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父は強し

きのう、母が手術を受けました。
といっても、局所麻酔の小さな手術でしたが。
 
といっても、予定が決まったその日から二週間、母はおびえ、どんなに痛いかと妄想をふくらませ、どうして私だけがと、嘆いていました。
無理ないな〜、寝たきりの身。出かけて気を紛らわせることもできないし、テレビさえも見えず。
食事はもう口から摂れないので、穴を開けた胃にチューブで直接栄養物を流し込んでいます。だから、おいしいもの食べる楽しみもない。
 
一度、ハンストしようとしました。
「もう食事はいらん。あした、私は死ぬから」
胃漏の準備をしている手を払う、セットされたらチューブを引き抜こうとする。
 
でも、ハンストさえできないんですね〜。
手を押さえられ、チューブは離され、栄養物は容赦なく胃に流れ込んでいって、また命をつなぐ。
 
精神安定剤をいろうの後入れて落ち着き、あとはピンク色の頬をしてすやすや眠りました。
 
こんなとき、父は強し。
わっはっはっはと笑いながら、
「これせんかったら、ワタシが警察に捕まるンじゃな。
もう80にもなるのに、留置所に坐らんといかんようになるんじゃな」
 
手際よく胃にチューブ差し込み、払いのけようとする母の手を払い、食事?させました。
 
介護歴10年の重みです。
 
母のほうも、きのうは麻酔が切れた頃ちょっと痛んだけど、その後は手術受けたおかげで楽になったみたいです。
 
よく、患者と真摯に向き合うとか言われますが、そんなことしてるととても身も心ももたない。鈍感力とユーモア、必要です。
と、父を見ていて思いました。

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