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「近くの街で映画でも観ておいでよ」
山の中ですが、ちょっと足を伸ばせば津山市という静かな都市がありました。
行ってみると、「白蛇抄」小柳ルミ子主演と、『天国への階段」吉永小百合主演の二本立てがありました。
どちらも、なんだか淫靡・悲惨な感じの映画で、特に吉永小百合が夫を次々殺していくんだけど、それでも清純で美しくて、かえって気が滅入りました。
で、令&直にそのことをめんめんと語ると、
「そうか、明日もうひとつの映画館行ってみたら」
それがグレースケリー主演、ヒッチコック監督の「裏窓」
よかったわん(*^^*)
サスペンスなんだけど、全体に明るくて、特にグレースケリーの強い品のある美しさ。
運命に流されて、とか、ついつい成り行きで犯罪を犯してしまう、とかがないのよね。
勇気をもらいました。
といっても、そのときは言葉では説明できない。
ただただ「よかったのよ〜」興奮して、令ちゃん直ちゃんにしゃべります。あは。
「ほんとによかったんだね。表情まで違ってるわ。な〜」
令ちゃんが直ちゃん見ながらうれしそうに話す。
温泉に連れて行ってくれた時には、私だけ残って一泊しました。
津山市には、ケンタッキーだってあるんですから(^^)v
行きましたよ。
食べ終わると、令ちゃん、残った骨を包んで持ち帰り、スープを作りました。
「これ、いい味出るんだよ」
スパイス効いてうまみが出て、美味でした〜。
彼らも疲れることがあったと思います。
ハイハイしてる子供を抱え、直ちゃんのお腹にはもうひとりの赤ちゃん。
そんなときに、あの頃の私を受け入れて生活するなんて、とんでもない。
落ち込んでましたしね、自分を持て余してとにかく一日生きることに必死でした。
きっとそのあたりで自己中に見られてしまいがちなのかも。
うつの人って、その辺のことは敏感に察していて、ますます落ち込み、だけどどうしようもない、というのが実情なのではないでしょうか。
悪意があるとか、まわりが見えてなくて、迷惑かけても平気というのとはちょっと違うと思う。自己弁護ですけど
それと、
決断ができない。
「おいしいスパゲッティーの店できたの。落ち込んでないで、明るく行こうよ」
なんて誘われると、
周囲の人の気を悪くさせたくないし、傷つけたくないし、だから考えすぎて「断われない」
で、結局ドタキャンして、かえって迷惑かけて、ますます落ち込みが激しくなる。
自分を責めてしまうのです。
えっと、うつになる前、ガラにもなく二人からプロポーズなんかされて、上手に断れなくて、かえって申し訳なかったというわたくしの実感です。
「全ての人を喜ばせようとすることは、結局のところ、誰をも喜ばすことはできない」
西洋のことわざです。はい。うつ以降の私は、これがモットーになりました。
それと、ケセラセラ、なるようになる♪(笑)←これって、ケラケラに似てません?
直ちゃんが私の話を聞いて、
「あなた、そこまで考えなくていいのよ。相手だって立ち直るんだから。
自分のことだけ考えてればいいの」
ケラケラ笑い飛ばした。ケセラセラ……似てますね〜。
こうして滞在を終えて帰る私に、
「3月に仕事やめて行くとこ決まらなかったら、またうちにいらっしゃいよ。電話してね」
まったく、彼らがいなかったら私は今ごろどうしちゃってたでしょう。
私はこのあと島に帰り、少しずつよくなって明るくなっていきました。
そうなれば現金なもので、島の風景の美しいこと。心に沁みました。
つづく
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うつ
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