはありません。まず、「今の球、前の球と比べてどうだった?」「どこがどう良かったと思うか、悪かったと思うか」と質問するのです。それから私の考えとの意見交換を行っていくのです。端から「良い球だった」と言うだけでは、本人は何が良かったのかまったくわからないままです。 自ら「良い球が行った」という感覚をつかめれば、コントロールは向上していくはずです。そうした経験を自ら積んでいってもらいたいと思います。
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今回も芝スミ子さんによる、実践的バドミントン講座を掲載。写真付きなので、初心者でもわかりやすく参考になるはずです!
正しいフットワークを身につける大切さを、前回はお話しました。正しいフットワークから、いち早くシャトルの落下点に入ることが重要です。 ネット際のシャトルを取りに行く際(前へ踏み込む)のポイントは、踏み出す脚がカカトから入ることと、つま先をシャトルに向けることです。シャトルの下に入れるようになったら、自分の打ちやすい打点=ゼロポジションを見つけることを目指してください。打ちやすい打点は、人によって異なります。自分のゼロポジションは、練習でラケットを振っていく中でしか見つけられないものです。きっと、何度でも楽に打てるポジションがあるはず。ぜひそのポジションを見つけてください。 【写真1】 ▲一人ひとり違う「ゼロポジション」。練習の中で見つけるようにしましょう では、実際にスマッシュを打ってみましょう。スマッシュの際の狙い目は、シングルスの場合は相手の正面、ダブルスであれば人と人との間です。チャンスボールが来たら真ん中を狙え、というのはダブルスの鉄則。もし相手が返せたとしても、再度自分たちにとってのチャンスボールとなるからです。 スマッシュは、力が入っているとうまく打てません。肩の力を抜いて、当たる瞬間に力を入れて強いスマッシュが打てるよう練習しましょう。 相手にスマッシュを打たれたときはどうすればいいのでしょうか。 身体の真正面にシャトルが来たとき、慌ててしまう人も多いと思います。大切なのは、右利きであれば、右脚とラケットをシャトルに合わせることです。どうしても後ろへ下がってしまいがちですが、我慢して右脚をグッと踏ん張り、下がらないようにしましょう。下がってしまうとシャトルは返せません。 【写真2】 ▲身体の正面に強いショットがきた場合、怖がって下がってしまうと打ち返せません(写真左)。しっかり脚を踏ん張り、前で打つようにしましょう(写真右) あるいは、速いシャトルを無理に打ち返そうとするのではなく、シャトルが来た瞬間1歩下がって、失速したところを打ち返すことでつなぐ、というのも一つの考え方です。ただ、この方法は初心者には難しいと思いますので、相手にスマッシュを打ってもらい、レシ−ブがうまく返せてからの段階になります。いずれにしても、自分がスム−ズに打てるゼロポジションを見つけて、バドミントンを楽しんで頂きたいと思います。
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迫力あるダイナミックなプレーこそ、バスケットボールの醍醐味(だいごみ)。今回の波多野さんの「トレログ」を読めば、華やかな試合の裏側にある、毎日の地道な練習の大切さがよくわかるはずです。
こうした成長の背景にあったのは、大学時代の練習だったと思います。大学時代、基本について徹底的に取り組ませられましたから。それ以前は、「センターはセンターの練習」という形で、ハンドリングについて重視して取り組むことはありませんでした。 それが、大学に入ると、チーム全員でドリブルなど、基本のハンドリングを徹底して行うようになったのです。「リバウンドを取ったら、自分でフロントコートに持っていっていいよ」とすら言われていたのです。「ああ、そういうプレーをしてもいいんだ」と意識が変わりました。それからはドリブルの練習にも打ち込むようになりました。 大学では、まず練習の最初に、全員で座ってドリブルの練習を行うことが習慣でした。まず人差し指だけでドリブル、20秒間くらいだったと思いますが、続けるのです。次に中指、薬指、小指と同じようにくり返していきます。右手が終わったら、次は左手です。 次に、立ってフロントチェンジ、レッグスルーなど、様々なドリブル練習に移ります。こうした基礎練習が終わってから、ようやく本格的な練習メニューに入っていくのです。 大学に入学したての頃は、特に左手ではボールがあらぬ方向に行ってしまうような状況でした。それが、練習を続けていくことで、4年生になった頃にはミスがゼロとは言わないまでも、かなり減らすことができました。 ボールハンドリングを大事にする姿勢は、大阪エヴェッサに入団してからも変わりません。比嘉さん(比嘉靖・大阪エヴェッサアシスタントコーチ)からドリブル技術を教えられています。 プロの舞台でパワーフォワードからスモールフォワードとポジションアップを経験していますが、ハンドリングに関してはまだまだ不安を抱えながらのプレーです。不安に打ち勝つには練習するしかありません。ドリブルは常に重視して日々練習に取り組んでいます。 こうしてプレーの幅が広がると、見える世界も変わってくるものです。僕自身も、それまでであればリングの近くでしかプレーできていなかったのが、ちょっと離れてプレーできるようなったりしました。 ハンドリングは、ポジションに関わらず重要です。いくら身長が大きいからといって、欠かすことはできません。とにかく、ドリブルは数多く練習を積んでもらいたいと思います。
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「スポーツに取り組むときは、楽しむ気持ちを忘れないこと」これは、山本さんがトレログの連載のなかで、一貫して主張してきたテーマ。老若男女、誰でも気軽にはじめられる水泳の魅力にせまります。
スイミングは、生涯楽しむことのできるスポーツだと思います。水の中というのは、陸上での運動に比べ、ケガもそれほど起こりません。泳げない人であっても、水の中を歩くだけで運動になります。 また、水の音というのでしょうか、プールサイドで耳にする「パシャパシャ」という音、あれを聞いているだけでリラックス効果も大きいのではないでしょうか。ですから、ただ水に入って歩くだけで良いのです。心身ともにリラックスでき、良い運動になると思います。 水に入るだけで「気持ち良い」という感覚を、どなたも抱くのではないでしょうか。逆に、無理をして頑張ってしまうと、「しんどい」という気持ちが出てきてしまいます。日々「気持ちよかった」と思える程度で続けていくことができれば良いのではないでしょうか。身体に良いだけではなく、心の部分もすごくリフレッシュされて、ゆったりとした気分になれると思います。 その中で少しずつ、泳げない人であれば泳げるように、毎日取り組んでいれば徐々に慣れてきます。実際、私の義理の父も60歳を過ぎてから水泳を始め、今ではバタフライを泳げるまでになっています。水泳を始めるまでは、いわゆる「カナヅチ」だったのですが、4泳法がキッチリ泳げるようになったばかりか、「バタフライが得意種目」というレベルにまでなりました。しかも、私が見ても、上手な泳ぎをするのです。同時に、身体もシェイプされてスリムになり、元気になって健康も保つことができています。体力がついて、毎日生き生きとしています。 人間というのは、「楽しみ」を持つだけで生き生きできるものだと思います。端から見ていても「若い」と感じます。目がとても輝いていて、笑顔がとても良い表情になります。顔から充実感があふれ出ているのです。見ている周りが「良いものを見た、すごくパワーをもらった」という気分になるほどです。 大切なのは、無理をせず、自分のペースで行うこと。そうすれば、身体にとって、とても良いと思います。 腰痛を抱えながらの方もいるのではないかと思いますが、泳いだ後にアイシングをするなど、身体のケアをしっかり行うことで、コンディションがかなり変わってくると思います。また、ももの裏の筋肉が張っているとき、腰に来ることが多いように思います。ストレッチを念入りにやることで、身体の疲れを取ってあげることがポイントだと思います。 また、私たち選手であっても、練習の負荷は強い日もあれば、弱い日もある。内容に強弱をつけています。追い込む時期であっても、ある程度リカバリーの時間は身体に与えてあげなければなりません。ハードな練習ばかりで毎日押していけば、つぶれてしまいます。 年齢を重ねるほど、休養の重要度は増してきます。無理をせず、しんどいときには楽なメニューにしましょう。「休む勇気」が必要だ、ということがよく言われます。必要なときには、身体を回復させてあげなければなりません。コンディションが悪ければ、疲ればかりが溜まっていき、良い泳ぎはできません。良いコンディションで良い泳ぎをするということを第一に考えてもらいたいと思います。
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一流のスポーツ選手になるには、子どものころからの英才教育が必要、と思いがち。瀬古さんはそれに対し、自身の経験から「ゆっくり選手を育てることの大切さ」を主張します。
長距離というのは、力をつけるまでに時間がかかるものです。上を目指すあまり、すぐにマラソンへ行きたくなるかもしれませんが、それは良いことではないと思います。何事も、順番があります。中学生には中学生なり、高校生には高校生なりの練習というものがあるのです。 私の感覚ですが、中学生の頃に抜群に良かった選手には、その後長く保った試しがないように思います。中学生のランナーで、異常に細い選手を見かけることがあります。「よくこんな身体で走れるな」「摂るべき食事を摂っているのか」と思うほどです。 「世界で活躍できるマラソンランナーになるためにはどうすればいいんですか」──このような質問に対しては、「あまりあせるな」と答えてあげたいです。お父さん、お母さんがあせらないでほしい。年齢を重ねるごとに、速くなっていきますから。 マラソンには、「英才教育」は存在しません。技術がものを言うスポーツではありませんから。ものを言うのは「心」。メンタルを鍛え、強くすることが、マラソンで速くなるための近道と言えるかもしれません。走ることばかりを練習して、心が弱いままでは戦えないのです。 初マラソンで彗星のごとく登場し、優勝を飾るようなランナーが時として現れますが、そうした選手はその先に潰れることがよくあります。男子にも、女子にも見受けられることです。よくわからないうちに優勝してしまい、次のレース以降は「負けられない」というプレッシャーに苦しみ、毎日走り込みをしていくうちに成績が落ちていってしまうのです。 私も、初優勝したのは3度目のマラソンでした。私の初マラソン(1977年・京都マラソン)は、練習もせずに臨んだ大会で、勝つ自信もまったくない状態でした。「餅はマラソンに良いから」と言われ、餅ばかり食べて臨んだレースでした。当時はカーボローディングなどという用語はありませんでしたが、考え方自体は間違っていなかったのです。ただ、食べるばかりで練習をしていなかったがための惨敗でした。 現在と私の頃との大きな違いは、マラソンのための練習が確立され、多く出回っているということです。そうした環境では、一つひとつ地道に積み上げていくことは簡単ではないかもしれません。高校生などといった若い年齢のうちから、いきなり競技ランナーを養成するプログラムに組み込まれてしまうのです。 高校などの合宿を視察する機会があるのですが、あるとき、いくつかの学校から集まった何百人もの選手が、集合日にいきなり30kmを走り込むのです。もし私が今の時代に現役であったなら、高校時代ですでに「やり切って」しまって、その後陸上競技をやめていたかもしれません。 そんな時代だからこそ、指導者にはしっかりとした考えをもって指導してもらいたいものです。
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