私的な考古学

丹沢山麓で考古学を学ぶ学生諸君との対話

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昨日の2限「古墳時代演習」では古市古墳群と百舌古墳群の配置関係を統一的に把握するための討議を行いました。0石さん・M宅君とK崎君が配列関係について仮説を提示し、それを皆で確認しながら揉んでゆく、というスタイルです。

今回は大学院生2名にも加わってもらい、応援側と批判側にそれぞれ分かれて意見を出してもらう(私が指示しなくても、そのあたりの案配は心得てくれる2人でしたが)ことで、議論の活性化を図りました。

両古墳群の配置や配列関係については、古代史の岸俊男氏・原島礼二氏・森浩一氏といった方々が研究の先鞭をつけられておりますが、70年代まででほぼ収束してしまいます。古市大溝と古墳との関係についても、耕地開発や周辺遺跡の展開過程との関わりについても、ごくたまに散発的な言及があるにとどまり、むしろ埴輪の変化や墳丘規格の変遷などといった「個別要素を見つめる」方向へのシフトが進んでいます。

修羅の発掘やら鉄器埋納施設の発見やら、はたまた初期横穴式石室の発見やらと、注目される発掘事例の積み上げは着実なのですが、分布や配列関係といった全体を包括する法則性を追求は、じつは今ひとつ進んでいないのです。

そうしたなかにあって、昨日の議論には興奮を覚えました。単純な解ほど真理に近い、というモットーで仮説構築に取り組んでもらうことをお願いしてきましたが、意表をつく試みに舌を巻きました。具体的内容については、とりあえず内緒にしておきましょう。批判派の意見をも汲み取って、彼ら彼女ら至極真っ当な、かつ常識的な疑問や違和感を超えられたら、それこそ正解なのです。

しかし正解にたどり着くまでの過程では、一見非常識なアイデアこそが発展性をもつに違いないと思います。なぜなら、常識的なアイデアで解決がつくテーマであったなら、70年代に決着済みだったはずだからです。その意味で、今回は次のステップへの端緒を掴んだ感がある、というところでしょうか。

今後への漠然とした期待ではなく、光の差し込む方向が見えたそれでした。古市・百舌古墳群についての今学期の発表は今回までですが、こうした作業は是非継続していただきたいと思いました。

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大阪府の東南部、藤井寺市から羽曳野市にかけて、巨大な前方後円墳が集中してつくられたエリアがあります。これを古市古墳群とよんでいます。

古市古墳群には、前方後円墳31基、円墳30基、方墳48基、墳形不明14基、計123基から構成され、群中には墳丘長200メートル を超える巨大な前方後円墳6基を含んでいます。4世紀後半から6世紀中葉に形成されたことが知られます。

この古墳群の特色の一つは、墳丘長400メートルを超える巨大な前方後円墳、誉田御廟山古墳から一辺10メートルに満たない小型方墳まで、墳形と規模にたくさんのバラエティをもっていることです。
奈良盆地に造られた前期の大型古墳群が、前方後円墳と前方後方墳で構成されていることを考えると、対照的な姿であります。

2018/12/16(日) 午前 7:07 [ 大阪防災安全環境観光アップ ]


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