私的な考古学

丹沢山麓で考古学を学ぶ学生諸君との対話

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汽車土瓶

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ウィスキーの記事だけで終わったら妻に叱られますので、汽車土瓶の話もアップしておきます。目下妻がはまっているのは汽車土瓶です。某市教委の今年の展示企画が鉄道関連の遺跡・遺物なのだそうで、妻は関連資料を求めて時間をみつけては骨董品屋めぐりをしているようです。

そんななか、彼女が最近ゲットしたのが写真の標本です。陶製のものは戦前仕様の土瓶だとのことでしたが、見れば取手の紐がまだ残っているという代物。これには驚かされました。

さらに土瓶からの材質転換品として誕生したプラスチィック製の「お茶入れ」もしっかり購入してきてくれて、こちらには感激しました。授業の教材に使えることはいうまでもありませんが、プラスチックのほうは、私たちの世代にとっては返すがえすも懐かしい容器だからです。

飯田線から中央東線に乗り入れ、新宿に向けて大編成で走る急行アルプスの車中で、確かにこの容器でお茶を飲んだ記憶があるからです。親に買ってもらったお弁当には必ずこのお茶入れでしたから、ああ本当に懐かしい。

さっそく実際にお茶を入れ、蓋を兼ねたお猪口で飲んでみました。少ししか口に入らないお茶に苛ついた、あのときの感触が鮮やかに蘇ってきたことはいうまでもありません。

これら2セットの品々は、来月から展示品に加わるそう。

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先月の下旬から、我が家には卒業生の小茄子川 歩君が滞在中です。

彼はインダス文明研究の若手ホープで、デカン大学での学位取得後の今は就職準備中の身。今期は我が大学でも非常勤講師をしてくれているのですが、ゲストハウスの事情で当面は我が家に居候ということなり、娘の部屋を使ってもらいながら、毎朝毎晩、考古学を含むさまざまな談義に付き合ってもらっています。それと風呂洗いにご飯炊きと食器洗いを担当してくれてもいます。

そんななか、現在の一家三人がはまっているのは朝の連続ドラマ「マッサン」です。放送を観るたびにウィスキーを飲みたくなる、そんな素敵な番組ですから、日課となった夕食後の録画鑑賞を終えたのちには、ほぼかならず晩酌の場面でウィスキーを持ち出し、呆れ顔(諦め顔か)の妻を尻目に二人で飲み比べては楽しんでいます。妻はお酒を飲めませんので、晩酌相手ができて喜んでいるのは私だという図式でもあるわけですが。

先月末に開催されたインドでの学会の帰り道に、お土産にと我が家に小茄子川君が持参してくれたのはラフロイグのクウオーターカスク1リットル瓶で、我が家に備え付けてあったのはアードベッグの、やはり1リットル瓶でした。

それに先週はマッサン由来のジャパニーズウィスキーを次々衝動買いすることになり、要は各種モルトのバッティングを楽しんでいます。

我が家でさえそうなのだから、今回のドラマ放送をきっかけに、同じような穴のムジナ同士でちょっとしたウィスキーブームが沸き起こるかもしれませんね。

それにしても「エリー」のたどたどしい関西弁、可愛いですね。瓶にぶら下がった札に写る本物のリタ婦人も相当な美人さんだったのですね。

秋も本格化しそうな今日この頃、これからウィスキーの似合う季節になります。

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女流画家の廣戸絵美氏作だそうですが、写真よりも存在感と生命感に溢れているというべきでしょうか。要するに艶めかしさを漂わせる妊婦の裸体像と、その奥深い表情を前にしてたじろぎさえ覚えます。手前左側に置いた本の表紙です。

先の日本考古学協会の会場で購入した、大島直行先生の著作『月と蛇と縄文人』(寿郎社)ですが、構図は先の妊婦画と縄文土偶とを向かい合わせにして、造形表現の対照性を浮き彫りにするといった、そのような趣旨なのか、と最初のところは推察いたしました。

これはさっそく読まねばと、帰りの電車と飛行機の中で読み進めました。表紙はもちろん外してですが。

貝輪の話や住居は墓でもあるとの趣旨の主張には興味深いものがあり、ワクワクしつつ読み進めさせていただきました。大島先生の意図と研究の方向性にはもちろん大いに賛同するところです。ただし肝心の部分の、月と月の水が生命の源泉であって、縄文土偶はその月を遙拝する呪具ないし象徴具だとの解釈の部分で、どうしてもつまずいてしまいました。

なぜ月とその水が万物の生命力の源泉だといえるのか、どのような脈絡のもとに土偶は月を向き、再生と復活を祈念する象徴物ないし呪具だと理解できるのか、そのあたりが今ひとつわかりかねるまま、宿題となりました。

そこで大島先生が依拠するとされたネリー・ナウマンの著作を紐解くことにし、ネリーも多くを依拠したとするカール・ヘンツエの論考を紐解くことにして、ようやく納得できたところです。これらお二人の著作も幸いにして日本語訳が出版されていました。

図像解釈学ともいうべき象徴性の内実を読み解く作業は、1960年代から70年代にかけて古代中国の殷代の青銅器や漢字の形成過程を素材にして活況を呈していたのですね。そのことを知らずして大島先生の著作に最初にあたってしまったものですから、先のような疑問を生じさせてしまったようです。初学者の陥りがちな反応ですね。

詳細の部分についてはいずれ機会を改めて紹介することとして、弥生・古墳時代を専攻する人々にお薦めの本です。

というのも、縄文時代研究者にとってのナウマンやヘンツエの著作は誰もが承知していて当然の基本文献中の基本文献なのだそうで、松本建速さんなどは彼の授業中にナウマンの「縄文時代の若干の宗教的観念について」『民族学研究』39巻4号を参考文献として学生に紹介することもある、とのことでした。大島先生の著作の大元になった論文ですから、確かに基本文献といわれればそうなのかも。さすがです。

さらにその反面、先の著作は弥生・古墳時代の図像解析にとっても有益な把握法が満載でもあることについては、意外に知られていないのではないか、と思うのです。少なくとも私についてはそうでした。

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一昨日18日に開催された京都府向日市五塚原古墳の現地説明会に行ってきました。担当の梅本康広さんからのお誘いを受けて、かれこれ25年にはなるでしょうか。本当に久しぶりの向日丘陵訪問となりました。

午前中はもの凄い数の参加者だったようですが、私が着いたのは午後2時でしたので、比較的余裕をもって見せていただくことができました。墳丘各段のテラスと墳裾外方に石敷が施されるという、非常に丁寧な仕上げぶりには改めて驚かされました(2段目の写真)。

以前からも指摘されてきたことですが、墳丘の築造前に大規模な削平を実施して旧地形を大々的にならしたうえ、窪んだ部分や標高の低い部分には整地盛土を施して、墳丘の裾が水平に巡るように配慮されたうえで構築されているのです。驚かされたのは裾の外周にも石敷帯ないし貼石帯が広がることです。

ここまで手の込んだ墳丘の造営工事を他に知りません。この古墳づくりのために、当時の人々がいかに力を入れたかがわかります。

さらに前方部側面の2段目のテラスがくびれ部側から前端側に向けて側面を斜めに上昇し、前端部分では頂部に近いところで前面を画するという興味深い状況が確認されたことが今回の一番の目玉(3段目の写真ー手前側が前方部前端で、基底石列のレベルが左の手前側に向けてせり上がっていることがわかります)。松木武彦さんのいう「天空のスロープ」を視覚的に演出する効果なのでしょうね。

強いて類例をあげれば箸墓古墳ということになって、五塚原古墳との前後関係が話題になっています。墳丘各部の比率などをみても現時点での状況証拠は五塚原古墳の方が古い様相。その点でも興味がつきません。

立命館大学の調査も前方部頂を舞台に平行して実施されていて、現場で指導に当たっていた下垣さんの指示のもと、私を案内してくれたのは4年生のSさん。私のオタク的な質問にも的を外すことなく懇切丁寧に解説してくれたのには感心しました。立命大の学生さんは、よく勉強しているようですね(下垣さんなら「私がいるからです!」と答えそうですが)。

現地では偶然、中司照世さんともお会いできました。向日丘陵の前期古墳に関する年代観や築造順序の話題から入ったのですが、すかさず現状の墳丘築造企画論(規格論とも)に対する厳しいご批判を頂戴することになりました。当事者の立場?として否応なく弁明ないし釈明に追われるハメに。参加者同士が現場で考古談義を繰り広げるという、調査団の面々や他の参加者の方々には申し訳なく、なんとも落ち着きの悪い役柄を演じてしまいました。ともかく中司さん、変わらずお元気そうでなによりでした。

その後は明治大学の佐々木憲一さんと合流。羽曳野市の伊藤聖浩君もわざわざ現場まで来てくれました。岡大の後輩にあたる伊藤君ともかれこれ10年ぶりぐらいでしょうか。長らくごぶさたしてしまったようです。

また説明会終了後には、先の二人に梅本さんや調査団に加わっている京大の院生Y本君、そして現場で私を案内してくださったSさんを交え、呑み会の場に舞台を移し、再び考古談義に花を咲かせました。

聞けばSさん、石釧を題材として卒論を書く準備を薦めている最中だとのこと。材質鑑定上の問題で痛いところを突かれてしまいました。有り難いことです。その調子で是非頑張ってもらい、次世代の石製品研究を担っていただければ、と思います。

そういえば向日丘陵、淀川水系にあって、やや下流の高槻・茨木地域とも密接な関係があり、腕輪形石製品の祖型貝輪が複数見つかっているところ。吉備や播磨地域とも関わって、腕輪形石製品の成立を考えるうえでも注目される地帯です。

久しぶりに関西の本場での前期古墳とそれにまつわる談義に加わらせていただいた一時でした。お誘いいただいた梅本さんに感謝です。

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先週末に開催された表題の大会に参加してきました。

昨年春の貝製品調査でお世話になった伊達市噴火湾研究所が中心となって開かれた大会ですし、N谷君こと永谷幸人君の発表もあるし、今後共同研究を進めることが可能な若い研究者を紹介してくれるとのこと。そんなこんなで参加することにしました。

初日のN谷の発表も無事終了し、彼が編集を担当したという大部の資料集にも感心し、といったところ。今後のなお一層の活躍を期待します。旭川の瀬川さんにも久しぶりでお会いできて話しも弾みましたし、夜の懇親会では大島所長(大会実行委員長)にもご挨拶することができました。お忙しい身ながら真にお元気そうでなによりでした。

二次会では瀬川さんと道教委の中田女史を対談相手に考古学談義で盛り上がりましたし、三次会ではN谷と合流してバーへ。泊まりはN谷亭でした(一昨年の秋には彼の家に泊まって熱を出した経緯もあったので、と今回はストーブを焚いていただき、おかげさまで安眠できました)。

二日目のセッションは、引き続き貝塚の会場に陣取って全発表を聞かせていただきました。伊達市噴火湾研究所を軸とした学際的な研究が大いに進展しつつあることを実感させられましたし、若い世代の頑張りように感心させられた次第。学ぶところの大きな大会でした。

大島先生の存在があったからこそ、こうした斬新な取り組みも実現できたというところでしょう。今後は青野さんを中心に、この雰囲気をもっともっと増幅させていただけることを期待します。本セッションへの参加者の少さが、唯一惜しまれるといったところでしょうか。

ともかく、私にとっても、網取遺跡でおこなう今後の研究への有益なヒントをえることができましたし、N谷君を通じて新たな共同研究者を紹介していただけたこともあって、非常に有意義な大会でした。


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