私的な考古学

丹沢山麓で考古学を学ぶ学生諸君との対話

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先日は滋賀県竜王町に行ってきました。雪野山古墳出土の石製品や玉について、市民の方向けの講座に招かれたからです。1989年の第一次調査から25年を経て、この古墳は国の指定史跡になりました。それを記念するイベントの一環として、当時の参加者であった私にも白羽の矢が立てられたということのようです。

このところ腕輪形石製品の話をさせて頂く際には、会場に貝輪の実験製作品を持ち込んでご覧頂くことにしているのですが、竜王町でご覧頂くのは2回目ですし、新たに追加した資料はスイジガイ釧と龍ヶ岡―紫金山の表裏セットぐらい。昨年の秋にも草津市でご覧頂いたこともある方も多く、回を重ねるごとに見飽きられた感があります。そろそろ実験貝輪の興行も店じまいすべき頃合いかな、と感じました。

それと私自身にとっては新鮮なネタのつもりで「死者の貝輪」と「生者の貝輪」の対称性と表裏の関係の話に力を入れてみたのですが、一般の方にはそうでもない(というか、馴染みでもなく聞いたこともない話)ところもあったようで、会場からの反応は今ひとつだったように感じました。

打って変わって最後にオマケとしてお話しさせていただいた「雪野山古墳はどちらが正面観なのか」については強い反応があり、講演会の終了後にも、控え室に場を移してさまざまな状況証拠を解説させていただくことになりました。結論は、雪野山古墳は西から仰ぐのが正面観であったろうというものです。日野川を伝う内水面の交通ルートが鍵になるのでしょうね。

石製品ネタについては細かな意味での専門分野でもありましたので、当日配布資料にも力が入りましたし、色味を問題にする内容でしたから教育委員会の方にはカラー刷りをお願いすることになったのですが、それだけオタク的に走りすぎたのかもしれません。

ともかく本題よりオマケの方が印象深かったという講演会は、どこからみても褒められたものではないでしょうね。お集まりいただいた60名を超す方々や、教育委員会の冨田さん、大東さんには申し訳なく思います。

当日は天候にもめぐまれましたので、西から仰ぎ見る雪野山(龍王山)の写真を撮ることができました。今後は、この写真を使わせていただきながら、景観史の観点から踏み込んでみることにしたいと思います。


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