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こんにちは、「トレログ」編集部です。先日の世界陸上の盛り上がり、さらに来年2月には「東京マラソン2008」の開催が予定され、ますます加速するマラソン・ブーム。今回は数々の世界的レースで優勝に輝いた名ランナー・瀬古利彦さんの登場です。真に強いアスリートになるためには? 瀬古さんのスポーツ哲学が垣間見えます。
私のマラソンは、ギリギリまで先頭についていき、終盤に勝負をかけるという珍しいスタイルでしたが、それは高校までトラックの中・長距離種目を走ってきた経験があってこそでした。マラソンで競技場が見えてくると、かつて800mや1500mを走っていたころの"血"がグワーっと沸き立ってきて、負ける気がしないほどの自信を持つことができたのです。 中学・高校生など若い世代の皆さんは、まさに今そのトラック競技に取り組んでいることと思います。是非走りに楽しさを感じながら、練習に取り組んでもらいたいと願います。 この世代では、練習内容について深く理解しているわけでもないでしょうし、先生に言われたメニューをこなすことも必要でしょう。しかし、「強制」の要素が強くなってくると、先生に対し反発する気持ちも生まれてきます。「やらされている」という気持ちが少しでもあれば、長く競技を続けることはできません。また、大学生になっても指導者に言われたことしかできないような選手になってしまいます。 私は中学生の頃、野球部に所属していましたが、高校の陸上部時代よりも走っていたかもしれません。しかし、走ることで野球がうまくなれると信じ、自ら進んで楽しみながら取り組んでいました。高校のときも、先生にメニューの指示を受けることはありましたが、強制されている感覚はまったくありませんでした。それが、その後のマラソンとの出会いにつながっていたのです。 また、走ることだけやっていればいいのではありません。私は冬場はサッカーをやったり、バスケットボールをやったりと色々なスポーツに取り組んでいました。その中で総合的なバランスの良い体力が養われていったのです。 高校世代で夏合宿にかなりの量の走り込みを行うチームも少なくありませんが、そうした選手たちを見ていると、心配になることがあります。このまま「体が枯れて」しまって、大学生になったらつぶれてしまうのではないか、と。 植物と同じで、幹を太くしなければ、大輪の花を咲かせることはできません。それを年中、大会の度に花を咲かせようとするから、幹が細いまま小さい花しか咲かせられない選手になってしまうのです。この点は、指導者の方々にも是非理解してもらいたい点だと思います。 世界のトップのマラソン選手は、20代後半から30代に全盛期を迎えます。それは、10代のころにあせらず、じっくり幹を太くしてきたからなのです。若いランナーの皆さんにも、この点を心掛けてもらえれば、将来マラソンと出会ったとき、大きな花を咲かせられるようになるのではないでしょうか。
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2007年09月18日
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