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再発見された幻の魚、クニマスを巡る動きは、関係自治体、学会、マスコミなど各方面で着実に勢いを付けているようだ。
田沢湖のクニマス漁師の子孫宅で、クニマスの卵を西湖、本栖湖の漁業組合に送った記録などが見つかったというニュースは興味深い。
というのは、その記録が現場の孵化場が作成したもので、一般に公表、公開される文書(例えば行政実績の記録文書)には記録が無いらしいと判るからである。
田沢湖に玉川の強酸性水を導入して利水開発を進める国策の前には、ある種の魚族の滅亡なぞ、当局者の眼中には無かっただろう。
北風寒い今日の午後、健康保持のための日課である外出の名目は、古書展であった。
駿河台下の古書会館地下の会場をぶらぶら見て歩いていると、大型厚冊の「秋田の釣り」という本が目に付いた。
釣りには興味が無いどころか、苦い思い出しかないので、一旦通り過ぎたが、直ぐにクニマスが頭に浮かんだ。
何か書いてあるかも知れないと思い直し、手に取って目次を調べると、確かにあった。「クニマスの由来」というような見出しであった。
読んでみると、クニマスの命名の由来の意味であった。付加的に、クニマス絶滅に関する簡単な記述があり、それによって、本件に関する理解の不正確さを知ることとなった。
すなわち、玉川の毒水注入のあった1940年で田沢湖のクニマスが(直ちに)絶滅したと早合点していたが、1956年までは漁獲があったらしいのだ。
だから、昨年の時点で、「70年前に絶滅したクニマス」と表現していたのは正確ではなかったのだ。また、当時の専門家による報文の記載もあった。
この古書を買う気は無かったので、これらの内容を手帳にメモしようとしたが、バッグを入り口で預けてしまっているので、筆記具を持ち合わせない。仕方なく、老衰した脳みそに何とか刻み込んで会場を出た。
ただし、手ぶらではなく、お礼の印に「シャンソン・ド・パリ」という汚損本を1冊買った。汚くて一部ちぎれているのだが、2,30曲ばかり収録されており、日本語、英語、フランス語の歌詞も付いているので、情報代としては高くない。
先見の明〜クニマス〜知らぬが仏
なお、クニマスのほか、固有種の小鮎やクチグロマスも同時期に絶滅したらしい。
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