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ペトロヴィッチ監督の言葉を借りれば、攻撃の浦和、守備のG大阪
最後の最後でチャンピオンシップ(以下CS)出場の切符を手にしたのはガンバ大阪だった。2ndステージ最終節で、モンテディオ山形に4-0と快勝したG大阪は、逆転で年間3位の座をつかんだ。奇跡のCS出場に、長谷川健太監督は「1年間戦ってきた成果が、サッカーの神様が我々に、最後にCSのチケットを与えてくれたのかなと思います」と喜びを噛みしめた。
一発勝負となるCS準決勝の相手は、1stステージ覇者であり、年間2位の浦和レッズである。浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、決勝で待ち構えているサンフレッチェ広島、そして準決勝で対戦するG大阪を総じて「3チームとも非常にいいチームです」と語った後、「ただ、私は1チームだけ、少し違うと思う」と牽制した。
そのペトロヴィッチ監督の言葉を借りるならば、浦和は「常に自分たちが主導権を握って攻撃を仕掛け、相手を打ち負かしていく戦い方をしています」となる。一方のG大阪は「守備から入り、ボールを奪ってから、FWパトリックの強さとスピードを活かす、守備からカウンターを狙うチーム」(ペトロヴィッチ監督)となる。
事実、今回の決戦の舞台でもある埼玉スタジアムで戦った1stステージでは、浦和が1-0で勝利しており、シュート数においてもG大阪が6本だったのに対して、浦和は11本と勝っていた。また、2ndステージでは、ホームのG大阪が2-1で勝利こそしたが、シュート数に特化すれば、G大阪が7本、浦和は21本と圧倒していた。
赤と青——対照的な色をチームカラーとする両者の激突は、まさに攻撃の浦和、守備のG大阪という構図と言い換えることもできる。
サイド、中央、速攻と巧みな攻撃を見せる浦和
3-4-2-1システムを採用する浦和は、前線に加え、両WB、ボランチ、さらにはCBまでもがゴール前に進入する厚みが武器。特にWBを務める右の関根貴大、左の宇賀神友弥が見せるサイド攻撃は強力で、相手陣内深くまで突破することで多くの好機を作り出す。その際、1トップ2シャドーはもとより、逆サイドのWBまでもがゴール前に駆け上がることで、ゴール前での手数を増やす。また、それぞれのサイドでは、宇賀神と槙野、関根と森脇といった縦の関係で崩そうとしてくるだけに、G大阪のCBと、SBを担う藤春廣輝、オ・ジェソク、もしくは米倉恒貴は、浦和の両翼の勢いを止めることが試合の趨勢を占うこととなるだろう。
さらに浦和はサイド攻撃だけでなく、中央をコンビネーションにより突破する攻撃も持ち合わせている。その中心としてパスをさばくのが、キーマンでもあるMF柏木陽介だ。日本代表でも中盤の底から攻撃を組み立て、評価を上げている柏木が、いかに武藤雄樹、高木俊幸、さらには興梠慎三、李忠成らへラストパスを送るのか。加えてカウンターも巧さが光るだけに、G大阪の中央を担う今野泰幸、遠藤保仁としては、やはり攻撃の前に、柏木に仕事をさせないことが先決となる。
浦和の懸案はケガ人の状態にある。リーグ最終戦では、森脇、那須大亮、そして興梠が欠場した。特に3バックは、那須、槙野、森脇が揃って初めて強固になる。シーズン中もケガ人や出場停止が出れば、永田充や加賀健一が代わりを務めてきたが、神戸戦では、その永田が致命的なイージーミスから失点するなど、一抹の不安はある。それだけに、主力の回復具合が気がかりと言えるだろう。 パトリックを軸にタイプの異なる攻撃陣を、司令塔・遠藤が操るG大阪
ペトロヴィッチ監督に「守備から入る」と分析されたG大阪だが、ブロックを作って自陣に引きこもっているかと言われれば、決してそうではない。遠藤は言わずと知れたゲームメイカーであり、2列目には宇佐美貴史、前線には高さと強さを兼ね備えたパトリックもいる。また、スピードあるドリブルが魅力の倉田秋、山形戦で2得点した大森晃太郎、ここに来て評価を上げている192cmの長身FW長沢駿など、アタッカー陣のタイプは豊富だ。
前線の柱となるパトリックのポストプレーからチャンスを作り出そうとするのが、G大阪の特徴の一つでもある。浦和としてはパトリックがボールを受けた際は激しく厳しく、またパスの供給源となる遠藤も確実に潰したい。遠藤に細かくパスを回されれば、チーム全体が活性化してしまうだけに、徹底して抑えたいところだ。また、遠藤は希代の名キッカーでもあるだけに、ペナルティエリア付近でのファイルも致命傷となる。実際、今シーズンの浦和は、そのセットプレーから痛い目にあっているだけに、当然、警戒しているだろうが……。
G大阪のキーマンはやはり宇佐美である。過密日程をこなす23歳は、ここに来て疲労の色が濃く、やや輝きを失っている。1stステージは13得点とゴールを量産したものの、2ndステージは6得点。前節はアシストこそ記録したが、ゴールは5試合遠ざかっている。今季の浦和戦では2試合ともゴールがなく、抑えられていた印象が強いだけに、若きエースの真価が問われることになる。
新スタジアムが完成したG大阪は、今シーズンが最後となる万博記念競技場に帰ることができるのか。それとも浦和が2試合続けて、埼玉スタジアムで戦うことになるのか。一発勝負となるCS準決勝——広島と決勝で対戦するのは赤と青のどちらになるのか。
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明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ
<準決勝>
浦和レッズ vs ガンバ大阪
2015年11月28日(土) 14:00 KICK OFF
@埼玉スタジアム2002
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文/原田大輔
写真/佐野美樹 サッカーのいまを読み解く「SOCCER PUSH UP!」J1から毎節ピックアッププレビュー、ホームゲームのイベント情報を更新!また欧州リーグ、W杯、そしてインタヴューなど、国内外を問わず“いまやってるサッカー”シーンを中心とした記事をお届け! |
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2015年11月26日
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