私的な考古学

丹沢山麓で考古学を学ぶ学生諸君との対話

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54歳の誕生日

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本日11月26日は、私の誕生日でした。

夕方には網取のメンバーとゼミのメンバーが誕生日を祝ってくれました。プレゼントはなんと奈良のあの店、フルコトから取り寄せてくれたという前方後円墳クッションでした!驚かされましたが、ちょうど良い硬さ・柔らかさで色味も落ち着いていて、使い勝手が良さそうです。

平面形は5世紀中頃型とでもいうのでしょうか。くびれ部は適度に広く、段築もステッチで表現されています。肝心の写真を取り忘れてしまいましたが、ご馳走してくれた二つのケーキも真に美味しかったですよ。どうもありがとう。

また帰宅後の夕食時には第2弾として、妻がクリームシチューを、小茄子川君がスモークド・ローストビーフを作ってくれました。妻からのプレゼントはシャツとネクタイ。今年の色味だそうで、私のジャケットに合わせてくれました。

さらにそうこうしているうちに宮城県の小茄子川君のお母さんから包みが宅配されてきました。開けてみればニッカ「宮城渓12年」のボトルでした。真に美味です。小茄子川君からの気の利いたプレゼントにも感謝。お母さんにも申し訳なく思います。

そんなわけで、本日頂戴したすべてのプレゼントを抱え、着付けてニヤニヤしている私の様子を撮ろうということになり、土間を舞台に写真撮影と相成りました。

折からお祝いの電話をくれた娘にも我が家の様子が伝わるように、ということで、最下段の写真はFBではなくまずブログにアップさせられるハメになりました。小茄子川君の撮影によるものです。なんとも照れ臭いところですが、皆さん、どうもありがとう。

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先日は滋賀県竜王町に行ってきました。雪野山古墳出土の石製品や玉について、市民の方向けの講座に招かれたからです。1989年の第一次調査から25年を経て、この古墳は国の指定史跡になりました。それを記念するイベントの一環として、当時の参加者であった私にも白羽の矢が立てられたということのようです。

このところ腕輪形石製品の話をさせて頂く際には、会場に貝輪の実験製作品を持ち込んでご覧頂くことにしているのですが、竜王町でご覧頂くのは2回目ですし、新たに追加した資料はスイジガイ釧と龍ヶ岡―紫金山の表裏セットぐらい。昨年の秋にも草津市でご覧頂いたこともある方も多く、回を重ねるごとに見飽きられた感があります。そろそろ実験貝輪の興行も店じまいすべき頃合いかな、と感じました。

それと私自身にとっては新鮮なネタのつもりで「死者の貝輪」と「生者の貝輪」の対称性と表裏の関係の話に力を入れてみたのですが、一般の方にはそうでもない(というか、馴染みでもなく聞いたこともない話)ところもあったようで、会場からの反応は今ひとつだったように感じました。

打って変わって最後にオマケとしてお話しさせていただいた「雪野山古墳はどちらが正面観なのか」については強い反応があり、講演会の終了後にも、控え室に場を移してさまざまな状況証拠を解説させていただくことになりました。結論は、雪野山古墳は西から仰ぐのが正面観であったろうというものです。日野川を伝う内水面の交通ルートが鍵になるのでしょうね。

石製品ネタについては細かな意味での専門分野でもありましたので、当日配布資料にも力が入りましたし、色味を問題にする内容でしたから教育委員会の方にはカラー刷りをお願いすることになったのですが、それだけオタク的に走りすぎたのかもしれません。

ともかく本題よりオマケの方が印象深かったという講演会は、どこからみても褒められたものではないでしょうね。お集まりいただいた60名を超す方々や、教育委員会の冨田さん、大東さんには申し訳なく思います。

当日は天候にもめぐまれましたので、西から仰ぎ見る雪野山(龍王山)の写真を撮ることができました。今後は、この写真を使わせていただきながら、景観史の観点から踏み込んでみることにしたいと思います。

弥生時代の稲束貨幣論

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記事のアップが大幅に遅れましたが、去る7月に奈良女子大学文学部小路田研究室から刊行された『日本史の方法』第11号に、「稲束と水稲農耕民」と題する拙文を掲載していただきました。この論文で、稲束は弥生時代から貨幣として交換の際には換算レートの基準となった可能性が高い、という表題の主張を展開しています。

ポイントは唐古・鍵遺跡出土の弥生時代中期前半期に属する稲束の分量である約75本の稲茎に稔ったであろう稲籾「榖」が古代の1合(現在の4.6合)に相当するものだと推定できる点です。昨年の記事で紹介したとおり、藤田三郎さんの立会のもとで茎の数をカウントし、別の古代稲をもちいた実験稲束と分量を比較してみた結果です。

この分量を「一握」とみなせば、5握で古代の「一把」となり、10握で同じく古代の「一束」に該当するという計算が成り立つのです。こうした稲束をめぐる階層構造を、私は「稲束システム」(頴稲をもちいた換算レート、植え付け時の目安ともなる3階層構造)と呼ぶことにしています。

加えて身近な貨幣(現物貨幣とも限定目的貨幣ともいわれますが)の分量は長期間不変で、要するに弥生時代の中期以降は古代まで一定していた可能性すら充分に指摘できる、となるのです。

この検討結果を基礎に据えて、貨幣としての稲束がもっとも多量に出土した唐古・鍵遺跡は冬の大規模定期市の場であったとの推論も開示することになりました。

なぜ冬なのかといえば、貨幣を手にした時がもっとも購買意欲がそそられるという図式は古今東西を問わず不変なのと、それが稲束であれば、稲の収穫後が年間を通じて最大の貨幣備蓄期に相当することになるからです。歳末商戦がボーナス支給を前提としたものであることと、構図はまったく同じです。

さらに稲束の授受をめぐる首長と民衆との間の駆け引きは、弥生時代には登場した可能性があり、それが古代の出挙に引き継がれた公算も高いので、この図式を威信財交換概念に適用しますと、稲束は「増殖型威信財」でもあったといえ、負債感の増幅や徳政令的な債権一括放棄という駆け引きの基本アイテムともなりますから、その駆け引きの累積が水稲農耕民の社会に階層化が内部から生じる要因ともなった、と論じています。

このような稲束の再生をめぐる駆け引きと階層化のプロセスを指して、私は「稲束威信財システム」と呼ぶことにしています。

本論に興味をお持ちの方は、下記にお問い合わせください。
〒630-8506 奈良市北魚屋町 奈良女子大学文学部 小路田研究室気付 
奈良女子大学日本史の方法研究会事務局

汽車土瓶

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ウィスキーの記事だけで終わったら妻に叱られますので、汽車土瓶の話もアップしておきます。目下妻がはまっているのは汽車土瓶です。某市教委の今年の展示企画が鉄道関連の遺跡・遺物なのだそうで、妻は関連資料を求めて時間をみつけては骨董品屋めぐりをしているようです。

そんななか、彼女が最近ゲットしたのが写真の標本です。陶製のものは戦前仕様の土瓶だとのことでしたが、見れば取手の紐がまだ残っているという代物。これには驚かされました。

さらに土瓶からの材質転換品として誕生したプラスチィック製の「お茶入れ」もしっかり購入してきてくれて、こちらには感激しました。授業の教材に使えることはいうまでもありませんが、プラスチックのほうは、私たちの世代にとっては返すがえすも懐かしい容器だからです。

飯田線から中央東線に乗り入れ、新宿に向けて大編成で走る急行アルプスの車中で、確かにこの容器でお茶を飲んだ記憶があるからです。親に買ってもらったお弁当には必ずこのお茶入れでしたから、ああ本当に懐かしい。

さっそく実際にお茶を入れ、蓋を兼ねたお猪口で飲んでみました。少ししか口に入らないお茶に苛ついた、あのときの感触が鮮やかに蘇ってきたことはいうまでもありません。

これら2セットの品々は、来月から展示品に加わるそう。

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先月の下旬から、我が家には卒業生の小茄子川 歩君が滞在中です。

彼はインダス文明研究の若手ホープで、デカン大学での学位取得後の今は就職準備中の身。今期は我が大学でも非常勤講師をしてくれているのですが、ゲストハウスの事情で当面は我が家に居候ということなり、娘の部屋を使ってもらいながら、毎朝毎晩、考古学を含むさまざまな談義に付き合ってもらっています。それと風呂洗いにご飯炊きと食器洗いを担当してくれてもいます。

そんななか、現在の一家三人がはまっているのは朝の連続ドラマ「マッサン」です。放送を観るたびにウィスキーを飲みたくなる、そんな素敵な番組ですから、日課となった夕食後の録画鑑賞を終えたのちには、ほぼかならず晩酌の場面でウィスキーを持ち出し、呆れ顔(諦め顔か)の妻を尻目に二人で飲み比べては楽しんでいます。妻はお酒を飲めませんので、晩酌相手ができて喜んでいるのは私だという図式でもあるわけですが。

先月末に開催されたインドでの学会の帰り道に、お土産にと我が家に小茄子川君が持参してくれたのはラフロイグのクウオーターカスク1リットル瓶で、我が家に備え付けてあったのはアードベッグの、やはり1リットル瓶でした。

それに先週はマッサン由来のジャパニーズウィスキーを次々衝動買いすることになり、要は各種モルトのバッティングを楽しんでいます。

我が家でさえそうなのだから、今回のドラマ放送をきっかけに、同じような穴のムジナ同士でちょっとしたウィスキーブームが沸き起こるかもしれませんね。

それにしても「エリー」のたどたどしい関西弁、可愛いですね。瓶にぶら下がった札に写る本物のリタ婦人も相当な美人さんだったのですね。

秋も本格化しそうな今日この頃、これからウィスキーの似合う季節になります。

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