自転車遍路

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4月25日 遍路最終日 八十八番寺 結願

14時47分 八十八番寺「大窪寺」到着 (一番から1194.32km 八十七番から17.72km)
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到着。

到着した。

・・ここまでなんとか辿り着けた。色んな人に支えられて。色んな人からお接待を頂き、色んな縁でここまでこれた。
Tちゃんの供養。その思いだけでここまで走ってきたけど、本当に道行く人々に支えられてこれた。

最後のお寺。今までもそうだったけど、神様や仏様なんてまるで信じていない生活を送ってきた俺。
家に置いてある仏壇に、一度も手を合わせたことのない俺。
神話や言い伝えなんて、笑い話程度にしか聞いていなかった俺。
仏像なんか、昔の人が作った古いだけの置物。そんな風にしか思っていなかった俺。

・・

・・

・・

Tちゃんの供養で回るにつれて、行く先々で如来さんや不動明王さんに手を合わせて「Tちゃんがそっちに行ったら、どうか導いてやってください」と願いを掛けて回っている。

今まで散々神仏をバカにしてきた人間が、自分の都合の良い時だけ手を合わせている。

神様たちは怒るだろうか。そんな調子の良い人間に罰を与えるだろうか。神様とて気を悪くし、俺の言うことなんて鼻で笑うだろうか。。

それでも構わない。頼む。頼む。

Tちゃんを。導いてやってくれ。今までの俺に罰を与えても構わない。甘んじて受ける。だからTちゃんに安らぎの場を用意してやってくれ!もちろん亡くなった今でも、そばに居てほしい。そう感じたい。でもこっちにおったら。アカン!

断腸の思いやけど、Tちゃん。アンタは成仏せなアカン!遠く離れた場所に行ってしまうのは、俺は耐えられへんかもしらん。でも!

・・安らかに。成仏してくれ。そのために俺はここまで回って来たんや。。


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最後を飾るに相応しい、巨大な仁王門。ここまで来た。最初は読経もボソボソと周囲を気にしながらのものだった。
仁王門をくぐるときに一礼するのも会釈程度だった。

今は一旦その場で足を揃え、深々と一礼し、中に入っている。
今でも神様や仏様やお大師様がどれほどの物か、わからない。でもそうして回るのが普通だと思い始めた。


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なあTちゃん。アンタを慕うみんなのメッセージ。一緒に回ったで。俺一人ではどうせスタンプラリーになってしまいそうだったこのお遍路。八十八ヶ所を回る俺に、みんながメッセージを託してくれた。俺一人では中途半端にしかできなかったお祈りも、みんなの思いも一緒に回ったで。

これなら十分そっちに届いたかー!

ちくしょー!重かったぞー!このプレッシャー!コラー!どーしてくれんねん!
たまには会いに下りて来ーい!

・・・

・・・・・


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大師堂。八十八ヶ所、最後の読経を行う。ろうそくに火を入れ、線香を三本。いつもの動作を行うのもこれで最後になる。
気を引き締め、今までで最高の読経を行う下準備をする。

人が多い。普段なら気が散るところだがそれすら何の障害でもない。

教本を手に取り、軽く目をつむり、Tちゃんを思い出す。

最後の読経。ヘタクソでも、リズムが悪くても、呼吸のタイミングが間違っていても。

俺の般若心経。Tちゃんのために、できる全力で。


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不動明王。

厄除けかぁ。。なんか皮肉な感じがするが、ともかく!頼んだで不動さん!


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納経も終わり、境内を散策。少し離れたところに古びた石像が置いてあった。コケもたくさん生えている。
それくらい長い間、お遍路たちの結願を見届けてきたんやなーと思うと、なぜかありがたい気持ちになった。


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境内の裏手、もうひとつの門があった。正面の仁王門ほどの迫力は無いが、これがまたなんとも良い味を出している。


・・

・・・

15時16分。八十八ヶ所全て回り、さっそくにTちゃんのご両親へ結願の電話報告をする。
号泣。涙が止まらない。とりあえず心配をかけているので「今、無事に回り終えました」と伝えたら

「ウチの子のためにそこまでして頂いて、本当にありがとうございました。」

と言葉をいただいた。

大号泣。

全くもって涙が止まらない。なにか会話をしたかったが、嗚咽が止まらないので挨拶だけして電話を切ることに。

生前のTちゃんには言葉であらわせられないくらい、お世話になった。その恩返しも兼ねて、Tちゃんの目の代わりに遍路でたくさんのものを見て回りたかった。写真もいっぱい撮った。お寺の隅から隅まで観察した。僕がしたかった、当然のことをしたまでだった。それを知って、ご両親は心配してくださっていた。

そして最後に、僕に感謝の言葉をかけてくださった。

・・涙が長い時間止まらなかった。

泣きながら帰路につく。

来た道を戻りながら、やっぱり涙が止まらない。

「この景色。本当はTちゃん自身で見るべき景色だったんだろうな。」
「Tちゃんなら、もっと別の角度から見たんだろうな。」
「Tちゃんなら、あのお店に立ち寄って、誰かへのお土産を買ったんだろうな。」

俺はその何%を達成してやれただろう。

足りたかな、Tちゃん。俺はちゃんとアンタの目になってやれたやろか。

正直、自信は全くない。すまん。

いっぱいのありがとうを返せたやろか。

俺の今の精一杯、とりあえず受け取ってくれ。ありがとう。

ほんまにありがとう、Tちゃん。

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