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【サッカー】小島伸幸

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最後の更新となる「トレログ」サッカー編は、小島さんの専門である「ゴールキーパー」をテーマにお送りします。サッカーの進歩とともに、昨今はゴールキーパーに求められる役割も変化してきているとか。未来の“名キーパー”を目指すみなさんは、必見です。

イメージ 1 最後に、私がプレーしていたゴールキーパーについて、お話をしたいと思います。

 ゴールキーパーの練習に専門的に取り組む時期は、中学生以降で良いのではないでしょうか。小学生の時点では、どれだけ背が大きくなるかわからないものです。私の知り合いにも、中学入学時には背の順で後ろから2番目か3番目だった人が、卒業時にはクラスでも前の方になってしまった、ということがありました。

 私が本格的にキーパーになったのも高校からでした。それまではディフェンスの真ん中、フォワード、左のサイドバック、中学では中盤もやりました。高校に入って背が高かったためキーパー遊びのようなことをやっていたら、「キーパーできそうだ」と言われキーパーになった、という経緯でした。デビュー戦ではパンチングができず、散々な目にあった思い出があります。

 高校1年でキーパーを始めてそんな状態だった私が、3年生の春にはユースの日本代表に選ばれるまでになったのです。あせる必要はまったくないと思います。

 私が小・中学生の頃は、バックパスを手で捕ることができた時代でもありました。今のルールでは、しっかり止めてしっかり蹴る、というボールに対するスキルと、ある程度の戦術眼が身についていなければキーパーが務まらなくなってきています。今のキーパーは、バックパスに対して単に蹴るのではなく、"つなぎ"のプレーができなければ、高いレベルにまで到達することができないのです。マンチェスター・ユナイテッド所属のファン・デル・サールなどは足元のつなぎがとてもうまい選手です。来たボールに対してワンタッチでバシッとインサイドパスを出す技術には驚かされます。

 クリアすることで精一杯だった私たちの時代のゴールキーパーは、現代では必要とされてないとすら言えます。捕ることができ、かつ足元にも優れ、つなぎに一役買える、さらには戦術的な視野を持ってフィードを出すことができる。フィールド・プレーヤーのスキルも兼ね備えた存在であることが、絶対的に求められる要素なのです。

 ですから、小学生のうちは、どんなプレーでもできるような練習をしてほしいと思います。自分の可能性を信じ、すべてのことができるようになってもらいたい。中学生のレベルでもフォワードとしてバリバリできるくらいのスキルがないと、トップのレベルでのキーパーは務まりません。自分の可能性を広げられるように、日々取り組んでもらいたいと思います。
今回はゴールキーパーとして、世界中の選手とフィールドで対峙(たいじ)してきた小島さんならではの「ストライカー論」が繰り広げられます。

イメージ 1 国際舞台の試合でも、日本代表のシュート力、決定力について取り沙汰されることが多くあります。まず言えることは、日本の風土、文化自体が、「失敗すると怒られる」文化なのだと思います。だから選手はシュートを打たない。ゴールの枠を外すなどしたら、すごく怒られてしまうわけです。外国の選手は、そうしたことはまったく気にしません。10本打って8本外しても、2本入ればいいや、くらいに考えているのです。

 ストライカーを育てるという観点から考えれば、子供のうちは逃げずにどんどんシュートを打っていくよう教えていくべきでしょう。打って外したことを怒るのではなく、シュートを打てる状況で打たずにパスを選択した選手に、点を取りにいく大切さを言い聞かせていくようにしなければいけないと思います。「もっと良い状況の選手がいたじゃないか」などと言い始めると、選手は絶対に打てなくなるもの。そうしたことは、プロになってから考えればいい話なのです。

 プロに入り、勝負の世界になってくると、角度の無い位置にいる自分がシュートを打つよりは、真ん中の完全フリーの選手の方がゴールを決めやすい、という選択をすることもあるでしょう。しかし、ゴールキーパーの立場から見ると、シュートを打たれなければ、キーパーは楽なのです。自分の前にいるディフェンダーが、こちらに向かってシュートを打ってくることはありません。となると誰が打ってくるのかと言えば、相手のフォワードしかいません。そうした選手が、シュートを打てる場面にもかかわらず、パスを出してくれたのなら、それだけで助かるのです。

 「怖い選手」というのは、常にゴールキーパーの私の位置を見て、機会をうかがっている選手です。極端なことを言えば、ハーフウェーラインからであっても、私の位置が悪ければ、ボールを止めた瞬間にシュートを狙ってくる。そうした選手は嫌ですよね。

 そういう意味では、歴代の優れたフォワード、現代で言えばカズ(三浦知良)でしょうか、彼らは試合で対戦すると、気持ち悪いくらいに私を見ていますよ。「俺に気があるんじゃないか」と思うくらいです(笑)。

 ゴールキーパーとしては、私の位置を見ていないフォワードに対しては、私の位置がわかっていないのですから、思い切って前へ出られます。逆に私の位置を常に把握しているフォワードに対しては、まずシュートを警戒しなければなりませんから、1歩下がって構えることになり、結果として次の動きが1テンポ遅れることにもつながるのです。

 シュートについて、様々な技術があるとは思いますが、ゴールを狙う気持ち、シュートを打つ気がなければ、どんなに良いキック、強いシュート力を持っていたとしても、ゴールにはつながらないのです。サッカーは、点を取り合うスポーツなのですから。

 あとは、空いているところ、キーパーの手の届かないところに決める、ということ。外国人選手はこの点が非常に優れています。「このコースに、このスピードで蹴ればいい」ということを熟知しているわけです。日本人は、きれいに蹴りたがることが多くありますが、サッカーでは、腕以外の身体のどの部位であっても、「入ればゴール」なのです。

良いフォワードとは、ゴールを決められるフォワードのこと。「ちゃんと蹴れる選手」のことではありません。「蹴る」こと以上に、「入れる」ことを意識してプレーすることも大切なことではないでしょうか。
今や世界クラスの選手を何人も輩出している、日本サッカー。子どもたちのサッカーのレベルも、昔と比べ格段に上がっているそうです。そんな時代で、小島さんが考える指導方法とは? あの中田英寿選手の名前も登場しますよ。

イメージ 1 子供にサッカーを教える場合、指導者としてはどうしても勝たせようという指導になってしまいがちだと思います。その中で、試合に出られない子がどうしても出てきます。サッカー界にとって、少しでもサッカーを経験した人というのは、将来のJリーグを見守ってくれる人たちになるわけです。ですから、サッカーを嫌いになってほしくない。ずっと好きでいてくれるような指導が重要になってくると思います。

 私自身も、22歳から6年ほど、試合に出られない期間がありました。その間は実際、腐っていたのですが、チームスポーツは使う方も人間で、使われる方も人間。人間の信頼を得られなければ、いくらうまくても試合に出ることはできません。うまいけど、彼が入るとチームのバランスが悪くなる、という選手はいるものです。

 1+1+1+……が11人集まると、単純計算では11になるのですが、それが入る人間によっては10にも9にもなってしまいます。逆にそれが12、13になるような選手が良い選手なのだと思います。子供の段階では言ってもなかなか理解できないことだとは思います。選手を引退し、色々な立場になって初めて見えてくるもののような気がします。

 とは言え、指導者の役割として、幼い頃から少しずつでもそういうことを教えていかなければ、大きくなってからでは何か心を入れ替えるきっかけとなるようなショックな出来事がない限り、選手が気付くことはできないと思います。

 技術的に言えば、今の時代の子供たちは僕などよりもリフティングが上手な子もいるくらいです。昔は今ほどテレビでサッカーが取り上げられることは多くありませんでした。今はテレビのサッカー番組も増えましたし、その中で曲芸のようなボールリフティングも見られるようになりました。こういう技があるのだと知らなければ、まず取り組むことはありません。そういう環境が、今の子供たちにはあると思います。

 小学生のスキルとなると、すべてはボールリフティングなどといったボール扱いです。曲芸のように見えるボールリフティングであっても、すべてボールコントロールの技術なのです。

 ボールに対して行う動きというのは2つだけ。すなわち、「止めて」「蹴る」これだけです。止めてしっかり蹴れなければ、どんなに脚が速くても、どんなに体力があっても、サッカー選手としては不十分です。

 逆に、しっかり止められ、しっかり蹴ることができたなら、それだけで世界に挑戦できます。実際にそれだけで世界に挑戦している選手が日本にもいるのです。それが中田英寿です。

 中田英寿は、ボールをしっかり止めて、しっかり蹴れる、ただそれだけの選手なのです。しかし、だからこそ、インステップで蹴っているかのようなすごく速いインサイド・パスが出てくるのです。蹴ろうと思って蹴っているわけですから、自分の思ったところへ思ったスピードでパスを出す。そして、その前段階として、しっかりボールを止められているのです。ですから、私は中田選手のことを天才だとは思いません。彼は努力の人だと思っています。

 しっかり蹴るためには、しっかり止めなければならない。あと、思ったところへボールへ出すためには、キックの種類も多い方がいいですね。インサイド、インステップだけでは直線的なボールしか出せませんが、障害物がある場合に思ったところへボールを出したいときには、インフロント、アウトフロントといった技術も必要となります。その究極の形が、中田英寿と言えるのではないでしょうか。
本日の「トレログ」担当は、元サッカー選手の小島伸幸さん。2回目の登場となる今回のテーマは、楽しみながらスポーツを続けるコツについて。子どもたちにサッカーを教えている小島さんならではの、温かい視点が印象的です。

イメージ 1 現在、私は指導者として子供たちを教える立場にもあるのですが、そこでは「世界と戦うためにはこうしなくちゃいけない」といったことよりも、まず楽しさを伝えることが重要だと考えています。

 私が子供のころは、極端に言えば「サッカーって何?」という状況です。実際、私も野球をやっていましたし、それに比べてサッカーはメジャーではありませんでした。ワールドカップはテレビで観るものでした。今は当時に比べれば、サッカーが身近なものになってはいますが、私が39歳まで現役を続けられた根底にあったものは「サッカーが楽しい」という思い。今の子供たちにも、サッカーが楽しいものなのだということをずっと心の中に持っていてほしいのです。

 楽しさは何かと考えると、試合に出て勝つことが一番です。そのことを知っていれば、楽しいことのために苦しいことも経なければならないと理解できます。そのことが理解できていれば、多少きつい練習であっても、やりがいを見出せると思います。何もわからずグラウンド100周では、つらいだけでしょう。いじめられているような感覚で取り組むのと、「これをやれば次試合をする相手には絶対に負けない」と思ってやるのとでは、全然違う結果になるのではないでしょうか。そうした考え方をできる根底にあるのは、やはり「サッカー=楽しい」という思いです。

 私はまだチーム単位でコーチをしていませんので、長期的な視点で見ることはありません。どうしても単発の指導になりますので、先に述べた楽しさを持ってもらうようにすることが精一杯です。いろんなレベルの子供がいる中で、ともすれば下のレベルの子は、サッカーがつまらないと感じてしまうこともあると思います。私はそうした子供たちに、「続けていけば、うまくなるよ」ということを理解してもらいたいと考えています。

 小学生レベルで少しうまかったところで、すぐにプロになれるわけではありません。それよりも、少しでもうまくなることの喜びを感じてもらえれば、例えば10歳前後の子供たちが20歳になるまでの10年間での伸びしろは計り知れないと思うのです。私の親も、私がこのようになるとは思ってもみなかったわけですから。

 実は、うまい選手というのは意外と多くいます。逆に、コツコツと努力を継続できる選手は非常に稀です。ある程度のところで満足する選手ばかりだから、プロでの選手寿命もあれほど短いのだと思います。

 サッカーは、いろんなタイプのいろんな人間が参加できるスポーツです。総合力が極めて高い選手が11人出場しても、それで勝てるとは限りません。しかし、「自分はこれだけは誰にも負けない」というものがあるだけで、Jリーグで活躍することもできるのです。ですから、"自分の居場所"を見つけ、それを突き詰めていくことのできる人こそが、トップレベルに登っていくことができるのです。

 私は目先の技術を教えるよりも、そうしたコツコツとした努力の大切さを重視したいと考えています。プロになるために一番必要な才能は何か、といえば、「頑張るという才能」と言えると思います。頑張れない者は、ある程度のところまでしか行けません。逆に、頑張ることのできる子は、それだけで無限の可能性を持っているのです。うまくなる速度が遅かったとしても、今うまい子を抜く可能性は非常に高い。日々少しずつでも努力を継続していくわけですから。
こんにちは、「トレログ」編集部です。今回はJリーガーとして、さらに日本代表選手として活躍した小島伸幸さんが登場。日本サッカーが、世界のなかでさらに強くなるには? ワールドカップの舞台に立ったこともある小島さんならではの、興味深いエピソードが飛び出します。

イメージ 1 初めまして、小島伸幸です。私は1998年、初めてワールドカップのピッチに立った日本代表のメンバーとして、フランス大会に参加しました。以来、日本代表は3大会連続でワールドカップに出場し、サッカーを楽しむ現代の子供たちは、より世界を身近に感じられるようになっているのではないかと思います。

 ワールドカップでは、0-1(対アルゼンチン)、0-1(対クロアチア)、1-2(対ジャマイカ)という点差以上の世界との差は感じました。例えばアルゼンチン戦で、もしこれがJリーグならゴールの枠に飛んでいっただろうな、という呂比須ワグナーのシュートも、ディフェンスの足が出てきてゴールの方向に飛ばない。常日頃世界のトップを相手に戦っている選手がいるチームと、国内リーグで戦っていて、さらに上のレベルを知らないままのチームの違いに集約された大会でした。

 日本の選手にも通用するものはあった、と評価する選手もいましたが、私はもしかしたら、この差は縮まらないものなのではないか、と感じたのも事実です。シュートが飛ぶか飛ばないか、それはほんのコンマ何秒、数十cmの差。しかし、その差が常に強い相手と戦うことによって得られるものだとすれば、日本の選手にもそういう経験は必要だと感じました。

 「世界」について、自分の経験で一番印象的なのはロベルト・カルロスのシュートですね。私が国際試合で最初にゴールを決められたのが彼でした。角度のないところでしたし、手足を伸ばせば、全部ゴールが隠れてしまいます。自分の感覚では「Jリーグであれば止められる」。しかしロベルト・カルロスが放ったのは、今まで体験したことのないくらい、とてつもなく速いシュートでした。構える私のちょうど脇の下、手をすっと下げればボールのコースをふさげたはずなのですが、手を下げたときには後ろでパサッとネットの音がしました。

 以来、私の基準はロベルト・カルロスになりました。来るシュートがロベルト・カルロスの放ったものと考えていれば、それ以上速い球は来ないのですから! この経験が、私にとって選手として大きな財産になりました。

 今や日本代表はワールドカップ出場が至上命題のようになっている今の状況ですが、そうは言っても日本人は体格的に不利がありますし、壁は依然として存在しています。

 皆さんは中田英寿選手が海外で通用している姿しか観る機会がなかったかもしれませんが、その影で、彼はとんでもない努力家でもあるのです。高校を卒業してベルマーレ平塚に入団してきたときと、イタリアに渡るときとでは、体格も強さも見違えるものがありました。しかし、Jリーグで悪質なファールでもなければ倒れることのなかった彼ですら、イタリアでは競り合いの中で飛ばされてしまうようなことがある。海外で戦うには、それなりの下準備がなければなりません。

 それでもなお海外に挑戦し、そこで通用したもの、通用しなかったものが日本代表にフィードバックされていくと良いのではないでしょうか。壁に何度もぶち当たりながらも成功を勝ち取っている選手は、日本代表にとって欠かせない存在になっています。川口能活選手も、世界に出てあの身長でどうやって戦えばいいか、試行錯誤を繰り返したと思います。そのことが今の日本代表に生きているのではないでしょうか。今後の日本サッカー界にとって、そうした経験が非常に重要になってくると思います。

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