「おばあちゃんの鐘馗(しょうき)さま」

安倍改憲ノー。戦争法と共謀罪廃止、野党は共闘。

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2016/11/10 2603号                      (転送紹介歓迎)
[JCJふらっしゅ]

世界の平和にかかわる最新ニュース、マスメディアのニュースの検証など、市民とジ
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            < 行 動 要 請 >
          …NHK門前で声を上げませんか…
             籾井会長再任絶対反対!
         公共放送NHKにふさわしい会長を!
            市民に開かれた会長選考!を!

 次期NHK会長選びが重大局面を迎えました。籾井会長の再任に反対する行動が強
く求められています。また、これまでのように官邸、財界が会長候補を事実上決めて
きた経過は、NHKの本来のあり方にとって異常です。この歴史も断ち切らなければ
なりません。
 NHK全国退職者有志は、退職者2000名の籾井罷免要求署名の声を引き継ぎ、
 緊急のNHK門前集会を企画しました。多数の市民の皆さん、NHKОB・ОGの
皆さんの参加を呼びかけます。

◎NHK門前集会
日時:11月21日(月)18:00〜19:00(小雨決行)
場所:渋谷・NHK放送センター西口
<リレートーク登壇予定者>(順不動・西口で街宣車の上から)
仲築間卓蔵さん(マスコミ9条の会・日本テレビOB)
丸山重威さん(日本ジャーナリスト会議・共同通信OB)
小中陽太郎さん(作家・NHKOB)
根本仁さん(NHKとメディアを語ろう・福島、NHKOB)
池田恵理子さん
(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)・NHKOG)
門目省吾さん(NHKをただす所沢市民の会・NHKOB)

*手書きプラスター歓迎(「アベチャンネルNO!」「NHKを視聴者の手に」
「籾井NO!」etc)
*「NHKで働くみなさんへ」というチラシを配布。コール有。
 参加者にペンライト配布

<主催>NHK全国退職者有志
協賛:NHK報道を市民の手にネットワーク
連絡先 門目省吾 090-2907-9405 cado@circus.ocn.ne.jp
    今井 潤 090-4678-7132 tiger-imai@nifty.com

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C・O・N・T・E・N・T・S
└─────────┘

◇「報道クリップ」
  ・衆院本会議でTPP承認案と関連法案を可決、山本農相不信任決議案は否決
  ・獲得票数では、クリントン氏がトランプ氏をわずかに上回った

■日程情報□■
・11月26日(土)18時30分〜20時50分 明治大学研究棟4階・第一会議室
 尖閣での日中衝突は起こりうるのか 中国脅威論と翼賛報道を検証する アジア記者クラブ設立24周年記念シンポジウム
 パネリスト/岡田充(共同通信客員論説委員)、趙 宏偉(法政大学教授)、村田忠禧(横浜国立大学名誉教授)
・12月3日(土)13:00.17:00 エデュカス東京(全国教育文化会館、千代田区二番町12─1
 第1部 「秘密の壁」をどう乗り越えたか 第2部 新しい調査報道のかたち
 石井暁、立岩陽一郎、萩原豊、秦融、日野行介 (司会と進行)高田昌幸、大西祐資、松島佳子
 詳細 http://www.jcj-daily.sakura.ne.jp/images/20161203tyousa.pdf
・12月4日(日)午後1時半〜5時 エデュカス東京・7階会議室(東京都千代田区二番町12−1、地下鉄有楽町線・麹町駅下車徒歩2分、JR四ツ谷駅、市ヶ谷駅から徒歩7分)
 JCJ12月集会「TPP・アベノミクス、浜矩子さんが斬る」
 講師:同志社大学大学院教授・浜矩子

(集会日程、学習会日程、その他イベント等各日程の詳細は記事の下↓をご覧下さい)
イベント等情報は、直接当編集部宛、お寄せください。告知記事は、これまでのふ
らっしゅに掲載の告知スタイルをご参照ください。(形式が大幅に異なる場合には、
掲載が遅れたり、間に合わないことがありますのでご注意ください。また、メール件
名には必ずふらっしゅ編集部への「掲載依頼」の旨を明示してください)
junzo_eagle@yahoo.co.jp(ふらっしゅへの返信も同一)までお願いします。

*掲載依頼は直前ではなく、なるべく早めにお寄せください。また、メールが迷惑メ
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▽衆院本会議でTPP承認案と関連法案を可決、山本農相不信任決議案は否決

 10日、衆院本会議。
 山本農相に対する不信任決議案(民進、共産、自由、社民の野党4党が提出)を反
対多数で否決。
 あれだけの暴言・珍言で議会を愚弄した閣僚を。安倍自公政権は野放しのうえ擁護
した。

 またこの日の衆院本会議は、自公与党と日本維新の会の賛成多数で、TPP(環太
平洋パートナーシップ協定)承認案と関連法案を可決、衆院を通過させた。

 TPPは参加12カ国でも経済規模の大きい米国議会が承認しなければ発効しな
い。それに8日の大統領選で勝利したトランプ氏は「来年1月20日の大統領就任日
にTPP脱退を宣言する」(共同通信)としており、日本など他の参加国に再交渉を
求める考えもないとしている。にもかかわらず、この日採決を強行したのはなぜなの
か。ただの行きがかり上のメンツがそうさせているのなら、愚かこの上ないというこ
とになろう。

 米国は、オバマ政権が年内の議会承認を目指していたが、大統領選ではTPP脱退
を掲げた共和党のトランプ氏が勝利した。
 マコネル上院院内総務(米議会で過半数を占める共和党の重鎮)は、9日の記者会
見で「環太平洋連携協定(TPP)が年内に議会に提出されることは確実にない」と
述べている(→同)。

 また、日本と同様に早期の議会承認を目指してきたニュージーランドは、TPPに
関連する国内法改正案の審議が終盤にきているが、キー首相は10日、米大統領選で
トランプ氏が勝利したことを受けて、TPPが来年1月までの間に開かれる米国のレ
ームダック(死に体)議会で「承認される可能性はゼロに近い」と述べている。

 10日、テレビ朝日は、「4日の特別委員会でTPP関連法案の採決を強行して以
来、本会議での採決ができなかった与党側は、この後、午後1時から本会議を開いて
法案を通過させる方針です。政府・与党は、TPPに反対してきたトランプ氏の勝利
に戸惑いながらも協定の批准に向けた日本側の姿勢は変えないとして、あくまでも
10日の採決にこだわっています」とニュースで伝えた。

 民進党の山井国対委員長は「(トランプ氏が大統領に決まったなかで)国会でTP
Pについて強行採決する。国民からも世界からも全く理解されないと思います」と話
した。
 同ニュースは、民進党幹部のひとりは、トランプ氏の勝利でTPP協定そのものが
風前の灯となっているなか、このまま安倍政権が審議を進めれば傷が深くなるだけだ
として、参議院でも追及していく方針を示したことを伝えた。

 なお、首相の安倍氏は10日午前、米大統領選に勝利した共和党のトランプ氏と電
話会談し、米ニューヨークで今月17日に会談する方向で調整を進めることで合意し
た。共同通信によると、安倍氏はトランプ氏に祝意を表明したうえで、アジア太平洋
地域の平和と繁栄の確保に向け、日米同盟強化を両氏は確認したという。安倍氏は、
今月中旬にペルーで開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議への出
席に先立って、ニューヨークを訪問する意向なのだという。

 ところで首相の安倍氏といえば9月(つまり大統領選直前)にヒラリー候補と会っ
ている。
 産経新聞が9月20日付で、以下のように書いている。

 ──9月19日午後(日本時間20日朝)、米大統領選民主党候補ヒラリー・クリ
ントン前国務長官を米ニューヨーク市内のホテルで迎えた安倍晋三首相は、こう語り
かけた。女性政策を持ち出しつつ、クリントン氏との個人的な“信頼関係”を見せつ
けることで、共和党候補のドナルド・トランプ氏への不信感をにじませたのだ。──

 ──会談すればクリントン氏に「肩入れ」したとも受け取られかねない。それでも
首相が踏み切ったのは、日米同盟を覆しかねない言動を繰り返すトランプ氏が大統領
になることへの危機感を強めているからだ。トランプ氏は在日米軍の撤退や日韓の核
武装容認論などに言及しており、そうなれば厳しさを増すアジア太平洋地域の安全保
障環境は混迷に陥りかねない。安全保障問題で現実的な路線を取るとみられるクリン
トン氏とあえて会談することで、トランプ氏を牽制(けんせい)する狙いがあったよ
うだ。──

 まるで太鼓もちのような記事。浮かれている記者の姿が目に浮かぶようだ。

 まったく自主自立どころか節操も先読みもマナーも何もあったものではない。
 そういうご仁が日本の首相をやっている。恥ずかしいことである。
 後先を考えず、ただ自己満足と自己保身のために前のめりにつんのめる首相の安倍
氏はじめ安倍自公右翼カルト政権。どたばたもいいところである。

 9日にはベトナム政府が、日本などが受注を決めた中部ニントゥアン省の原発建設
計画を白紙撤回する方針を決めた。ベトナム国会は同日、政府が計画の中止を求める
決議案を10日に提出することを明らかにした。(→共同通信)


山本農相の不信任決議案、衆院本会議で否決(読売新聞10日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161110-00050071-yom-pol
TPP承認案と関連法案が衆院本会議で可決(共同通信10日)
http://this.kiji.is/169359207387938818
TPP承認案 衆院本会議で可決(毎日新聞10日)
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6220494
米、TPPの年内承認見送りへ 議会重鎮「確実にない」(共同通信10日)
http://this.kiji.is/169220041334030341
TPP可能性ゼロに近い ニュージーランド首相(共同通信10日)
http://this.kiji.is/169302334872946172
トランプ氏勝利で風前の灯?TPP法案 衆院で採決へ(テレビ朝日10日)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20161110-00000023-ann-pol
首相、トランプ氏17日会談へ NYで、米軍駐留経費など焦点(共同通信10日)
http://this.kiji.is/169225578375249924?c=39546741839462401
安倍晋三首相とヒラリー氏の会談、米大統領選直前に“異例” にじむトランプ氏へ
の不信感、日米同盟崩壊への危機感(産経新聞9月20日)
http://www.sankei.com/politics/news/160920/plt1609200035-n1.html
日本受注のベトナム原発計画白紙 財政難理由、政権輸出戦略に打撃
(共同通信10日)
http://this.kiji.is/168978958645937661


▽獲得票数では、クリントン氏がトランプ氏をわずかに上回った

 今回、米大統領選を制したのは共和党候補のドナルド・トランプ氏だった。
 選挙人獲得数で過半数に達し、民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官は9
日、敗北宣言を行い、大統領としての成功を祈ると述べ、トランプ氏と協働する意向
を表明した。

 しかし一般投票の獲得票数でみると、クリントン氏のほうがトランプ氏をわずかに
上回っている。(→AFP)

 クリントン氏5968万9819票(47.7%)に対し、トランプ氏は5948
万9637票(47.5%)だった。

 米国では大半の州で勝者が選挙人を総取りする「選挙人団(Electoral College)」
制度が採用されているため、制度の性質上、トランプ氏が全選挙人538人の過半数
を獲得して勝利する結果となった。

 2000年の大統領選でも、アル・ゴア氏(民主党)が投票数の48.4%を獲得
し、ジョージ・W・ブッシュ氏(共和党)氏が47.9%を得たが、選挙人の獲得数
によって、ブッシュ氏が勝利して「物議を醸した」(AFP)。

 AFPは10日、「一般投票で勝っても米大統領になれない制度、改正求める声も
?」の記事を出して、<こうした展開で共和党の大統領候補が勝利するのは今回が2
度目で、選挙制度の改革を求める声が上がりそうだ>と書いている。

 なおトランプ氏は勝利演説で「私は全てのアメリカ人の大統領になる」と語り、
「今こそ私たちは、一致団結した国民の姿を見せるべきです」「私を支持しなかった
方にも、私は手を差し伸べます」と、自身を支持しなかった人々に歩み寄る姿勢を見
せた(→huffingtonpost)。また「世界に向けて宣言します。私たちは、常にアメリ
カの利益を最優先しますが、全ての人・国に公正に対応します。紛争や対立ではな
く、この機会にパートナーシップを。共通認識を探っていきます」(同)。

 クリントン氏は翌日、「昨夜、私はドナルド・トランプ氏に祝意を伝え、私たちの
国のために彼と協力すると申し出た」「私は彼が全ての米国民にとって成功を収める
大統領となることを願っている」(AFP)と表明した。また、今回の選挙によって
米国が「私たちが思ったよりも深く分断されている」ことが示されたと述べた上で、
「私たちは広い心を持ち、彼に指導者としてのチャンスを与える義務がある」と呼び
かけた。

 一般投票の翌日9日、米国の各地でトランプ氏に抗議する集会やデモ行進が広がっ
た。
 共同通信は以下のように伝えた。

 ──8日の米大統領選で勝利を決めた共和党のトランプ氏に抗議する集会やデモ行
進が、9日にかけて全米各地で行われた。一部の参加者が暴徒化して店舗の窓ガラス
を割ったり、米国旗を燃やしたりした。インターネット上では、ヒスパニック(中南
米系)の移民やイスラム教徒に対する排外的な発言を繰り返したトランプ氏を非難
し、抗議行動への参加を求める呼び掛けが続いた。大半が平和的な抗議活動で、警官
隊との大規模な衝突などは起きなかったもようだ。
 AP通信などによると、カリフォルニア州オークランドでは約250人が抗議。一
部が高速道路に進入し通行車両を壊そうとした。──

 なおAFPが10日、「トランプ氏勝利 同盟国は慎重姿勢、極右は歓迎 各国の
反応まとめ」の記事を出しているでの、一読されたい。

 ドイツのメルケル首相は、トランプ氏が物議を醸す発言を繰り返したことに言及
し、「ドイツと米国は民主主義、自由、法の支配の尊重、そして、出自や肌の色、宗
教、性別、性的指向、政治的信条に左右されない人間としての尊厳という価値観を共
有している」(AFP)と述べ、首脳としての責任について念を押すのを忘れなかっ
た。
 就任式も終えていない次期大統領に会いにひょこひょこ出かけていく日本の誰かさ
んとは大違いである。

 AFPは極右勢力の歓迎ぶりも伝えている。
 仏極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首は、トランプ氏の当選は「わが国
にとって良い知らせだ」と歓迎。
 ハンガリーで強硬な反移民政策を進める右派連立政権を率いるオルバン・ビクトル
首相「素晴らしい知らせだ。民主主義はまだ生きている」と、トランプ氏に祝意を表
明。


一般投票で勝っても米大統領になれない制度、改正求める声も?(AFP10日)
http://www.afpbb.com/articles/-/3107442?act=all
トランプ新大統領が勝利宣言「私は全てのアメリカ人の大統領になる」(演説詳細)
(The Huffington Post 9日)
http://www.huffingtonpost.jp/2016/11/09/trump-speaks-11-09_n_12877868.html
クリントン氏が敗北宣言 トランプ氏との協力表明(AFP10日)
http://www.afpbb.com/articles/-/3107417?cx_tag=pc_rankday&cx_position=1#cxrecs_s
全米各地でトランプ氏に抗議 一部が暴徒化、ガラス割る(共同通信10日)
http://this.kiji.is/169247474089345026
トランプ氏勝利 同盟国は慎重姿勢、極右は歓迎 各国の反応まとめ
(AFP10日)
http://www.afpbb.com/articles/-/3107416?act=all

露骨な続投工作…NHK籾井会長が「受信料値下げ」突如提案

2016年11月8日


日刊ゲンダイ

 これは露骨な続投工作だ。NHKの籾井勝人会長(73)が突然、来年10月から受信料を月額50円程度値下げする方針を、8日の経営委員会に提案。了承を求めるという。

 籾井会長は「放送センターの建て替え費用にメドが付き、今後も年間200億円以上の余剰金が出る。視聴者に還元すべきだ」ともっともらしい理由をつけているが、本当の狙いは別にあるともっぱらだ。

 籾井会長は来年1月に任期満了となるが、視聴覚障害者へのたび重なる蔑視発言など暴言や失言により、報道機関のトップとしての資質が疑問視されており、有識者らから「再選反対」の声が上がっている。そこで、人気取りのために値下げを言いだしたというわけだ。

 姑息な続投工作に、経営委員も「失言を繰り返しておいて、何を今さら」と呆れ顔だ。

2016年11月6日(日)

きょうの潮流

しんぶん赤機

 ドラマファンの間で評判だったNHKの「夏目漱石の妻」。文豪と妻・鏡子の心の取っ組み合いが激しくも、いとおしさを込めて描かれました。日露戦争や労働運動など、明治という時代の流れも織り交ぜながら

▼改めて思うのは、NHKの番組制作の層の厚さです。少し前、あるプロデューサーが公共放送の役割について「視聴率にとらわれることなく、バラエティーやドラマでも政治や社会問題をテーマにすえ、提起していくことがある」と語っていました

▼籾井勝人会長が「政府が右と言うものを左とは言えない」と述べたのは、2年前の就任会見でした。以後、安倍政権寄りのニュース報道が目立ち、制作現場の萎縮も伝えられます

▼しかし、あきらめない職員が存在するのも事実です。「企画を通すのは大変だが、手も足も出ないわけではない」「自分の信じる道を進みたい」と懸命な努力が続けられています

▼政権の意に添った放送をするのは、今に始まったことではありません。権力に従うか、逆に権力が間違えば厳しく批判するか。番組制作者や記者から執行部に至るまで、NHKの放送の歴史は二つの立場のせめぎあいでもありました

▼さて籾井会長の任期は来年1月。経営委員会は次期会長選考へ。あきれたことに籾井氏も候補の1人としています。

市民団体による「籾井氏の再任反対」署名は3万人を超えました。学者、児童文学作家ら有識者も「権力から独立した公共放送にふさわしい」会長選任をと強い声をあげています。

2016/11/04 2599号                      (転送紹介歓迎)
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<おすすめ記事情報>
・「明治の日」制定求め、自民議員ら国会内で集会(朝日新聞2日)
 http://www.asahi.com/articles/ASJC14W0VJC1UTFK00J.html
*明治天皇の誕生日である11月3日を「明治の日」にしようと、祝日法改正運動
を進める団体が1日、国会内で集会を開いた。明治維新から150年の節目にあたる
2018年の実現に向け、超党派での国会議員連盟発足を目指しているが、国会議員
の参加は14人で、うち自民党以外は2人にとどまった(民進党からは鷲尾英一郎衆
院議員が参加した)。
*集会には約140人が参加。明治の日の実現を求める約63万8千筆の署名を自民
党の古屋圭司選対委員長に手渡した。安倍首相に近い古屋氏は「かつての『明治節』
がGHQ(連合国軍総司令部)の指導で大きく変わることを強いられた。明治の時代
こそ大切だったと全ての日本人が振り返る日にしたい」
*稲田朋美防衛相も「神武天皇の偉業に立ち戻り、日本のよき伝統を守りながら改革
を進めるのが明治維新の精神だった。その精神を取り戻すべく、心を一つに頑張りた
い」

<憲法公布70年>

・憲法公布70年 何を読み取り、どう生かす(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/articles/DA3S12639772.html?ref=editorial_backnumber
*憲法の知恵と理念は十分に生かされてきただろうか。安倍首相が憲法改正に意欲を
見せるなか、今月10日に衆院憲法審査会の議論が再開される。だが改憲を論じる前
に、もっと大事なことがある。

・憲法公布70年 感激を忘れぬために(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016110302000143.html
「戦争放棄の宣言は、数千万の犠牲を出した大戦争の体験から人々の望むところであ
り、世界平和への大道である」

・憲法公布70年 土台を共有しているか(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/005/070/125000c
*現行憲法の果たしてきた歴史的な役割を正当に評価したうえで、過不足がないかを
冷静に論じ合う態度だろう。70年のうちに時代は変わった。国民の意識も多様化し
ている。「押しつけ」論と「護憲」論を延々とぶつけ合っていても、憲法に生命力を
注ぎ込むのは困難だ。

・憲法公布70年 社会に生かす努力こそ(北海道新聞)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0090020.html
*憲法を議論する機会は今後も増えるだろう。そこに危うい主張はないか、目を凝ら
し見極めたい。

・憲法公布70年 普遍の理念生かす道こそ(西日本新聞)
 http://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/syasetu/article/286335
*「歴史とは現在と過去との間の尽きることのない対話である」
*憲法は誰のものか。安倍晋三首相は自分が主役である、と勘違いしていないか。そ
うであれば「主客転倒」です。
*国民の権利がいたずらに制限され、国家権力が一人歩きしたことで何が起きたか。
新聞がそこに加担し、未曽有の惨禍をもたらした過ちも改めて見据えたい、と思いま
す。

・憲法の岐路 公布から70年 主権者の意思が問われる(信濃毎日新聞)
 http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20161103/KT161102ETI090007000.php
*憲法の前文が「日本国民は」で始まるのに対し、自民の改憲草案は「日本国は」で
始まる。基本的人権は永久に侵すことができないと宣言した97条は、丸ごと削除。
*次の世代に対する責任でもある。憲法が脅かされる現在の状況は半面で、主権者で
ある私たちが憲法の価値を自らのものとする機会になり得る。

・憲法公布70年 戦後日本の礎 大切につなぎたい(愛媛新聞)
 https://www.ehime-np.co.jp/online/editorial/?sns=2
*安倍首相自身、何が問題なのかを具体的に示しておらず、改憲そのものが目的化し
ている。安倍政権下での改憲議論は、最初から「なぜ変えなければならないのか」が
欠落している。
*憲法に対する国民の関心が高まり、議論が深まることを望む。「時代に合わなくな
ったから」などの漠然とした理由ではなく、具体的な必要性に基づいて議論が進めら
れるべきだ。

・[憲法公布70年]審査会は沖縄直視せよ(沖縄タイムス)
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69143 … @theokinawatimesさんから
*沖縄では憲法体系よりも安保法体系が優位に立つ場面が少なくない。地位協定の存
在が今なお、地方自治を制約している。それが現実だ。

─      ─      ─      ─      ─      ─  

・我々は皆「土人」である 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(20)】
(沖縄タイムス)
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69400
*あまりにも理不尽なことが堂々と持続的に行われていると、いつのまにか感覚が麻
痺(まひ)してきて、ああこれは当たり前の出来事なのだと、「思考停止」の状態に
陥ってしまうということが、僕らの国の歴史では繰り返されてきた。沖縄にまつわる
最近の出来事を思い返してみてほしい。

┌─────────┐
C・O・N・T・E・N・T・S
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◇安倍政権が歓迎する「劇場型メディア」
 山田 明

◇かつての勢いはどうした、フジテレビ?
 岩崎貞明

■日程情報□■
・11月26日(土)18時30分〜20時50分 明治大学研究棟4階・第一会議室
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 パネリスト/岡田充(共同通信客員論説委員)、趙 宏偉(法政大学教授)、村田忠禧(横浜国立大学名誉教授)
*12月3日(土)13:00.17:00 エデュカス東京(全国教育文化会館、千代田区二番町12─1
 第1部 「秘密の壁」をどう乗り越えたか 第2部 新しい調査報道のかたち
 石井暁、立岩陽一郎、萩原豊、秦融、日野行介 (司会と進行)高田昌幸、大西祐資、松島佳子
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*12月4日(日)午後1時半〜5時 エデュカス東京・7階会議室(東京都千代田区二番町12−1、地下鉄有楽町線・麹町駅下車徒歩2分、JR四ツ谷駅、市ヶ谷駅から徒歩7分)
 JCJ12月集会「TPP・アベノミクス、浜矩子さんが斬る」
 講師:同志社大学大学院教授・浜矩子

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          安倍政権が歓迎する「劇場型メディア」

                         山田 明

 やっと秋らしくなってきたが、メディアは相変らずだ。テレビなどで「小池劇場」
が続く。
 豊洲や東京五輪も大切なテーマだが、国民生活や国政に関わる重要な問題が見過ご
されがちだ。TPP・年金・介護・労働・障害者、そして原発・沖縄・安保・憲法な
どなど。秋風とともに急に「解散風」が吹き始めた。安倍政権は空虚なスローガンを
連発し、「劇場型メディア」を歓迎しているようだ。

 東京五輪後は大阪で万博という構想がにわかに注目されている。中日10月8日特
報は「再び大阪万博なぜ?」と問う。万博で景気浮揚、カジノ推進を狙う。相も変わ
らぬ「お祭り型公共投資」だ。朝日9日によると、安倍政権が維新肝煎りの万博誘致
を後押しするのは憲法改正にも関係がありそうだ。なりふり構わず、政権にすり寄る
維新の動向にも目が離せない。

 沖縄はまるで日本の植民地であるかのようだ。参院選直後、沖縄本島北部の高江で
ヘリパッドの建設を強行した。機動隊を全国から動員し、自衛隊まで出動させ、暴力
的に作業が進められる。朝日9月25日で福島申二編集委員は「1%に押しつけて
99%が安らぐ異様な図を、私たちは描き直すときである」と。

 それにしても、国家権力による「やんばるの森」の破壊は許せない。粛々と環境破
壊を押し進める安倍政権。原発再稼働とともに沖縄から環境破壊の動きにも注視した
い。

 司法も政権にすり寄る姿勢が目立つ。福岡高裁那覇支部の「辺野古訴訟判決」は、
学界や法曹界に衝撃を与えた。地方自治や法治主義、司法のあり方を揺るがす判決
に、翁長雄志知事が「あぜん」という言葉を連発するのも無理はない。沖縄県の上告
を受けた最高裁に良識ある判断を求めたい。

 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で重度の障害者19人が殺害さ
れ、27人が負傷した事件から2カ月余りが過ぎた。毎日10月12日「記者の目」
で、重度の自閉症の子の親である野沢和弘記者の問いかけが心にせまる。「どうにも
腑に落ちない。いったい真の被害者は誰なのだろうか」。「保護者に同情するのであ
れば、そのベクトルは差別や偏見をなくし、保護者の負担を軽減し、障害のある子に
幸せな地域生活を実現していくことへ向けなければならない」と。

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          かつての勢いはどうした、フジテレビ?

                           岩崎貞明

 フジテレビにかつての勢いがない、といわれて久しい。
 連続ドラマは軒並み低視聴率が話題となり、トレンディドラマで一世を風靡した
〈月9〉でも、今年1月から3月の放送で、女優の有村架純と俳優の高良健吾を主演
にそろえた「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(いつ恋)」全10話の
平均視聴率が9・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とついに一ケタ台となり、
〈月9〉始まって以来最低を記録した。

 ちなみに「いつ恋」の脚本は、ちょうど四半世紀前に放送され、平均視聴率22・
9%を記録した「東京ラブストーリー」と同じ坂元裕二。その「東京ラブストーリ
ー」のプロデューサーを務めた大多亮氏はいまフジテレビ常務取締役。現社長の亀山
千広氏は大ヒットを記録した刑事ドラマ「踊る大捜査線」のプロデューサーとして名
を馳せた。

 数々の成功体験を持つ彼らが率いる今のフジが、なぜ低迷しているのか。
 「笑っていいとも」をはじめとする長寿番組を終わらせて、過去の成功体験に固執
しない道を模索している、とみる向きもあるだろう。
 しかし、あえていえば、過去の成功体験を生かしていない側面もあると思う。80
年代初頭から90年代にかけて視聴率「三冠王」に輝いていたころのフジはどうだっ
たのか。

 1992年に、当時のフジテレビ編成局調査部が編集した『フジテレビ解体新書』
(非売品)という書籍がある。
 この中に、当時のフジテレビを外部のクリエーターたちがどうみているか、をまと
めた「形而上のフジテレビ論」という一章がある。そこには、次のような言葉が並ん
でいる(肩書は原文のまま)。

 「他局に先行して新しい要素を番組に取り込む先見性に長けている」(安住磨奈・
コラムニスト)。「現場の若い人にかなりの裁量が与えられている」(野沢尚・シナ
リオライター)。「上からアレコレいわれずにのびのびやらせてくれる雰囲気」(小
嶋雄嗣・東映時代劇プロデューサー)。「アイディアやタレントも含めて、内容の新
陳代謝が活発に行われている」(岩立良作・放送作家)。

 今のフジテレビが忘れている、重要な指摘があるのではないか。80年代の成功
は、若手に権限を降ろしたことも大きかった。そんな英断、今のフジに踏み切れるだ
ろうか。

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     まやかしの新共謀罪 日弁連反対集会で海渡弁護士報告
       組織犯罪、テロと無関係 国連条約は締結できる

                           橋詰雅博

 2020年の東京五輪・パラリンピックを口実にテロ対策強化を打ち出した「新共
謀罪」(「テロ等組織犯罪準備罪」と罪名を言い変えるという)法案を安倍政権は、
来年1月の通常国会に提出する。同法案を成立させる理由として安倍政権は、
2000年11月に国連で採択され12月に日本政府が署名した越境組織犯罪防止条
約の締結に欠かせないためとしている。しかし、条約締結に反対していない日弁連
は、共謀罪法を成立させなくても、条約締結はできると反論している。

 9月29日に東京・霞が関の弁護士会館で開かれた共謀罪反対集会(写真)で、日
弁連共謀罪法案対策本部副本部長の海渡雄一弁護士は改めてその理由を挙げた。
 国連越境組織犯罪条約が規制対象としている組織犯罪とは何かについて、海渡氏は
こう述べた。

◆テロ犯罪に名を借りた法案

「国連条約の組織犯罪とは、国境をまたいで活動するマフィアやマネーロンダリング
(資金洗浄)、麻薬の密輸、人身売買などを繰り返す集団が犯す経済犯罪です。ま
た、条約では政治的、宗教的なテロリズムを除外すると明記されている。テロは組織
犯罪ではないというのが条約の重要な前提になっている。条約とテロ対策とは関係が
ありません」

 計画するだけで処罰する共謀罪を新設するためにテロ犯罪防止に名を借りた法案だ
というのだ。
 そもそも日本政府は国連が制定した多くのテロ対策条約を締結している。ハイジャ
ック防止のためのハーグ条約、核物質防護条約、シージャック防止条約、テロ資金供
与防止条約などがその代表だ。国内法としてテロ資金提供処罰法、核物質によるテロ
犯罪を予備段階から処罰可能な法律なども成立している。

 このようにテロ対策としてさまざまな立法が積み重ねられてきているのだ。新たに
テロ対策に重点を置いた法律を定める必要はないというのが一般的な見方だ。

◆重大犯罪は着手前処罰

 さらに国内では殺人・強盗・放火など72の極めて重大な犯罪について、着手以前
の「予備」「準備」「共謀」「陰謀」で処罰可能な制度が整っている。
 「新共謀罪法を成立させなくても、組織犯罪を取り締まれる現行法は、国際越境組
織犯罪防止条約の要請を満たしている。部分的に保留もできます。条約の締結はでき
る」(海渡弁護士)

 安倍政権が提出予定の新共謀罪法案は、4年以上の懲役もしくは禁錮刑が定められ
た組織的威力業務妨害、公職選挙法、金融商品取引法、組織的建造物損壊罪など
600以上の犯罪に共謀罪が新設される。

 危険極まりない新共謀罪法案を通常国会に提出させないための大きな運動を展開し
ようと日弁連は呼びかけている。


  *上記いずれもJCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年10月25日号
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【社説】東京新聞

週のはじめに考える 戦争と新聞

2016年8月14日


 今年も鎮魂の夏を迎えました。終戦まで戦意をあおり続けた新聞も、その責任を免れません。権力とどう向き合うのか、今も重い課題を投げかけます。

 七十一年前、一九四五(昭和二十)年のきょう八月十四日から十五日にかけて、宮城(きゅうじょう)(現皇居)周辺はクーデター未遂事件の舞台となり、騒然とします。日本の降伏を阻止しようと一部将校が企てた「宮城事件」です。

 歴史研究家で作家の半藤一利さんが綿密な取材で著した「日本のいちばん長い日」に詳しく記されています。二度にわたって映画化もされました。

◆反乱軍から放送守る
 その中に、東京・内幸町にあった日本放送協会の放送会館が将兵に占拠される場面があります。

 反乱を企てた陸軍少佐がスタジオで、放送員の館野守男(たてのもりお)さんに拳銃を向け、「午前五時の報道の時間のとき、自分に放送をさせてくれ」と懇請しました。

 しかし、「たとえ殺されても、狂気の軍に放送局を自由にさせてはならない」と考えていた館野さんは、警戒警報発令中の放送には東部軍管区の許可がいる、全国中継なら各放送局と技術的な打ち合わせが必要、などとかわします。

 にらみ合いはしばらく続きました。結局、少佐は東部軍参謀の電話による説得を受け入れ、抵抗を終えます。終戦の詔を自ら読み上げた昭和天皇の録音盤は無事、宮城から放送会館に運ばれ、十五日正午から「玉音放送」として全国に放送されます。

 館野さんは四一(昭和十六)年十二月八日、開戦の詔勅を朗読したアナウンサーでもありました。戦後はNHKのアメリカ総局長、国際局長なども歴任しました。

 メディアに携わる者としての命懸けの抵抗が、終戦をめぐる泥沼の混乱から日本を救ったのです。

◆「日本必敗」掲載命ず
 先の大戦中、放送のみならず新聞も厳しい統制下に置かれます。軍部や特高警察が日々の紙面に厳しい目を光らせていました。

 そうした戦時中でしたが、本社にも抵抗を試みた先輩がいます。

 四五年五月のドイツ降伏後、日本への空襲が激しさを増す中、富塚清(とみづかきよし)東大教授が書いた「日本は必ず敗(ま)ける」と題する評論が配信されます。その理由を理路整然と挙げ「一刻も早く戦争を終結させ、日本と日本民族の存続を図らなければならない」との論旨です。

 紙面編集担当の三浦秀文(みうらしゅうぶん)整理部長(後の本社社長)は掲載を命じます。部員は「こんな原稿を載せたら部長は銃殺、新聞は発行停止になる」と抵抗しますが、部長は「俺が一切の責任を取る。俺が銃殺になれば済むことだ」と一喝、原稿は印刷工場に回されました。

 遠隔地に配達するため締め切り時間の早い「早版」が刷り上がると、査閲部長が血相を変えて「この記事は何だ!」と詰め寄り、記事の削除を命じてきます。査閲部とは、記事内容が軍部の検閲を通るかどうかを審査する部署です。

 しかし、三浦部長は泰然としてたばこを吹かしながら、最後にこう命じます。「この記事は(締め切り時間の遅い)後版で抜け。早版はこのまま刷って発送せよ」

 七二(昭和四十七)年十二月に刊行された「中日新聞三十年史」からの引用です。

 一部とはいえ、日本必敗論を掲載した新聞の発行には、相当の覚悟が必要だったことでしょう。

 この評論を書いた富塚氏は航空エンジンや2サイクルエンジンの研究で知られる工学博士。科学者らしく戦況を冷静に分析し、本社を含めて多くの解説評論を寄稿していました。

 本社が発行していた「中部日本新聞」の四五年六月八日朝刊にも「獨逸(ドイツ)は何故敗れたか」と題する記事が掲載されています。

 この中で富塚氏は神がかり、排他主義、機動性欠如の三要因を挙げ、教育者らしく科学軽視、教育軽視を加えています。ドイツの敗因分析の形になってはいますが、日本の軍部批判に他なりません。

 検閲をくぐり抜けるための工夫です。こうした記事を載せることで、軍部や特高に一矢を報いようとしたのでしょう。

◆権力と向き合う気概
 新聞は戦時中、大本営発表の誤った情報を垂れ流し、真実を伝えず、国民の戦意高揚の一翼を担いました。いかなる事情があるにせよ、日本を誤った方向に導いた責任を免れるものではありません。

 しかし、戦争という一個人ではあらがいきれない歴史の中で、命懸けの抵抗を試みた報道人がいたことも事実です。私たちにはその気概を受け継ぐ責任があります。

 新聞は今、緊張感を持って権力と向き合っているのか。権力とメディアとの関係が厳しく問われている今だからこそ、自問し続けなければなりません。戦争という歴史を繰り返さないために。


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