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朝日新聞夕刊に作曲家・冨田勲氏の回顧インタビューが連載中だ。昨18日(木)は第3回「音楽青年と交友、鍛えられた慶応時代」で、音楽家になる希望があるにも拘らず音大に行かず、慶応大に進学した積極的な理由が述べられている。
有力音大がドイツ音楽一辺倒で、フランスやイタリアの音楽家を好む彼に向かないと判断したとのことである。さすがに考え方がしっかりしていらっしゃる。同窓、同級に後に名を成す音楽家が多いとのことだ。
その彼が作曲家への道を踏み出す第一歩となった全日本合唱コンクール課題曲「風車」の作曲公募への応募入選が記されている。この曲については、当ブログでも以前取り上げた(人魚の夕べの歌〜宮城野ぶみ〜風車 2012/10/29(月))。 その時は、風車がオランダ風車、つまり、粉ひき臼を回す風車(ふうしゃ)であることを書いて切り上げた。今回改めて歌詞を読んだ:
おらんだ風車が とんからりん 小川のほとりで 仲良し風さんと 話してる 話してる 話してる
静かなお空に みんながそろつて 小鳥といつしょに 歌を歌つてる とんとんからりん とんとんからりん
粉ひき臼も 調子をそろえて お屋根の下で 歌を歌つてる とんとんからりん とんとんからりん
おらんだ風車が とんからりん おねむになつたか 日暮れの風さんに さようなら さようなら 作詞:渡辺阿沙爾
前回はあまり気にしなかったが、オノマトペ“とんからりん”が目立つ。風車の音であり、臼の音でもある。
日中戦争中の官製歌「隣組」の歌詞が“とんとんとんからりんと隣組”で始まる。この場合の“とんとんとんからりん”は、お隣の玄関を開ける時の擬音語だろうか。“とんとん”と戸を叩いて“からり(がらり)”と開けるイメージだろうか。
もうひとつ思い出したのは、熊本県にある不思議な遺跡“トンカラリン”である。この石造遺跡の正体は不明であるらしいが、竪穴に石を放り込むと“トンカラリン”と転がり落ちていくことからそのように呼ばれているとの説は抗い難い。
このオノマトペは、いつごろから使われるようになったのか、トンカラリン遺跡の命名はいつごろなのか、戦時国民歌謡「隣組」の発表から僅か10年で、それと同じオノマトペを使う歌詞に違和感は無かったのか、いろいろ気になる。
近年、広島県でもトンカラリンが見付かったそうだが、こちらの命名は熊本の先輩に肖ったものだろう。
(画像は永源山公園サイトから拝借)
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