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環境
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誰も逃れることはできない中国大気汚染 逆説として「平等実現」
産経 2013.3.7 09:00
北京をはじめとする中国の大気汚染は、大陸に近い九州など日本国内でも影響への懸念が広がり始めた。
日本は中国の「風下」に位置する。黄砂現象を思い出せば明らかなように、風下国家は風上での環境破壊から逃れるすべがない。日本はもっと、中国の公害問題に敏感であってよいはずだ。
洋画家の梅原龍三郎が、代表作の「北京秋天」で、どこまでも広がる青空を描いたのは70年ほども昔だ。
PM2.5の脅威が叫ばれる昨今を梅原の当時とくらべるのは無理筋ながら、毛沢東時代から徐々に進んでいた環境破壊を急加速させたきっかけは、1991年6月の「北京宣言」だと筆者は考えている。
地球温暖化の防止に向けた「国連気候変動枠組み条約」の締結を92年に控え、中国は「発展途上国」の名の下で、環境保護よりも経済開発を優先させる大方針をこの「北京宣言」で掲げた。
そして、世界最大の温室効果ガス排出国となった現在でも、中国は排出削減の数値目標を拒み、途上国の自主的な取り組みを訴えるなど、「北京宣言」の原則そのものは譲っていない。
化石燃料をがぶ飲みして環境に負荷を加え続ける発展モデルには、さすがに限界を感じてか、2011年に始まった第12次5カ年計画では「低炭素型経済」への転換が盛り込まれた。
だが、環境保護を経済発展の下位に置く「北京宣言」の考え方は、92年のトウ小平による「南巡講話」を境とした市場経済の急激な広がりのなかで、都合よく中国の企業や行政当局に浸透し、あげく、環境汚染を「陸(土壌)、海(海洋と淡水、地下水)、空(大気)」に広げてしまった。その結果が、いま目の前を覆う煙霧である。繰り返しだが、問題は単に北京など都市部の大気汚染にとどまらないのだ。
あまりにも深刻な環境汚染について、中国の電子商取引大手「アリババ・グループ」のCEO(最高経営責任者)、ジャック・マーこと馬雲氏が、さる2月22日に中国・黒竜江省での企業家シンポジウムでこう言及している。
「特権階級の連中は特別な水を飲んでいるというのに、今度ばかりは特別な空気なんてものはないのだ」
「このたびの北京での煙霧について、私はことのほか喜んでいる。こんなに楽しかったことはない。特権階級の連中は特別な水を飲んでいるというのに、今度ばかりは特別な空気なんてものはないのだ。家に帰れば、女房子供から同じように文句を聞かされているのだから」
市場経済の勝ち組である特権階級には海外脱出という「奥の手」があるものの、国にとどまる限り、誰も呼吸を止めて大気汚染から逃れることはできない、という道理である。
当たり前に聞こえるが、毛沢東が説いた「絶えざる階級闘争」(継続革命論)によってではなく、大気汚染によってのみ、逆説的な形で人民の「平等」が実現されたという中国の現実は、あまりにも重すぎないだろうか。
(産経新聞中国総局長 山本秀也)
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きょうの潮流2013年1月10日(木)「しんぶん赤旗」より転載
「名には久しく聞いていたが、この吾妻(あがつま)の渓谷をこれほど好ましい渓(たに)とは想像しなかった。五町、十五町と見てゆく間に私は殆(ほとん)ど酔った者の様になってしまった」▼歌人の若山牧水は1918年11月、群馬の吾妻渓谷を訪れ、深い感動を覚えます。景色のよさに驚いただけではありません。来るべき場所へ来たという「安心と感謝」の念があふれ出ました▼先の大戦後、国は、渓谷に八ツ場(やんば)ダムをつくろうとします。当初は、国自身が「名勝」と定める区域のほぼ半分を水没させる案でした。のちに、4分の3の区域を残す計画に変え、名勝を守るかのように説明しています▼しかし、想像してみればいい。牧水の気分で渓谷を見ながら上流へ。やがて巨大なダムサイトが現れ、自然の造形が断ち切られてしまう…。もはや、牧水が安らぎ感謝をささげた景色からは、ほど遠い▼昨年暮れ、新しく任についたばかりの太田国土交通相が、八ツ場ダム建設を推し進める考えを明かしました。民主党政権が「建設中止」の公約を破り、事業を再開していた八ツ場ダム。4600億円もかけて無用の長物をつくる大型事業です▼太田氏は、公明党の人です。公明党は、憲法を改め「環境権」を盛り込むよう唱えています。「かつての人間中心主義ではない自然との共生も含んだエコロジカルな視点に立った環境権を定めるべきである」と。いったい本気で「自然」「環境」を大事に思い、憲法について語っているのか。そう怪しまれても、仕方ないでしょう。
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八ッ場ダム根拠 洪水量 過大値採用 建設に道 |





