古今亭日用工夫集

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大前研一の「産業突然死」時代の人生論
民主党の政権公約では期待が持てない

2009年8月3日


(前略)

私は小泉改革は間違っていた、と至る所で述べているが、それは「官から民へ」の流れが間違っていた、と言っているのではない。「民」で十分機能しているもの、例えば郵便、貯金、保険、などは郵便局を民営化するのではなく、廃止すべきであった、と言っているのである。官のやっていたことで、民がすでに代替わりできるものは「廃止」ということを検討すべきだと述べてきているのである。

 また道路公団のようなものを民にするのは土台間違っている。廃止して「国道0号線」として無料化すべきだ、といってきたのである。もちろん道路公団が蓄積してきた借金は前回の本連載でも書いたが、現役世代が一気に返済する。そのために毎年個人には1万円を負担してもらい、商業車には10万円負担してもらう。その支払い時に特定の色のついたナンバープレートを発行して、高速道路を無料で使ってもらうのである。いまの民主党の「高速道路の無料化」では公団が民営化して残り、さらに膨大な借金が次の世代にまで残る。これではばらまきとなる。似て非なる政策、と言わなくてはならない。

 私は小泉改革の方向性を支持するが、内容が間違っていた、と思っている。審議会などへの検討課題の与え方がそもそも間違っており、官の利権を温存する形での民営化、という恐ろしい結果になっている。もし民主党がそのことを修正しないで、郵政は西川人事で報復し、道路公団を存続させたまま収入補填などの形で無料化するなら、誤った自公路線を延命、いや事後承認することになる。これでは政権を変える意味がない。

小泉改革を安易に悪者にする愚はさけるべき

 もう一つ良く出てくる識者の言葉に「小泉改革の行き過ぎた市場至上主義の過ち」という言葉がある。これも許し難い誤解である。小泉氏は市場に関しては何もやっていない。市場至上主義というよりは、金融庁などの誤った金融機関の過剰監視で市場が機能不全になったに過ぎない。ライブドア、村上ファンドなどは昔からある法律に則っても犯罪であって、小泉改革がそれを助長したということはない。勝者と敗者の二極化が進んだ、という指摘に関しても同じだ。この現象は90年代の中頃から進み、現在に至るまで修正されていない。日本の人件費が高くなり、メーカーは海外に移転せざるを得なくなっている。その結果、日本に踏み止まりたい企業が正社員を減らし雇用形態を多様化してきたために起こっている。企業社会においては、これは経営者の当然の打ち手であって、小泉改革がこれを加速、あるいは助長した、とは考えられない。

 日本においては市場主義を心配するほど市場に自由があるわけではなく、むしろ世界中から資本も企業も来ない、という淋しい状態である。これこそが雇用を創出したい、あるいは創出しなくてはならない、日本の最大の問題であり、日本が自由主義経済の原則、あるいは市場に任せる政策をとっている、という判断をしている人など世界中どこを見回しても、いない。

 もう一つの濡れ衣は「小泉の三位一体改革が地方を疲弊させた」というものである。これまたワンフレーズ政治においては分かりやすい表現であるが、全くの誤解である。日本の地方自治体の疲弊は今に始まったことではない。ましてや中途半端にしか実行してきていない「三位一体」改革では疲弊のしようがない。聖域なき構造改革、という言葉は確かに交付税や国庫支出金を削られた側から見ると悪夢のような響きを持ったろうが、冷静に考えて日本のように地方をジャブジャブの金漬けにしているところなど世界のどこを見回しても見つからない。そうした補助金によって自助努力が疎かになり、麻薬が切れて「疲弊している」というところはあるかも知れないが、基本的に国から地方に財源を委譲することが悪だとは考えられない。それで地方が疲弊するなら、その組織、統治機構そのものに問題があるのであって、改革はさらに大胆に進めなくてはいけない。

 小泉改革への反省が出発点、と自民党も民主党も異口同音に言っているが、反省すべきはその不純な動機、そして不完全な経済原則の理解、さらに中央官僚による骨抜き、という三位一体の欠陥プロジェクトの推進方法であって、「官から民へ」やスモールガバメント、自由市場原則、そして「中央から地方へ」という権限、財源、主導権の移行が間違っているとは到底思えない。日本は戦後、極端な中央集権機構を作り効率よく復興してきたが、今起こっている市場の閉塞感はすべて、その制度疲労したシステムが抜本的に直っていないことから発生している。この点に関しては、自民党にも民主党にも安易に小泉改革を悪者にする寓はさけてもらいたいと思っている。また必要なら選挙が終わった後に、ゆっくりその論戦をして、過去10年間の総括をしたいものと思っている。

(中略)

 廃案になった法案のほかに、わたしが残念に感じるのは石破農林水産大臣が提唱してきた「減反政策見直し」の頓挫である。従来から与党はコメの生産量を減らすために減反政策を推し進めてきた。彼はそれを見直そうと努力しており、「しっかり地に足の付いたことをやり始めている」とわたしは見ていた。農業基盤事業整備で膨大なカネを使って圃場工事などで農地を増やしておきながら、一方で減反をする、という支離滅裂な自民党の農政に終止符を打つキッカケになると見ていたからだ。

(後略)



財部誠一の「ビジネス立体思考」
霞が関解体なしに道州制なし

2009年8月4日

(前略)

“霞が関”という中央集権モデルは既に死んでいる

 霞が関の中央集権体制はもはや完全に機能不全に陥っている。

 霞が関が予算を独占し、全国一律のメニューを示して、地方はただそれに追随するという昭和のオールドスタイルは、高度成長時代には見事に機能した。

 だが、今はそのスタイルでは通用しない。地域の実情に応じた政策メニューを提示すべきなのだ。ところが、農水省も国交省も総務省も厚生労働省も、あらゆる省庁がそうした政策メニューを提示できない。
こっけいなくらい世の中の常識や地方の現実から遊離している。このこと自体が“霞が関”という中央集権モデルそのものが既に死んでいるということであり、それにかわる新たな仕組み作りの方向性として「地方分権」への期待が高まったということだ。

 つまり地方分権は霞が関の中央集権モデルの解体を意味している。国の予算や権限を少しばかり地方に委譲すればすむという話ではないし、近隣の都道府県が合併して道州制という仕組みができれば事足りるという話では断じてない。

 “中央集権”から“地方主権”へ。

 これが地方分権の本質だ。国民にもっとも近い距離にある市区町村(基礎自治体)をできる限りの予算と権限を与え、経営主体と自立させる。それが第一歩である。そして市区町村にできないことだけを道州が行い、道州ができないことを国がうけ持つ。これが地方分権の基本的な流れである。

(後略)


辻広雅文 プリズム+one
辻広雅文【第79回】 2009年07月29日
「官僚たちの夏」というセンチメンタルジャーニーの危険

(前略)
 そこには確かに、エリートたちの志があり、無私があり、懸命があり、少なからず私たちの胸を打つ。しかしながら、それは言うまでもなく、発展途上国型の官主導による開発主義経済、国家管理である。当時、政府のあらゆる仕組みが開発主義経済に呼応かつ構成していた。
 程度の違いはあれ、当時1970年代初めくらいまでは、先進諸国も同様であった。ありていに言えば、戦争時の統制経済の仕組みを改変し、国家管理による経済産業運営が行われていた。昨年来の世界的金融危機で抜本的見直しが必要ではないかと指摘されたブレトンウッズ体制とは、その国家管理システムを世界に拡大したものだったといっていい。
 だが、とっくに通産省や大蔵省、つまり国家が担っていた管理機能の大半は取って代わられた。何によって取って代わられたか。市場(マーケット)によってである。今、先進各国の政府は、いかに市場の調整機能をうまく作動させるかを日々、腐心する。
(中略)
 総選挙を前にして、「弱肉強食型の冷徹な市場主義経済から決別し、格差を是正し、安心を実現する」といった発言が、与野党の区別なく繰り返されている。どうやら、4年前の総選挙で大勝した小泉政権批判でもあるらしい。
 「弱肉強食の冷徹な市場主義経済」とは、誤解に満ちた常套句である。「弱肉強食」とは、強いものが弱いものに対していかなる手段を使っても叩きのめす、という意味が込められている。だが、考えて欲しい。そうした乱暴な市場経済を、どの国のいかなる政府が許しているというのだろうか。強いものが弱いものを不当な手段で圧力を加えれば、例えば、独占禁止法の「優越的地位の濫用」に抵触し、処罰を受ける。
 市場は法制度によって支えられている。仮に、その市場に機能がうまく働かないのであれば、さまざまな法制度の改変や運用の工夫による「市場の高度化」によって解決されるべきものである。こうした世界の常識を棚上げして、誤解に満ちた常套句を持ち出す政治家は、不真面目だとしかいいようがない。



規制でがんじがらめの日本経済。その鎖から解き放つことこそが、今求められている。

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