「おばあちゃんの鐘馗(しょうき)さま」

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<社説>緑ヶ丘保育園の訴え 安全の切り捨て許さない

2017年12月29日

 「子ども達の命は、つねに危険にさらされています」。戦後72年たっても、このような声を上げざるを得ない地域が国内で他にあるだろうか。

 米軍普天間飛行場に所属するヘリコプターの部品が屋根に落下した宜野湾市の緑ヶ丘保育園の父母会が、保育園上空の飛行禁止などの実現を求めて全国から集めた署名2万6372筆を翁長雄志知事に手渡し、要望実現への協力を求めた。

 在沖米海兵隊が「飛行中に落下した可能性は低い」と否定的な見解を示したことで、「自作自演」などの誹謗(ひぼう)中傷の電話が保育園にかかったり、メールが送りつけられたりしていた。そのような中、21日までの11日間で県内1万1千余、県外1万5千余の署名が集まった意義は大きい。

 翁長知事は「全力を挙げて取り組む」と約束した。日米両政府が子どもの安全より米軍の運用を優先する状況を変えるまで、抗議と要請を粘り強く繰り返してほしい。

 日米両政府は普天間第二小への米軍大型輸送ヘリコプターCH53Eの窓落下事故を受けて、宜野湾市内の幼小中高大学(28校)の上空を「最大限可能な限り飛行しない」として飛行を再開した。

 米軍機が学校上空を飛んでも「努力したが、できなかった」と言えばすむとの考えが「最大限可能な限り」との言葉の根底に見える。抜け道だらけの航空機騒音規制措置(騒音防止協定)を踏襲したにすぎない。これを再発防止策の一つとは断じて認められない。県民を愚弄(ぐろう)するのもいい加減にすべきだ。

 さらに問題なのは、保育園が「最大限可能な限り」飛行を避ける対象にすら入っていないことである。

 宜野湾市内の保育園は認可、無認可合わせて78施設ある。園児らが危険な状況にあるのは学校施設と何ら変わりない。保育園上空も避けるのが当然である。

 保育園を含めれば、市内のほぼ全域で米軍機は飛行できなくなるはずだ。日米両政府はそのような事態を避けるため、「可能な限り」飛行を避ける対象から保育園を外した可能性さえ疑われる。園児の安全を切り捨てることは断じて許さない。

 在沖米軍は普天間飛行場の滑走路補修工事のため、運用を中断していた固定翼機の飛行を再開すると発表した。県民要求とは裏腹に飛行場周辺の危険性がさらに増すことは確実だ。容認できない。

 米軍機事故が起きるたびに政府は米軍に遺憾の意を伝え、米軍から再発防止策を取ったと伝達されれば、即座に飛行再開を認め、その結果、事故が繰り返されている。この悪循環を断ち切らない限り、子どもたちと県民の安全は守れない。

 政府は県民の安全を守るため、事故発生装置と化した普天間飛行場を直ちに閉鎖すべきだ。実効性のある再発防止策はそれ以外にはない。

琉球新報

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-639064.html

2017年12月29日(金)

主張
タックスヘイブン
国境越えた税逃れに抜本策を

 税逃れは、他国だけで起きているわけではありません。

 情報技術(IT)機器大手のアップルが日本での製品販売から得た利益をタックスヘイブン(租税回避地)に移すことで逃れた税金は、10年間で最大1兆2000億円を超えることを本紙が暴露しました。国内でアップル製品を愛用している人も多いことでしょう。日本で得た利益は、国境を越えてタックスヘイブンへ流れ、日本の税収が失われていたのです。

税損失5兆円との試算も
 アップルによる1兆円を超える税逃れといっても、あくまでも、一つの企業の分だけです。では一体、タックスヘイブンによって失われている日本の税収損失は、どのくらいになるのでしょう。ぜひとも知りたいところですが、巨額の税逃れがタックスヘイブンという秘密の領域で巧妙に行われているため、課税当局すら正確な金額をつかむことはできません。ただ、日本の経済規模から見て、年間数兆円の規模に達しているとみられています。税制や企業会計などの専門家が集まる国際NGOのタックス・ジャスティス・ネットワーク(TJN)は、日本からの税収損失が5兆円を超えるという試算を明らかにしています。

 政府の統計によれば、日本からタックスヘイブンの一つであるケイマン諸島への証券投資残高は2016年末で79・9兆円に達しています。

 内外の多国籍企業の税逃れの実態については、徹底した調査・究明が求められます。

 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は11月、「パラダイス文書」を暴露しました。英領バミューダ諸島に拠点を置く法律事務所などから流出した膨大な電子ファイルは、昨年発覚した「パナマ文書」を上回る1340万件という史上最大規模の情報リークです。多国籍企業と政治家、超富裕層たちがタックスヘイブンを利用している実態を暴き、再び世界に衝撃を与えています。

 タックスヘイブンの秘密主義は汚職や腐敗を助長します。多国籍企業と超富裕層の税逃れによる税源の浸食は、各国の所得の再分配機能を低下させ、貧困対策に打撃を与え、社会保障や教育などの行政を滞らせます。貧しい国々にはとりわけ大きな被害を与えます。

 「タックスヘイブンは、一部の富裕層や多国籍企業に間違いなく利益をもたらしていますが、この利益は他者の損失の上に成り立っており、格差と不平等を助長する大きな要因になっています」―。これは、トマ・ピケティ氏ら300人を超す経済学者たちから世界の首脳に向けられた言葉です。

格差拡大の増幅を許さず
 秘密の領域であるタックスヘイブンは、「格差増幅装置」です。国際協力団体オックスファムによると、世界の超富豪8人の持つ富が、世界人口の約半数の36億人が持つ富と等しくなっています。この格差拡大の中核に存在しているのがタックスヘイブンです。国際社会は、この極端に拡大した格差と共存することはできません。

 TJNは、「パラダイス文書」暴露に合わせ声明を発表しました。国連のもとで首脳会議を開催し、税逃れ根絶への対策を講じるよう呼びかけました。

 国際社会は協力体制を構築し、税逃れに立ち向かう時です。

1しんぶん赤旗

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-12-29/2017122901_05_1.html

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