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広島が先勝した結果を受けてG大阪は攻めるしかなくなった 単なる先勝という話だけではない。Jリーグチャンピオンシップ(以下CS)決勝第1戦で、アウェイのサンフレッチェ広島がガンバ大阪に3-2で勝利した結果は、広島にアウェイゴールというリードをもたらすことになった。G大阪が逆転で優勝するには、続く第2戦で2点以上を奪って広島に勝利しなければならない。簡単に説明すれば、アウェイでの得点は2倍の価値を持つ。2試合を終え、1勝1敗の五分になった場合、アウェイでの得点が純粋に2倍となる。ようするに第1戦で3得点を挙げた広島は、その倍、6得点を挙げたことになる。最少得失点差でも広島が勝利すれば、文句なしで広島の優勝だが、G大阪が逆転優勝するには、2点差以上のスコアで勝利しなければならない。それだけ第2戦でG大阪は攻撃的に戦わなければならなくなった。
ただし、CBの丹羽大輝は第1戦の結果にも悲観的にはなっていない。
「優勝するために、絶好のシュチュエーションが整った。自分たちが終始、ゲームをコントロールしていたし、最後にぽんぽんって入れられてしまっただけ、やっていて僕は手応えしか感じていないですね。第2戦は勝つだけ、やることははっきりしている」
事実、第1戦では前半から主導権を握っていたのはG大阪だった。9分には藤春廣輝のクロスから阿部浩之がシュートを狙い、21分にも大森晃太郎とのコンビネーションから藤春が決定機を迎えた。24分にも宇佐美貴史が決定機を作り出し、28分にも1トップで起用された長沢駿がヘディングシュートを見舞った。後半は試合終盤にDFオ・ジェソクが退場したことで、大量5得点が生まれたが、手堅い立ち上がりとなった前半はG大阪のゲームだった。
一発退場したオ・ジェソクは出場停止となるが、大打撃とはならない。なぜなら遜色ないプレーを見せる米倉恒貴が控えているからだ。また、前半のチャンスシーンを前述したのには理由がある。その多くは左サイドの藤春が攻撃に絡み、決定機を演出。ミキッチと対峙しながらも互角に渡り合っていた。そのため広島の森保一監督は、後半途中からミキッチに代えて柏好文を投入。その結果、柏が2得点に絡む働きを見せたが、広島はミキッチと柏の2人で、90分をかけて藤春を攻略したことになる。CS準決勝、さらに決勝第1戦と連戦を強いられているG大阪は、体力的にも厳しいが、広島から見たら右サイド、G大阪から見たら左サイドが試合の焦点となるだろう。 先勝したからといって慢心する広島ではない
ただし、広島も先勝したからといって浮かれているわけではない。エースの佐藤寿人が試合後「まだ半分、まだ一つ」とサポーターに訴えかけたように、森保一監督も「まだファーストレグが終わっただけなので、ホームに帰ってもしっかりと戦い、優勝に結び付けてこそ今日の勝利が生きてくると思っています」と気持ちを引き締めている。
キャプテンである青山敏弘も劇的な逆転劇に「冷静ではいられないよね」と言いながらも次のように語っている。
「第2戦もしっかり自分たちのやるべきことをやる。もちろん、(アウェイゴールなどの)点差というのも考えながらやらなければいけないんだけども、守備から攻撃というのもしっかり考えていきたい。最後、何が起こるか分からないというのは今日も分かったと思う。第1戦で勝ったからと言って気を緩めてはいけない」
今シーズンの広島は、森保監督も話したように、反発力、継続力によってリーグ戦を勝ち抜いてきた。一喜一憂しないことがチームの根底にも流れており、かつ第1戦に大勝したわけではないことを考えると、微塵も慢心はないだろう。 大舞台に強い佐藤寿人と不振の宇佐美貴史が試合を決めるか
さて、肝心の試合はとなると、やはりサイドの攻防がカギとなる。G大阪はより攻撃的に戦わなければならないだけに、藤春だけでなく、先発起用が濃厚な米倉の両サイドが果敢に攻撃参加してくることだろう。また、前線での存在感という点で、第1戦では途中出場だったパトリックの先発復帰も考えられる。そのキープ力は圧倒的。ただし、リーグ戦では広島の千葉和彦、塩谷司ら3バックが完璧にパトリックを封じる相性の良さも見せている。
そうなるとやはり発憤しなければならないのは宇佐美貴史であろう。CSでは2試合を終えて無得点。チャンスメイクや惜しいシュートシーンこそあれど、相手を脅威に陥れるほどの存在感は発揮していない。CS最後の舞台で、自らの能力を証明することができるか。今野泰幸や遠藤保仁らベテラン勢もそれぞれ得点に絡む仕事をしているだけに、目に見える結果が求められる。
広島もサイドアタックが生命線だ。疲労やコンディションを考えれば、柏好文の先発復帰もあるかもしれない。ただし、慎重な一面もある森保監督のことだ。勝利した第1戦と同様のメンバーで臨むことが濃厚だろう。カードとしては、佐藤寿人と浅野拓磨の交代は鉄板である。それだけに佐藤は約60分間のプレーで全力を出そうとしてくる。リーグ最終戦でJ1通算最多得点記録に並ぶなど、大舞台になればなるほど、結果を出すタイプだけに、ホームの大歓声の中、ゴールを決める瞬間も想像に難くない。リードしている状況で浅野が出場すれば、大量得点も可能なため、やはりG大阪としては、先制点を奪って優位に立ちたい。それも先制するならば、広島の焦りを誘う前半でなければならない。
2試合合計180分の試合は折り返しを迎える。
残り90分——最後に歓喜するのは、2年ぶり3度目のJ1制覇となる紫か、それとも昨シーズンに続く連覇となる青か——。 ——————————
明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ
<決勝 第2戦>
サンフレッチェ広島vsガンバ大阪
2015年12月5日(土) 19:30 KICK OFF
@エディオンスタジアム広島
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文/原田大輔
写真/佐野美樹
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