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某所でのお年寄りの歌の集いで「雪」(雪やこんこ 霰やこんこ)が歌われた。講師が、“こんこ”を“こんこん”とも歌うことから一歩進めて、もともとは次のような歌詞であったと解説した:
≪ゆきや こんこん あられや こんこん
もっと ふれふれ とけずに つもれ
つもった ゆきで だるまや とうろう
こしらえましょう おねえさま≫
そのうえで、この歌詞を「雪」のメロディーに載せて、みんなで斉唱した。歌詞は無理なくメロディーに嵌って、めでたしめでたしだった。
ところが、あとで調べてみると、「雪やこんこん」は「雪」とは全く別の歌であることが判った:
「雪」 作者 不詳、『尋常小学校唱歌(二)』(1911(明治44)年)所収
畏れ多くも、滝廉太郎御製のメロディーをないがしろにして、「雪」の替え歌と成した、喜劇の一席であった。そうとは露知らず、当方も真面目に歌っていたのだから、まさにお笑いだ。
「雪やこんこん」が歌われなくなったのは何故か。メロディーは問題無いように思われる。歌詞が≪こしらえましょう おねえさま≫と女児言葉で終わっているのが気になる。雪合戦などダイナミックな雪遊びにいざなわない女児の歌と見做され、広まらなかったものか。
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東クメさんは、和歌山県出身なのですが、我が郷里では知る人ぞ知ると云う程度です。「鳩ポッポ」が有名で、確か和歌山県新宮市に歌碑が建っていますが、歌詞が現在歌われているものと違うようです。
2017/1/20(金) 午後 2:36 [ wad*yu*io* ]
そうですか。私は東クメさんのお名前は以前から存じ上げておりましたが、「雪やこんこん」は迂闊にも見逃していました。「鳩ポッポ」も、現今普通に歌われるものとは別の曲らしいですね。
2017/1/20(金) 午後 4:13 [ yha*rym* ]
幼稚園唱歌と教育唱歌の違いでしょう。教育唱歌は、教え諭す歌詞になっているのです。「雪やこんこん」はごく自然な幼児向けの歌ですが、「雪」には大人びた俳味が加味されています。この問題は、拙ブログの第43話と第106話などで吉丸先生が詳述しています。ぜひご一読ください。「雪やこんこん」が歌われなくなったのは何故か。難しい問いですが、結果として、明治33年の滝廉太郎よりも、10年後の島崎赤太郎が優れた作曲力を持っていたということになります。滝、島崎、北村季晴は非常にすぐれた作曲家で甲乙つけがたいものがあると思います。滝ばかりが注目されすぎなのです。
2017/1/20(金) 午後 9:40 [ kotoyo_sakiyama ]
相変わらずの丁寧なご教示有難うございます。作品や人物の評価には評価者の価値観や好みが反映されますので、多様な意見があって善いと思います。参考にさせて頂きます。
2017/1/20(金) 午後 11:50 [ yha*rym* ]