|
信時潔の作曲になる「われらの日本」と「日本のあさあけ」の楽譜を探索中のところ、親切な関係者の助言を得て、昨朝、東京藝術大学の図書館に行った。都営三田線の電車に間一髪乗り遅れて口惜しがっていたら、1分ほどで次の電車が入ってきて驚いた。
普段は6分間隔なのに。勿論、サービスが良くなった訳ではなく、故障か事故かでダイヤが乱れた後の回復段階の現象だろう。
図書館所蔵の「日本のあさあけ」は貴重図書に分類されており、監視の厳重な特別閲覧室でしか閲覧できない。メモを取るのに鉛筆以外は禁止だ。コピーは職員に依頼して取ってもらう。前回は「君が代」の合唱譜、管弦譜などをここで入手した。
今回もその調子で首尾よく合唱譜をコピーして貰えるとばかり思っていたところ、あっさり断られてしまった。著作権が存続しているので、曲の半分だけならコピーしてやるというのだ。
この手の話は前から聞いていたのだが、迂闊にも、戦後直ぐの発行ということばかり頭にあったものだから、作曲者の没後50年未満に気が回らなかった。それにしても、半分だけコピーして貰う人はいるのだろうか。
これでは、絶版楽譜は、運良く古書店などで入手しない限り、演奏不可能ということになるが、それでいいのか。名作の発掘、承継、普及、延いては文化の発展を阻害することになるが、文化のインフラ施設たる図書館としても、著作権ビジネスを保護する方が大事なのか。
演奏するなら著作権者に使用料を払わなければなりませんよ、と追い討ちをかけられた。ガックリきた当管理人を見下ろす職員が嬉しそうに見えたのは、僻み根性の所為か。年は取りたくないなー。仕方ないから、自分で適当にハモリを付けて歌うことにしよう。使用料は?
「われらの日本」は、雑誌に旋律譜が掲載されていて、こちらは貴重書扱いにはなっていないので、難なくコピーできた。雑音の充満する古い音源を参考にして合唱譜をでっち上げた。これも歌うときは誰かに使用料を払うのかな。幸か不幸か、世間の注目を浴びていないので、請求されることは無いと確信する。
最後に真面目な話題をひとつ。「われらの日本」の古い音源を我が家のピアノの音と比べたところ、“ほぼ”イ長調で歌われていると思われた。ホンの少しピッチが低いのは、古いSPレコードの製造技術が未熟だったか、そのレコードを回して発生信号をディジタル化する過程で狂ったかだろう。
我が家のピアノは、前日に調律したばかりなので、多分正確だろうとの前提でのお話。因みに、旋律譜はト長調で書かれている。音源に収録されているのはプロの人たちだ。聴きばえするように、1音上げて演奏したのだろうか。
|