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乾孝, 渋谷修 編著「にっぽんの歌」(淡路書房新社, 1960)というのを見付けた。横長の小型本(14×19cm)だが、総ページ数770頁ほどもありそうな厚冊で、第1 民謡 第2 庶民の歌 第3 流行歌 第4 しあわせの歌、の4部から成る。
目次を捲っていて、「伊豆の踊子 昭和7年 映画音楽」というのが目に付いた。半世紀も前から馴染んでいる流行歌の一つ“さよならも言えず〜”が頭に浮かんだ。この歌が川端康成の小説を基にしている、ということは承知している。しかし、文学とは縁の薄い身には、歌と小説のタイトルが「踊子」なのか「伊豆の踊子」なのか、判然としない。
本文の該当箇所を開けて見ると、川端康成原作「伊豆の踊子」の主題歌、長田 幹彦[作詞] 町田 嘉章[作曲]とある。
歌詞は、“頬にゃ白粉 紅つけて 渡る浮世を 三味の音に 踊り疲れて 涙ぐむ 下田港の 遠燈 〜”で、初見だ。メロディーも勿論聞いた覚えは無い。
同じ頃の流行歌として「影を慕いて」「銀座の柳」など懐メロ定番曲が掲載されている。“この歌は、ロマンティックな抒情歌謡として民衆にもてはやされた”そうだ。
関連情報として、
“伊豆の踊子(燃ゆる黒髪) 長田 幹彦[作詞] 町田 嘉章[作曲]、演奏(浅草)市丸”と
映画よりも早く、同じ歌詞を使って別の曲でレコード化した歌が流行ったということか。
改めて“さよならも言えず〜”を検索すると、《踊子 作詞:喜志邦三、作曲:渡久地政信、唄:三浦洸一》と出た。なんと、あの“ラララ赤い花束車に積んで〜”(春の唄)の作詞者ではないか。良い曲に恵まれて、幸せな作詞者だ。
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