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戦争報道の規制、大統領選での不正、傀儡政権(見せかけの自治)による異民族支配、自爆テロ、テロリスト収容所、大量破壊兵器とジェノサイド、民族・宗教問題、格差社会など、回を追うごとに現代アメリカの病理を抉り出す展開になってきた社会派SF『バトルスター・ギャラクティカ』。テロの恐怖の中、「戦時体制」を口実に異質なものを差別し排除するという非寛容な風潮が社会全体に広まっていることに警鐘を鳴らしていると言えます。
その一方でディック的なテーマも前面に押し出されてきています。
カプリカ6の幻影に悩まされていたバルター博士。「人類を裏切った卑劣漢」という自己嫌悪の果てに、彼は「本当は私は人型サイロンなのではないか?」と考え始めます。そしてサイロンであるはずのカプリカ6が、バルターの幻影を見始める。人間とサイロンの境界線はますます曖昧になってきているのです。そこには「人間らしさとは何か?」という本源的な問いが隠されています。
骨太なテーマ、重厚なストーリー。オリジナル版のスペースオペラ的要素を完全に払拭し、娯楽性と社会性を両立させた『バトルスター・ギャラクティカ』に、今後も注目していきたいです。
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