私的な考古学

丹沢山麓で考古学を学ぶ学生諸君との対話

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2014年06月

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連日の会議三昧に、その合間を縫っては講義をこなす、という真に本末転倒な生活にもようやく慣れたというべきでしょうか、諦めたというべきでしょうか。ホモサピの特性のひとつは高度な適応力だと言われますが、なるほど、と身を以て実感しています。

さて、休日を無理やり作っては、このところ妻と静岡方面にドライブすることが多くなりました。近世東海道の宿場町をあちこち確認してみたい、というのが妻の希望で、私の希望は富士山を向く古墳の写真撮影などなど。

両者の一致点は、といえば清水港で昼食に海鮮丼を堪能した上で、その日の夕食用にマグロの頬肉やらカマやらを購入して帰ってくること。そのような次第で思惑が一致すると、朝モスののちに東名に乗って出掛けるというわけです。

先月の写真になりますが、上段は三島市の前期前方後円墳、向山16号墳と富士山の関係です。竪穴式石槨の最東端の事例として有名ですが、前方部の正面に立って後円部方向をみれば、最後に富士山が写り込むことになります。ただし富士宮市の丸ケ谷戸遺跡(周溝型前方後方墳)のような疑問の余地なく、っていうわけにはいかないようです。

3段目以下は、先日訪れた藤枝市の若王山12号墳です。船形木棺の事例としてあまりにも有名ですね。ただし舳先は山の方角を向き、その方角は北を指すものですから、たとえば千葉の大寺山洞穴のようにはいきません。4段目の写真の後方が海なのですが、舳先は逆を向くのです。つまり本例は、疑問の余地のない船形木棺だからといっても「海上他界」の存在を強調することはできないばかりか、むしろ「北辰信仰」への帰依であり、船はそこへ向けた「死霊の乗り物」なのだ、というほうが無理のない状況です。

気になったのは富士山の方角との関係でしたが、他の古墳の埋葬施設を含め、富士山を向く棺はないようでした。最下段の写真で妻が傘をさして立っている方角に本来は富士山がみえるはずなのです。

このようなドライブをもう少しの間、折を見ては続けたいと思います。なお藤枝まで足を伸ばすと、さすがに昼を清水港で、ってわけにはいきませんでした。次回は民宿での一泊、翌日の昼に清水港で、というルート案を考えたいと思います。

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長らくブログの更新をできずにおりました。体調を崩しているというようなわけではありません。昨年度目一杯研究休暇を取らせていただいたことのツケが回ってきただけです。

外国に出るわけでもないのに1年間のサバティカルとはいかがなものか、との注文がつきかけたとき「とにかく来年はなんでもしますから!」と言って許してもらったのですが、そのツケが4月に待っていて、目下学部長の秘書役?防壁?とでもいうべき学部長補佐を仰せつかっています。

連日の会議に配布用の文書作成に決済の代行に、とさまざまな雑用に追われ、自分の研究室に居る時間より学部長室に居る時間のほうが長いのではないか、という有様で、その合間を縫って授業を行っているような状況です。ですから帰宅後にはクタクタで、とてもブログにまでたどり着けませんでした。更新がないことをご心配いただいた方々には御礼ともどもお詫び申し上げます。

さて、表題と同名の論文ですが、纏向学研究センターの紀要に掲載していただきました。昨年度下半期に奈良女にお世話になっていたとき、同センターからのお誘いがあって資料調査を実施し、私なりの所見を書かせていただいたものです。機会を与えてくださった寺沢薫先生に橋下輝彦さん、そして森さんに感謝します。

私にしては久しぶりにメジャーなところに書かせていただき、光栄なのですが、発見資料の性格が性格ですので、石製品オタクに書かせるのが適切だとのご判断だったと思います。もちろん私と同様のコメントを下す可能性の高い方は、佐賀の蒲原さん、石川の河村さんや伊藤さん、三浦君など数名がいらっしゃいますが、何分にも当時は現場にもっとも近いところに偶然居合わせたのが私でしたから、さらにもっとも暇人だということもわかっていたでしょうから、私に声をかけていただけたのでしょう。
ただし巴形石製品の未製品が布留0式に伴うという事例ですので、なぜ巴形銅器の一時的空白期のさなかに石製品が登場するのか、という問題と対峙せざるをえず、幾分やっかいでした。

そうはいっても、実験製作して溜め込んでいたスイジガイ製腕輪の写真を掲載していただく機会が到来したことは幸いでした。それにさきほどNHKで邪馬台国がらみの番組が放映され、纏向遺跡の調査現場もでてきたことに触発されて、すでに懐かしさを覚える自分に驚きながら、久しぶりの記事の更新をおこなっている次第です。

今年度もう少し時間があれば、是が非でも石製品の研究をまとめたいと思っているのですが、当面は動けそうにありません。

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