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社説

富山で交番襲撃・殺人 安全の最前線が狙われた




 富山市の交番で21歳の男が警察官を刃物で襲って拳銃を奪い、すぐ近くの小学校の校門付近で警備員に向けて発砲する事件があった。

 警察官と警備員は亡くなり、男も駆けつけた別の警察官に拳銃で撃たれ逮捕された。
 地域住民に安全と安心を提供する交番を襲撃したうえ、民間人に向けて発砲するという異常な事件だ。
 交番と小学校は道路を挟んで100メートルしか離れていない。小学校は授業が終わり、帰宅の準備をしていた。一歩間違えれば子供が巻き添えになるかもしれなかった。
 なぜこんな凶行に及んだか。動機を含め事件の全容解明が急がれる。
 今回の事件では、警察官から奪われた拳銃が凶器となった。警察庁は拳銃が奪われる事件を防ぐため、警察官の腰と拳銃をつなぐつりひもの強度を高めるなど装備面での対策に取り組んでいる。
 また、都道府県警に対して不意に襲われた場合を想定した訓練を行うよう求めている。
 警察官がどういう状況で男に襲われたかの詳細は不明だが、交番での拳銃の管理を改めて点検することが必要だ。
 交番は市民の安全を守る地域拠点であり、日本の治安の良さを象徴する存在として「KOBAN」の名称で世界的に知られている。
 全国で6000カ所を超え、地域の犯罪の予防や事件が発生した時の対応に当たり、巡回などを通じて地域住民と接する役割がある。
 交番に警察官が常駐しない空き交番も一時問題化したが、警察庁は解消に力を入れている。
 近年は外国人観光客が増加しており、外国語の会話集を交番に置いて対応している。
 だが、脆弱(ぜいじゃく)性もある。通常2〜3人の警察官が交代で勤務する。1人の場合も多く、今回のように周りに同僚がいない時の対処には難しい面もある。
 だからといって、過剰な警備で市民から敬遠されるような場所にしてしまっては、交番の役割が十分に果たせなくなる。
 町中で勤務する警察官の安全を守ることは、治安の最前線として交番が機能していくうえで欠かせない。早急に対策を検討すべきだ。

毎日新聞2018年6月27日 東京朝刊


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